それいけポンコツ指揮官とM1895おばあちゃん!!   作:焔薙

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元気に皆を振り回すし指揮官も偶に巻き込まれるしなんだったらナガンおばあちゃんだって巻き込む元気ガールのお話


SOPちゃんは何時も元気

「る~~る~る~っと」

 

かなり機嫌よく鼻歌を歌いながら司令部を歩く服装は黒だが肌は逆に白い少女【M4 SOPMODⅡ】は先程まで任務に出ておりそこで鉄血人形と交戦、その際に得た綺麗な『戦利品』を指揮官に見せてあげるべく現在は執務室を目指している

 

ここで彼女について話しておく、彼女はAR小隊の一人であり性格は天真爛漫を体現したような存在で司令部の仲間や指揮官には子犬みたいに戯れつき遊んでくれと言わんばかりのテンションを発揮する

 

が一度戦闘になればその無邪気さはそのままに残虐性を顕にする、そして鉄血人形を生きたまま解体、または過剰な拷問を掛けたりとM4に言わせれば戦場では有名な人形虐待嗜好者と言うくらいに酷い

 

そしてその残虐性と無邪気さと子犬みたいな性格が合わさると何が起きるか、彼女は時たま鉄血人形のパーツの一部を引っこ抜いては部屋にコレクションすることがあり更に言えばそれが綺麗に取れたと言うなら指揮官に見せたくなるという性分もある、がこの司令部に関してはそれは結構な問題行為になる

 

「指揮官、帰ったよ!!」

 

「あ、お帰りSOPちゃん、戦闘があったって聞いたけど大丈夫だった?ナガンは指揮するほどでもあるまいって言ってたけど」

 

「無問題、みんな怪我一つ無いよ!」

 

「ほれ見ろ、偶には皆を信じてみたらどうじゃ、毎回毎回、指揮が通る状況ではあるまいしこういった自律行動も必要じゃ」

 

ノックもそこそこに執務室の扉を開け放ち帰還の報をすれば指揮官は安堵の息を吐き、M1895はそういった旨を話す。そこでSOPは此処に着たもう一つの目的を果たそうとゴソゴソとポケットを漁りながら指揮官の側まで行く

 

当然、指揮官は何かと期待して彼女を見る、がここでいち早く気付いたのはM1895、SOPの性格をキチンと把握してるはずの指揮官が何故そこまで無警戒なのかと思いながら

 

「SOP、そのまま両手を上げるのじゃ」

 

「え、こう?」

 

だが遅かった、丁度掴みかけてたらしいその物体は彼女が両手を上げた際にポケットから零れ落ちゴトリと言う鈍い音を執務室に響かした

 

そしてそれが何の音かと気になるのが人間であり不思議そうな顔をしつつ

 

「SOPちゃん、何か落ちたよ?」

 

「あ、そうそう、見て見て指揮官、今日綺麗に奴らから取れたんだよ!!」

 

「ば、見るな指揮官!!」

 

M1895の珍しく焦った声にへっ?と反応するも全てが遅く、SOPが輝かしい笑顔で両手に乗せたそれを彼女は見てしまった

 

普通の人間ならば機械のそれは彼女から見れば、ヌチャリと言う生々しい音が聞こえそうな液体を纏った目玉、たしかに彼女の言う通り傷一つ無いので綺麗だろうが指揮官からすれば綺麗だろうが何だろうが目玉は目玉な訳であり

 

「ひゃっ、あ、え」

 

「馬鹿者、指揮官がわしらをどんな風に見えておるのかを忘れたのか!」

 

「……あ、あ!ご、ごめんなさい」

 

「ナガン、怒らないであげて私はだ、大丈夫だからさ、SOPちゃんだって悪気があったわけじゃないんだし」

 

それに分かってて止めなかったのは私だからと顔を青くしながら今にも説教を始めそうなM1895を制して落ち込んでいるSOPに笑いかけ、ゆっくりと深呼吸を繰り返す

 

これは建前では無く本気でそう言ってる、SOPの性格を把握してるからこそ彼女は止めなかったし受け止めようとしたのだが思ったよりインパクトが大きかった、三度目の深呼吸で顔色も戻り始め未だ落ち込んでいるSOPの頭にそっと手を乗せ

 

「ふぅ、うん、もう大丈夫だよ」

 

「で、でも……」

 

「ふむ、よい、後はわしがやっておこう、お主らは休憩に行ってくると良い」

 

そのまだ微妙に青い顔で仕事されても気が気じゃないからのうと書類を纏めながらM1895が告げるが休憩には早く量もまだそこそこ残っている、そこで副官の意図に気付いた指揮官は分かったと頷いて

 

「SOPちゃん、ちょっと息抜きに付き合ってくれるかな?」

 

「え、あ、うん!」

 

「じゃあ、ごめん、ちょっとお願いね」

 

「ああ、ゆっくり息抜きしてくるが良いのじゃ」

 

ヒラヒラと気怠げに手を振るM1895に素直じゃないなぁと小さく呟きながらSOPと手を繋ぎ執務室を出る

 

息抜きなのでゆったりと歩きながらSOPがその任務であったことを嬉しそうに話すのを指揮官が微笑みながら聞く、一部中々に過激な内容も混ざるが話だけなら耐性がそこそこ出来上がっているので問題ない

 

「指揮官、さっきは、本当にごめん……私ちょっとはしゃぎ過ぎちゃって」

 

先程まで楽しげに話していたSOPが急に声のトーンを落としたと思ったら改めて謝罪をしてくる、彼女としてはただ指揮官に喜んでもらおうとしただけだったのが少し大事になってしまい尾を引いているのだ

 

それに対して指揮官はまた先程と同じように笑いかけながら頭を撫で

 

「まぁ確かに驚いちゃったけどさ、でも私に褒めてもらいたかっただけSOPちゃんは悪気があったわけじゃないでしょ?」

 

「う、うん」

 

「なら良し、ありがとね、そうだねお礼に今度パンケーキ作ろっか」

 

それともカフェでお茶の方が良いかな?優しく頭を撫でつつ微笑みそう告げればSOPの顔に笑顔が戻り始める、それを見た指揮官も満足気に、そして負けじと笑顔を浮かべれば今度は二人して声を出して笑い合う、そんな二人の少し長めの息抜きは副官から小言の混じった通信が来るまで続いたとさ




wikiでSOPちゃんは田村ゆかりでロボットだから実質プリキュアってコメント見て軽く納得仕掛けましたが私は元気です

偶には姉ムーブも出来る指揮官の図

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