それいけポンコツ指揮官とM1895おばあちゃん!!   作:焔薙

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ぶっちゃけネタが浮かばなかったからみらくるふぁくとり~の出番がなかっただけという


暇がなかったから仕方ないけど4ヶ月ぶりのみらくるふぁくとり~!

アーキテクトは唐突に思い出した、そう言えば自分『みらくるふぁくとり~』って言う動画やってたことを。

 

いや、正確には忘れてはいなかった、いなかったのだが如何せん此処最近があまりにドタバタしすぎて開発に時間が取れず、更には例の襲撃でラボが一度は吹き飛びその際に動画内で発表するつもりだった手書きの開発品の設計図も見事に吹き飛んだ。

 

つまりは作る作らない以前に、何を作ろうとしたのかすら忘却して今日まで時間が過ぎてしまったのだ、ならば何か作ろうではないか、自分が作りたい皆の、基地の、ユノの役に立てそうなものを!

 

「っと思ったのは良いんだけど、案が浮かんでは微妙すぎて却下する日々なんだよね……」

 

「それはまた珍しいですわね、何時もならばとりあえず作ってみたでお披露目しますのに」

 

グデ~ンと大きくなった自身の胸をテーブルに乗っけてボヤくアーキテクトにクリミナが心底驚いたように呟く、確かに彼女の言う通りアーキテクトというハイエンドモデルは思い立ったら即行動という存在であり、基本的に『こんなのどうかな?』ではなく『こんなの作ってみたけどどう!?』という言葉が似合うほどの少女である。

 

そんな彼女が今こうしている、コレはかなり根深いスランプなのではと思わず心配になるユノ、側に控えているG36も珍しい彼女の様子にあらあらと言う感じである。一つ言うのならば別段スランプと言う訳ではない、浮かぶには浮かぶし今日まで何かしらは作っていた、だがいざ『みらくるふぁくとり~』用となると、何と言うべきか、彼女に言わせると

 

「加減が分からん……何処までがセーフだっけ?」

 

「ど、どこまで?うーん、前作ったあの『めかめかメイドさん』は色々駄目だったかもしれないけど」

 

「ですがあのメイドロボ、結構役に立っていますよ?よくアニス達に絡まれて転がっているところも見ますけど……」

 

ドラム缶ボディだからなぁとアーキテクトが呟き、う~んとまた唸る、どういう訳かコレだというものが浮かばない、仮に浮かんでもなにか一つが足りなくて消えてしまう。

 

このまま考えててもドツボに嵌りすぎるだけと考えた彼女は思考を一度リセット、せっかくだしこのままお茶会を楽しむことにするかと体を起こしてクッキーを一枚手に取ってから

 

「そう言えばさユノっち、お腹に赤ちゃんができたって言ってたけど、クーちゃんみたいに戻したりしないね」

 

「私とクフェアちゃんじゃちょっと違うからね、まだ大丈夫みたい、でもそろそろかもとかペーシャちゃん言ってたかも」

 

赤ん坊、アーキテクトもD08に何度かお邪魔した時に見たことあるのだがよく抱き抱えてあやしてるのも見てて両手が塞がり、周りのサポートが大事なんだなぁとか思い出して、彼女の中で閃きが走った。

 

両手が塞がるのは仕方がない、だがその状態で何かしらしないといけないことだってあるはずだ、ならば

 

「腕を作れば良いのでは!?」

 

「……はい?」

 

「だから腕だよ、ユノっちもクーちゃんも将来はその腕で赤ん坊を抱く、そうすれば両手は使えなくなっちゃうわけだ、ならばそれを補助する腕を作るんだよ!こうしちゃいられねぇ、直ぐに設計図に書き起こさないと、ありがとう皆、お陰でみらくるふぁくとり~が再開できそうだよ!!」

 

ぐいっとカップの紅茶を飲み干してから輝く笑顔でその場全員にお礼を伝えてからバタバタとラボへと駆け戻っていくアーキテクトを見つめ、何とも慌ただしいと思いながら、ユノはただ一言

 

「アーちゃんらしい感じが戻ってきたね」

 

「しかし、何を作るでしょうか?」

 

クリミナの疑問は数日後明かされる、本日は平日……だったのだが嵐のように現れたアーキテクト、もとい約四ヶ月ぶりに見たうさぎの着ぐるみ風パワードスーツ身を包んだ『アーちゃんうさぎ』と同じくその嵐のように現れた彼女に拉致られて約四ヶ月ぶりにこの衣装になったなと感傷深くなるユノ・ヴァルター改め『ユノっちおねえさん』の二人は例のスタジオに居た。

 

そう、新生ラボ、新生アーキテクトによる『みらくるふぁくとり~』の動画撮影日である、つまりは

 

「完成したんだ、その、腕?ってやつ」

 

「おうとも!じゃあ早速始めようか、ユノっちおねえさん!!」

 

「よし、3!」

 

「2!!」

 

「「1!ドッカ~ン!わ~い!」」

 

二人の元気が有り余っているカウントダウンが終われば軽快なあのBGMが鳴り響き、アーちゃんうさぎとユノっちおねえさんがお決まりの挨拶をするのだがその声も表情も久しぶりということもあってか本当に輝くようなものであり、撮影していたFMG-9も思わず見惚れそうになるほどのそれを振りまきながら

 

「それで久しぶりな『みらくるふぁくとり~』だけど、今日は何を作ったのかな?」

 

「ふっふっふ、今回のはまた面白くそして役立つ開発品、その名も【てだすけちゃん!!】」

 

バサッと台の上のシートが剥がされれば現れたのは大体リュックサックくらいの大きさの四角い箱、これだけでは何なのか、そもそも腕とはという話になるのでとアーちゃんうさぎが指を鳴らせば箱の両側面が変形し機械の腕、しっかり五本指のアームが出現した。

 

「これが、アーちゃんうさぎが言ってた『腕』……」

 

「そう、このアームは人が作業するようなことが出来るように設定、プログラミングされてて、人形の場合はスケアクロウのビットのように遠隔操作が出来て、人間が使う場合は高性能学習型AIが積んであるタイプを用意してて、それに声で指示してやってほしい作業を行ってくれるって代物さ」

 

これはリュックサックの様に背負わなければならないのだが両手が塞がってもこの箱に背中を合わせれば自動で着脱可能であり、その点も抜かり無い。

 

アーム自体の性能は先程アーちゃんうさぎが言ったとおりであり、やろうと思えば書類に名前を書いたり料理も可能だとか、流石に何度か練習等が必要ではあるのだが使いこなせれば

 

「万能アームとして活躍してくれるはず、両手で足りない作業のときでもコレを使えば作業効率がアップしたりも狙えるから、割と色んな場面で使えるものだと自負できるよ」

 

「思ったよりも重くないね、あ、分かった反重力ユニット埋めてるでしょ」

 

「あったり~!流石ユノっちおねえさん、そうじゃないと重量シャレにならないからね~っともうこんな時間じゃん、まぁこれからも何かあったら作って発表するから、また楽しみに待っててね!ではアーちゃんうさぎと~」

 

「ユノっちおねえさんでした!」

 

シーユー!後日だが、アーキテクト自身がコレを使い開発作業を進めている所を88式と89式が見つけたのだが、何とも楽しそうだったとのこと。




てだすけちゃんのイメージはスターオーシャンのプリシスの【むじんくん】あれ結構デザイン好きなんですよね~

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