それいけポンコツ指揮官とM1895おばあちゃん!!   作:焔薙

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他人の幸せになるとちょっとお節介が始める系おばあちゃん


副官が張り巡らすは蜘蛛の巣

「ほぉ、結婚式の招待か」

 

ナガンが手に持ち、読んでいるのは一枚の手紙、送り主はDG小隊の隊長【バレット】から、内容は結婚式への招待、よく読めばどうやらその日に上げるのは【レスト】と向こうの【ノア】、【ウェイター】と【フィオナ】、【バレット】と【アスター】の三組同時らしい

 

いつの時代でも、こういった知らせが来るというものは嬉しいものであり、ナガンは勿論、一度しか会ったこと無いがユノも笑みを浮かべナガンから手渡された手紙を読み

 

「よし、じゃあ招待受けようか」

 

「簡単に決めるなお主……まぁ、折角の招待だからな、受けない理由は無いか」

 

でしょとユノが次に誰が行こうかと言うことを相談しようとした時、扉がノックされた。この時間帯でのノックとなれば急な仕事か、もしくは何かしらがあった時が大半なので意識を変えてノックに答えれば、どうやらFMG-9が用だったらしく一言断りを入れてから入室、それから、ユノの手にある手紙を見て

 

「もしかしてそれって、DG小隊の結婚式の招待状ですかね?」

 

「え、うん、そうだけど?」

 

「ふむ、だとするとそういう事かこれ……」

 

「何かあったか?」

 

ナガンが聞けば、思案に沈みそうだった意識を彼女は急ぎ戻してから実はと彼女たち諜報部が拾ってきた情報を話す。とは言ってもこれは態々探らなければ拾えない情報だとかではなく、その彼らの結婚式の話だった、それならば何がと思いそうだがこの結婚の話、なんとグリフィンだけではなく『一般』へも流れているらしい。

 

となれば先にむ?となったのがナガン、一般にまで流したとなれば間違いなく五月蝿い奴ら(過 激 派)の耳に入る筈、だと言うのにどうしてと考えた所でまさかと考えが過ぎった。

 

「(向こうはペルシカを通して指揮官とクフェアの妊娠は知っている、となれば)あやつら、態々晴れ舞台を危険に晒す必要なんぞあるまいと言うのに」

 

「それと関係してると思うのですが廃都市にて大規模な崩落が起きたのですが、コレ調べてみるとこの崩落で過激派、しかも主力とも言える部隊がほぼ全滅させられてるんですよ、やっぱコレってそういうことですよね」

 

「えっと、つまり?」

 

あっと漏れた声はどっちのものか、ついつい二人だけで話し込んでユノのことをすっかり忘れていたのだが当の彼女は特に気にする様子もなく、今の話で自分達が繋がるのかと考え込んでいた、が上手く繋がらなかったようで結局はナガン達に答えを求めたようだ。

 

「つまりは、指揮官とクフェアの妊娠は未だ機密です、しかしいつまでも隠し通せるものではないですが向こうはワザと一般にも結婚の話を流すことで過激派の耳をそちらに向け、こっちが情報を隠せる時間を稼いだ、ということですよ」

 

「して、先の崩落は恐らくは情報で集まった所を見事返り討ちになったということじゃろうな」

 

「だとすると、当日も危ないんじゃ」

 

だろうなとナガンは答えてから、思考を巡らし当日のメンバーを決めた。ユノとクリミナは確定、次いでノアとキャロル、そしてナガンまで行くことに、だがそうすると基地の運営は?と流石のユノも気付くので聞いてみれば

 

「当日はジェリコに副官代理を務めてもらう、今後を考えればわしと指揮官が不在、ないし指揮が取れん状況でも動けるように訓練が必要だと思うからな、だからこそ今回はキャロルもノアも連れて行く」

 

「あぁ、キャロルちゃんのことも話しておかないとまた勘違いされるもんね」

 

「それもあるがな、あとはまぁお礼と謝罪もするつもりじゃ、FMG-9、お主らは総力を上げ式の日に動きそうな組織の情報を集めよ」

 

「了解、直ぐに取り掛かります」

 

では失礼しますとFMG-9は執務室を後にし、ユノもじゃあノアとキャロルには私が伝えておくよと残りの業務を終わらせてから出ていったのを確認してから、ナガンは久しぶりに起動させる裏業務用の通信機に手を掛けて、数分後彼女たちは密談室に揃っていた、とは言っても諜報部の面々は情報収集しているので来ていない。

 

「さて、揃ったな」

 

「久しぶりね、こうして集まるなんて、でどんな仕事かしら?」

 

グローザに言葉通り、暗部がこうして、しかも密談室に集まるのは本当に久しぶりである、だがクリミナとルピナス、それとピヴワヌことカリーナも不在な所を見ると外での任務だとは思うのだけどと続ければナガンは静かに頷き、投影モニターで地図を表示させる。

 

そこは結婚式の会場がある場所の周辺地図、かなり詳細まで表示されているそれを見ながら彼女たちはナガンからの言葉を待つ。

 

「さて、見ての通り会場の周辺地図じゃ、して任務内容じゃが簡単じゃよ、お主らにはこの周辺に潜み、影として不埒者を捕らえよ、今回の作戦では殺しは厳禁としそのための装備も用意した」

 

そういった取り出したのは人数分のネックレスとスタンナイフと拳銃、それとSuperSASS用に弾丸も用意されており、彼女がそれを手にとって観察すれば正体がすぐに分かった。

 

「これは、麻酔弾ですかね?」

 

「うむ、お主らにはこの非殺傷武器、そして今回は人形とバレぬようにセンサーなどからの反応を人間に誤魔化せるネックレスをキャロルに作ってもらった、なので当日はコレを付け変装して任務にあたってくれ」

 

『了解』

 

「では、当日の配置と動きを話していこう」

 

その後は数十分と掛けて計画を練り、動きを確認し解散、自室に戻った彼女は椅子に座り込んでから背もたれに体重を預けつつ通信を繋げる、相手はペルシカ、数コールとしないで出てきた彼女にナガンは挨拶もそこそこに

 

「何故止めなかった、情報の流失は危険だとは分かっているだろうに」

 

《彼らが決めたことだし、とてもじゃないけど私じゃ止められる空気でもなかった、それに……》

 

「二人を守るには確かに有効ではあることは認める、お陰で時間も稼げたからな、だが、だからと言って……」

 

自分たちの幸せの日にリスクを背負わんでも良いと言うじゃろうてと彼女は呟いてしまう、向こうの考えも、そしてペルシカが言おうとしたことも彼女は理解しているしだからこそありがたいと思っている部分もある。

 

いや、彼らとてきちんと理解しているだろう、でなければこの様な手段は取れないはずだと。

 

「当日、わしらも会場に行く、その際に暗部も総出で影に潜む、その事はできれば事後報告で済ませてくれ」

 

《分かった、でも君たちが出ると分かれば基地が危険じゃないかい?》

 

「呵々、無問題じゃよ、それに餌が2つぶら下がれば、奴らはどうすじゃろうなぁ?」

 

主要メンバーが全員基地を出る、ナガンがその事を意味もなく行うわけがなかった。だがユノたちはそんな事を知るわけもなく、時は過ぎて結婚式当日、彼女たちは会場に居た。




という訳で次回は『NTK』様の作品『人形達を守るモノ』の結婚式にお邪魔します!

所で暗部とか動かしたけど大丈夫ですかねコレ……

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