それいけポンコツ指揮官とM1895おばあちゃん!! 作:鮪薙
クフェアはその日、朝から調子の悪さを感じていた、だが人形である自分が風邪を引くはずなんてと思いながらベッドから体を起こして普段と同じ様に最愛の人であるノアにお弁当を作ろうと自室に備え付けられたキッチンへと向かう、のだがその足取りは普段のそれよりと比べるとどうにも重く感じる
思えばここ最近、こうして原因がよく分からない体調不良に悩まされるようになったことが多くなった彼女だが今日の場合は今まで以上の感じ方である、無論こうして起き上がることも出来ればキッチンにてお弁当を作るくらいは普通にできる、出来るがその手際は彼女本人がよく分かるほどに悪い、結果
(あっ、少し焦がしちゃった……)
料理したての頃ならまだしもここ最近ではしなかった失敗にクフェアは思わず顔を顰める、いつもの私じゃない、そんな風に。
だが何とかお弁当を完成させたタイミングでノアがモゾモゾと動き出し身体を起こしてからグッと伸びを挟んで寝ぼけ眼を擦りながらクフェアの方を向き
「おはよう、クフェア」
「おはようございます、ノア。今日もいい天気ですよ」
お決まりの挨拶を交わしながらこれまた同じ基地のヴァルター夫婦と同じ様におはようのキスをしたのだがそこでノアがむ?と声を上げ、唐突にクフェアの額に手を当てる、当てられたクフェアはどうしたのかと眼をパチクリさせれば
「素直に言ってくれ、また調子悪いだろお前」
「え?あ、はい……多分この間のと同じ感じだと思うのですが」
「だけど、続くってんなら異常だろそれ、待ってろペーシャかソーコム呼んでくるって、クフェア?」
「だ、大丈夫、少ししたらまた治るから、それよりも朝ごはん食べに行きませんか、今日もノアはお仕事なんですから食べないと保ちませんよ」
さぁ行きましょうとノアの手を引いて歩き出すクフェア、だがノアはその姿を心配そうに見つめる、彼女はすぐに分かった、今クフェアは無理してるとだが彼女にそれを伝えても多分大丈夫だと言い聞かない、どうしたもんかなと悩みながら二人は食堂にて朝食を食べ始める。
食べ始め、またそこでクフェアは異常を感じた、何時も食べているネゲブの料理、味だって勿論変わりない、のだが今日は口に合わない感じがした
(あれ?……うーん、酸っぱいの無かったかな?)
「ん、なんか探してんのか?」
「酸っぱい料理」
つい口にしてしまったがノアは深く考えずに彼女が要望した料理を持ってきてくれてそれを食べれば今度は特に何も思わずに食べ進めることが出来た、が本当に今日の自分可笑しいなとそこから思い始める、コレ本当に唯の体調不良なのかと
更に言えばノアを見送った後(勿論だがこの際にも何かあったらすぐにペーシャ達に言うんだぞと念押しされる)ネゲブの手伝いをしている最中、グッと胃から逆流する感覚に襲われ咄嗟にしゃがみ込めばその場に居たネゲブとシャフト、それとG36が何事かと彼女に駆け寄り
「く、クフェアさん!?」
「はぁ、うっぷ、ハァ……ハァ……」
「ネゲブ、そのバケツ!」
「ほら、戻すんだったらコレにしなさい!」
コレは今からトイレも間に合わないと判断したG36の指示でネゲブがバケツを差し出せばそれに向かって思いっきり戻す、嘔吐してからクフェアは何が起きたのかと理解が出来ずに思考が混乱を始める、その様子を見ていたシャフトもどうしようどうしようとオロオロしながらクフェアの背中をそっと擦り、ネゲブはG36を見て
「彼女をお願い出来る?今日は私とシャフトとM590でやっちゃうわ」
「畏まりました、では私はクフェア様を医務室に連れていきますね」
「それでいいと思うわ、行くわよシャフト」
