それいけポンコツ指揮官とM1895おばあちゃん!!   作:焔薙

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ぶっちゃけカルカノM1891とL85に本編中のセリフを吐かせたかっただけ


これが私の戦車道ですわ~

ブルートを轢いたその車両、いや、戦車は飛び込んでブルートを轢いたままの勢いそのままガンッ!と横転する形で着地、そのまま一回転、二回転ほどしてからドスンッ!と重い音を立てて漸く停車。

 

追われていた戦術人形【AN-94】はそのあまりに唐突で衝撃的な展開に言葉を失いながら飛び込んできた戦車に視線を向ける。

 

(あれは……【CV33】?骨董品とかではないのですが、そもそも見るからに新しく作りましたってやつですよね?)

 

何故こんな物が動いているのですかと混乱の渦に居るとガコンとキューポラが開かれてそこから顔を出したのはピンクの髪の笑顔の戦術人形【カルカノM1891】彼女はそのまま周囲に宣言するように、だが横転の際に額でもぶつけたのだろうその部分を少し赤くしているので何とも締まりがないが彼女は気にせずに

 

「ノリと勢いとパスタの基地からカルカノM1891、参上です!!!」

 

「パスタって何ですか、いったた……って姉さん!!戦場で何やってるんですか貴女は!?しかもあんな荒い運転して、っち!!!」

 

「おおっと、ごめんごめん、シノ」

 

次にもう片方のキューボラを開いて姿を出したのはカルカノM1891の妹である【カルカノM91/38」そして出てきて姉であるカルカノM1891に文句を言ってから轢いただけでまだ生きていたブルートを即座に射殺、と言うよりも先ほどの名乗りを上げ他行為のお陰でAN-94を追っていた鉄血の一部が彼女たちのもとに集まるという自体に陥っており、なので

 

「ああもう、姉さんは少し物を考えて動いてくださいって何時も言ってるじゃないです!!!」

 

「あはははっ、でもほらお陰で敵が集まって一網打尽って出来るじゃないですか!」

 

「まだ救助対象の安全が確保できてないから問題だって言ってるんですよ!?」

 

あ、そんな抜けた声でカルカノM1891から聞こえた、だがAN-94はそれよりも先ほどの会話の中で気になるものがあった。【救助対象】彼女たちは確かにその言葉を告げていたのだが自分は救難信号なんてものは出してないし、そもそも登録が抹消されているから出していようと拾われることなんて無いはずなのだが、だが二人は彼女を見つければ

 

「この方ですよね、ナデシコ、確認をお願いします!」

 

《こちらナデシコ、あぁそいつだな。L85、二人の援護に入れ、鉄血のヤツラが集まり始めている》

 

《畏まりました~、ではパンツァーフォ~》

 

事態が飲み込みきれないがどうやらまだ運は死んでないとジャムった愛銃を仕舞いサブアームのMP-443を抜いて攻撃を開始するAN-94、そうこう言ってる間に(自業自得とは言え)孤軍奮闘するカルカノ姉妹達だが徐々に増える数に応戦が綻びが出始めた時、一発の砲弾が相手小隊に着弾、爆ぜ吹き飛んでから現れたのはD04基地から送られた【M1エイブラムス】乗っているのは車長の【L85A1】と【リー・エンフィールド】

 

《こんな格言を知ってるかしら~、【強さに欠けているのではない。意志を欠いているのだ。】鉄血の簡易AIでは私達の強襲は予測できなかったようですね~》

 

《フランスの作家、ヴィクトル・ユーゴーの言葉ですね、お待たせしました独自遊撃部隊【ランページゴースト】到着しました、ナデシコ指示を》

 

通信越しに聞こえた彼女たちの声にカルカノM1891は待ってましたとばかりに愛銃を掲げて、先ほどから状況が悪くなろうとも曇らずに笑顔のままだったその表情を更に輝かせて

 

「助かった~、よぉしシノこのまま反撃してあの娘を救いますよ!」

 

「はいはい、全く嘘を付く暇すら無いじゃないですか……」

 

これは本当に自分を助けるために来たのかと安堵の感情が生まれた時、AN-94の身体から力が抜けそうになるが此処はまだ戦場だと気を引き締め直そうとすれば今度は別の車両【FV510ウォーリア装甲戦闘車】が彼女の前に現れ、キューボラが開き車長【M3】それからハッチからは第三部隊の面々が降りてAN-94の周囲をカバー

 

「こちら第三部隊、対象を回収する」

 

「は、早く乗せてくだひゃあ!?ビチャズさん、う、撃ってください!!」

 

《いや慌て過ぎですよ、それに態々、顔を出す必要ないんじゃないかな……》

 

た、確かにですね!とM3は即座に引っ込み、そのやり取りを見た第三部隊の部隊長【416】は何してるのよと思いながらAN-94の側まで行き向こうの言葉を聞く前に担ぎ上げるのだが、その際に彼女の身体を見て思わず顰めっ面をしそうになる、それほど彼女の身体は無茶を重ね続けたというのがよく分かるほどだったらしい。

 

対してAN-94は突如担ぎ上げられ、いよいよこれが本当に救援だと感じれば段々と意識が遠のく感覚に襲われる、だがまだマズイと思うも

 

「寝てなさい、何があったかは基地で聞くから。全員乗りなさい!イチイバル、装甲戦闘車の援護に回って!」

 

《おう!》

 

《乗せたら直ぐに出発をお願いします!ってあ、運転私でしたよね》

 

因みにだがこの独自遊撃部隊【ランページゴースト】は未だ誰が明確な部隊長なのかは決められていなかったりする、詳細はまた後日語るが暫定部隊長は【ノア】と言うことになってはいるのだが彼女は面白いくらいに指示が苦手なのでどうしたものかとなっているらしい。

 

という余談は置いておいて、AN-94を保護したFV510ウォーリア装甲戦闘車は部隊回収後にエンジンをフル回転させて戦域を離脱を開始、カルカノ姉妹が乗るCV33もL85達のM1エイブラムスも続くように走り出すが無論鉄血がそれをみすみす許すわけもなく追撃をしようとするがそれはノアの空中からの斉射に阻まれ、ランページゴーストは撤退を成功、その報告を聞いたナデシコ内のキャロルは息を吐き、次いで特殊戦術室にてユノも同じ様に息を吐いてから

 

「ふぅ、でもあのAN-94はどうしてあの場所に」

 

「それもあるが登録が抹消されていた個体だというのも気になる、416からの報告だと酷い状態らしく、長らく一人で放浪してたことは分かるが」

 

兎も角、彼女たちを迎えに行くとするか。そうユノに告げ特殊戦術室を後にしてユノも付いていく、だがナガンはAN-94という名を聞いてから

 

(もしあのAN-94は、だが、いや、ありえなくはない……まさか戦い続けていたのか)

 

脳裏に浮かぶのはレイラに依存に近い形で慕い共に働いていた彼女、もしそうだとすれば

 

「大馬鹿者が……」

 

「おばあちゃん?」

 

正門前、ランページゴーストが帰還そして彼女との対面が始まる。




明日のお話はまた少しだけ時間が戻るかも、具体的にはAN-94の反応発見時の基地の様子位に。

AN-94さんの登場回なだけのはずなのに長くなってしまってすまぬ、スマヌス

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