それいけポンコツ指揮官とM1895おばあちゃん!!   作:鮪薙

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サブタイが全てを語っている


あぁ、女神様

それは一枚の書類から始まった、執務室にて今日の書類を整理していたユノが一枚の紙を見て、あっと声を漏らせば当然ながらナガンも反応し

 

「なんじゃ、また不備でもあったか?」

 

「いや、そうじゃなくて、ほら、今日の配属の人形だって、最近また増えてきたね」

 

「……いや、こいつ訳ありじゃな、此処に来る前に基地を3つも追い出されておる」

 

気難しい子なんだねとニコニコ笑顔で答えるユノに対して果たしてそうかのぉと書類をもう一度読み直す、その人形の名前は【HMG21】追い出された理由は命令違反、命令無視、つまりは命令を全く聞かないからとのこと、向こうの言い分は【お姉さんじゃない人になんで命令されなきゃならないのか】そのお姉さんと言うのは【G3】らしいのだが

 

その基地にもG3は居た、居たが駄目だったらしい、そしてP基地に回ってきたという経歴、そこまで読んでふむと考える、もし確かにこの基地にもG3は居る、しかしそれが彼女の求めるG3なのか、それが懸念である。

 

「出たとこ勝負か」

 

「ん?」

 

こっちの話じゃとそこで話は終わり、残りの書類仕事を片付ける方に集中すればユノもやっば慌てて業務を再開、だがそこはかれこれ一年以上やってきたこと、数十分と苦戦もせずに終え、しっかり着込んでから恒例の様に正門前にて件の彼女を待てば時間ぴったりにHMG21は到着し

 

「……HMG21、よろしく」

 

「ようこそP基地へ、私はこの基地の指揮官の【ユノ・ヴァルター】です、でこっちが」

 

「副官のナガンM1895じゃ、さて中々の長旅じゃっただろう、一度部屋に……」

 

「それより、お姉さんは居るの?」

 

スパンという効果音が鳴りそうなほどに会話をぶった斬ってHMG21はそれを聞いてきた、顔を見れば正直、基地の内部とか部屋とかどうでもいいですというのがありありと見て取れて、寧ろよくメンタルリセットなどをされずにに今日まで働いてきたなと感心してしまうほどだったとか。

 

コレは想像以上じゃと思わずナガンは思ってしまう、恐らくは指揮官のことですら対して興味を持っていないだろう、さてどうするか、そう考えている側でユノが先に動いて

 

「G3なら、今の時間だと教会に居るかな、ほら、ここから見えるあの建物だよ」

 

「そうですか、ではすみません、先に挨拶してきます」

 

「まぁ良い、挨拶が済んだらG3にでも案内してもらい執務室に来てくれ、色々と説明があるからな」

 

どうやら先に彼女がやりたいことをやらせてみようとユノは考えたようでナガンもそれに気付いて小さく息を吐きながらそう告げればHMG21は先ほどよりも少しばかり軽い足取りでその教会へと向かっていく。

 

そんな彼女の後ろ姿を見つめながら、ふと思い出した、確かこの時間帯は

 

(あやつ、祈っている時間ではなかったか?)

 

彼女の電脳に一つ嫌な予感が過ぎった、だがそれをすぐに振り払い、いつまでも外に居ては冷えるぞとユノと共に執務室に戻る。だがすぐに彼女はその予感が的中していたものだと気づくことになる、基地の案内を断りG3に会うべく教会へと向かったHMG21、途中何人かの人形とすれ違うも軽い会釈だけ、普通であれば何だあの人形となりそうなのだがそれはこの基地、きっと何か事情があるのかなと挨拶の言葉だけで済ませられていた、とまぁ余談は置いておき、教会前。

 

ここにお姉さんが居る、のだが何故そこに

 

(立て看板?現在、お祈り中につき立入禁止?どういうこと、いじめ?)

 

だとすればすぐにお姉さんをあの指揮官の下に連れてって直談判してやる、そう意気込んで彼女は扉を開き、祈りを捧げているG3を『直視』してしまった。

 

思い出そう、過去にPP-90が引き込まれかけたことを、その時は『覗いた』だけ、扉から少しだけのそれであと一歩の所まで染まりかけた、では今回は?特にHMG21はG3をお姉さんと慕うほどの人形が、『覗いた』ではなく扉を開き『直視』してしまったとなれば?

 

「おねえっ!?(あ、あれ、声出ない、え、何、なんで!?)」

 

「あら?……あぁ、HK21、貴女もこの基地に来たのですね」

 

優しい笑み、この人が私が求めていたはずのお姉さん、だと言うのに体が動かない、声も出せない、だが視線だけはG3から逸らすことが出来ない、いや、G3じゃない、彼女はこの時点でメンタルが染まり始めており、結果として今、見ているのは

 

(コレは何?綺麗な人……誰?)

 

「もしや、貴女にも見えているのですか?えぇ、言葉にせずとも平気です、それは……」

 

指揮官()ですから、G3の優しい音色の声がHMG21のメンタルに染み渡る、嫌な感じは一切ない、抵抗も、違和感も無く即効性の高い薬のように広がり、彼女は理解してしまった。

 

理解したと同時に私はなんて事をしてしまったのだと、お姉さんに会いたいが為だったとは言え

 

「お姉さん、私、さっき指揮官(女 神 様)の言葉も聞かずに会話を一方的に切ってしまった……」

 

「大丈夫です、あの方々がそんな事では貴女を嫌いません、指揮官()は慈悲深く、誰よりも何よりも心優しい方ですから」

 

「本当に?でも、謝りにかなきゃ」

 

だから執務室に案内お願いできる?と聞けばG3が断る理由もなく、彼女は二つ返事と微笑みを浮かべてHMG21を執務室に案内する、途中、また人形とすれ違うのだが今度は礼儀正しく挨拶する彼女、だがやはり慣れてしまっているこの基地、先ほどと違ってもG3と会えたからだろうなと考え、それ以上は考えないようにして挨拶を返しながら歩き、執務室にて先ほどの無礼を謝罪すれば

 

「ううん、私は気にしてないよ、それよりもこの基地のG3だったの、その探してたお姉さんって」

 

「このお姉さんです、ありがとう指揮官(女 神 様)

 

声の響きがさっきと違う、その事に気づいたナガンは頭を下げてから顔を上げる瞬間のHMG21の眼を見て、確信に至り思わずG3の方に視線を向けてしまう。

 

が、向けられたG3は微笑みを返すだけで何も言わない、がその微笑みが歓喜が隠れていることに気付ければ

 

「お主、いや、まぁ、指揮官、こやつじゃが教会の管理を手伝ってもらうのはどうじゃ?流石にG3一人だけというのはそろそろ厳しかろう」

 

「あ~、それもそうかも、兼業になっちゃうけど良いかな?」

 

「はい、喜んで。これから宜しくお願いします、お姉さん」

 

「えぇ、宜しくお願いしますね、HK21」

 

その日から、教会にはG3とHMG21の二人が揃って見られるようになった、姉妹仲は非常に良く、また事前情報とは違いこちらの指示にも素直に従ってくれるので、余程G3と会いたかったんだろうなぁとユノは考えている、無論それも正しいが真相は

 

「「……」」

 

今こうして、祈りを捧げている二人にしか分からないだろう。




増えちゃったね……

因みにG3は【神】でHMG21は【女神様】と呼ぶらしいっすよ。

所でこのサブタイ、ネタが分かる人は多分居らんやろ!
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