「は、はい!あの、身体を大切にしてくださいねクフェアさん」
「うん、ありがとシャフト、ちゃん……あと、すみませんネゲブさん……」
まだ呼吸が整わないのだがそれでも何とかシャフトに返事をしてからネゲブにも謝罪をすれば向こうは別に問題ないわと答えてからシャフトを連れて業務を再開、それから少し落ち着いてからG36はクフェアを医務室に運び、事情をPPSh-41に話せば、ふむと考え込み始める。
ここ数日断続的に来る体調不良、聞けば今朝も何時もと違う味を食べたくなったりし、そして今さっきの突然の嘔吐、彼女の中で答えが見え始める、これはもしかして、と。
「……とすれば、彼女だけではないですねコレ」
「私だけじゃ、ない?」
「えぇ、ソーコム、すみませんが指揮官を呼び出して下さい。リベロール、検査薬2つ用意して下さい」
「あぁ、そういう事ね、了解すぐに呼ぶわ」
「検査薬って、どれですか医務長」
リベロールの言葉にそう言えば彼女はあの時はまだ居なかったかと失念してた事柄を思い出して彼女にその検査薬の名前を言えば、リベロールは目を見開き、クフェアは歓喜の声を上がりそうな口を抑えて、G36も驚いたとばかりに口を抑え、だが嬉しそうな笑みを浮かべる。
その頃、ユノは普段どおりにナデシコ内で業務を行っていたのだがSOCOMから通信が来たと思えば
「え、クフェアちゃんが!?」
《今はもう落ち着いてるけどね、それでペーシャが指揮官にも来て欲しいって、今すぐなんだけど大丈夫かしら?》
「今すぐ、は難しいよね……」
「私だけでもまぁこなせなくはないけど、効率は落ちるね。業務後じゃ駄目なの?」
オモイカネの言う通り、ナデシコYカスタムは彼女だけでも監視任務は出来る程度には操作できるのだがやはりユノが居ないと十全には稼働できない、なので今すぐにと言う要望には中々に答えづらかったりする。
SOCOMもそれは理解できているのでそうよね~と言った感じにどうしたものかと考えていると、特殊戦術室にてサポートの仕事に入っていたキャロルが
《ならば俺が代わりを勤めよう》
「え、キャロルちゃんってそうか、確か普通に接続できるんだっけ?」
《まぁな、ただコレはお前用に作られているから9割程度が限度だがな、それでも帰ってくるまでの代役は出来るだろう、その間に行ってやれ》
「うぅむ、キャロルにいきなり任せるのはあたし的には不安なんだけど、まぁそれしか無いか」
割とまだ疑い深いオモイカネだが、キャロル自身も被害者だとは知っているのでそれ以上は言わずに、ユノはキャロルに一時的にナデシコを任せて彼女も医務室へと急ぎ……
その日の業務終了の時間、それぞれパートナーについて話があると呼び出されたのはクリミナとノア、丁度医務室前でばったり出会った二人は、互いに一つ頷いてからゆっくりと扉を開ければ迎えたのはコレ以上にないほどに満面の笑みを浮かべたクフェアとユノ。
それから祝福の笑みを浮かべるSOCOMと必死になってなにか資料を読んでいるリベロール、そして医務長たるPPSh-41もSOCOMと同じ様に穏やかな笑みを浮かべてから
「単刀直入に……おめでとうございます、クフェアさんと指揮官の両名の」
妊娠を確認しました。その一言を飲み込むのに時間がかかるも理解をした刹那、二人はそれぞれの最愛の人を見つめれば、向こうも答えるように笑みを浮かべ頷くのであった。
はい(はい)と言う訳でそういう訳です、この作品も今年は忙しくなるな!!
あ、後数話はこの関連のお話でドッタンバッタンです、ついでに言えばこの基地も少し立場と変わるかもしれないしユノとペルシカの関係性も変わるかもしれない
つまりは未定!