それいけポンコツ指揮官とM1895おばあちゃん!!   作:鮪薙

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お婆ちゃんの文字は達筆らしい


彼女の文字は丸いらしい

たとえどんな時代でも手紙という文化は廃れない、アナログではあるが届け方さえ間違えなければそう安々と内容を知られたりはせずに、いざという時には破棄及び隠蔽が用意であるという点においては中々に侮れないものがある。

 

などと仰々しく書いては見たが、ユノが今執務室で手紙を書いているのはそんな機密性が云々というよりは相手の通信での連絡先を知らないと言うだけである。

 

(ふんふんふーん)

 

「手紙か?誰に書いておるのじゃ、と言うか送るような相手居ったのかお主」

 

「ん?あぁ、これMSFのリベルタちゃんに送るやつだよ」

 

あぁ、と納得するナガン。そう言えば頻繁ではないが彼女とは文通でのやり取りをしていたなと、因みに向こうからでもこちらかでも受け取りは【バーガーミラーズ】を通しているので常連客のような立ち位置になっていたりする、まぁ行く度に売上を跳ね上がるような注文をすればそうなると言えばそうなのだが。

 

「して、今回はどんなことを書いておるのじゃ?」

 

「近況報告だよ~」

 

「ほぉ、まぁ友人とのやり取りというのならばそれくらい……いや待て、まさかその近況にお主とクフェアの妊娠は混ざってるとか言わぬよな」

 

「え、あ、やっぱマズイ?」

 

当然じゃろうが!?と叫ばなかったのは呆れが強かったからかもしれない、ナガンはやっぱり駄目かなという表情のユノに軽い頭痛を感じた、こいつ自分が書こうとしていることがどれだけ大事なのか本当に理解しているのかと。

 

何故態々、過剰なまでに秘匿しているのかと思ったりもするがMSFとは確かに繋がりはあるにはある、なのでユノ的にはだから大丈夫かもしれないという考えなのかもしれない、しかしだ

 

「グリフィンではない存在にその事を教えるのは些か危険な気がするんじゃよなぁ」

 

「でも、スネークさんもミラーさんも悪い人たちじゃ無さそうだし、なんだろう、教えておかないとそれはそれで騒ぎになるような気がして」

 

「それはトップ二人と他に出会った者が偶々人が良かっただけの可能性とて捨てられんじゃろうて、それに教えないと騒ぎになるとはどういうことじゃ」

 

と聞いてみるも向こうからは勘なんだけどねとしか返ってこず、ユノ自身も漠然とそう思っただけだということがよく分かる。だが不思議とナガンも言われるとそんな気がしてきた、無論こちらの漠然としたものなのだが、あそこのスコーピオン辺りがなにか突然この基地に来てユノとクフェアを見て妊娠を知って大騒ぎする、そんな光景が一瞬だけ過ぎった。

 

まさかそんなとその光景を振り払ったのだが、そこでふと考えがよぎる、この妊娠が正規軍の連中には既に漏れている、なので今はこちらかアプローチも何もしないことで向こうからの干渉を防いでいるのだがもし強引な方法で来た時を考えればMSFに、ユノの友人であるリベルタを通して二人の妊娠を知らせるのは別段悪手ではないのではと。

 

(だが、MSFが向こうと繋がってた場合が最悪じゃな……向こうは良くも悪くも第三勢力、事このことに関しては本当に安全だと言い切れるか)

 

「やっぱ書かないほうが良いかなぁ」

 

「指揮官、別にそのまま書いても良い。だが今回はわしも書くゆえに出すのは少し待て」

 

「おばあちゃんが?」

 

「うむ、経緯がどうであれ、その情報はこの基地の厄介事じゃからな、故にこちらからもそれ相応の手札を出そうというわけじゃよ、まぁ気持ち程度じゃがな」

 

そう言いつつ引き出しから筆記用具と紙を取り出してスラスラと書き出していく、内容は彼女は気持ち程度だとは言っていたが向こうがグリフィンとの繋がりの足掛かりを探していた、ならばその土台に自分達、この【早期警戒管制基地】を使ってもらって構わないという内容。

 

人によってはそれはスパイ行為ではというスレスレ提案だが、そもそも向こうには自分達では敵わない諜報力を持っているので問題ないだろうという考えであり、もしなにか問題が起きそうだなと思ったらこの基地からヘリアンに投げてしまえばいいとか考えている、投げられた方は大迷惑なのだが。

 

「あ、キャロルちゃんのことも書いておいた方がいいかな」

 

「そうじゃな、まぁ良いのではないか?ノアと同じ様に書かなくとも何かしらで向こうに知られるようがするからな、それが早いか遅いかの差じゃろうて」

 

「じゃあ書いちゃうね、えっと、あれから私にまた新しい妹ができました……」

 

あ、これ後で揉める案件じゃなと思いながらも訂正しない辺り面倒だと思ったのか、面白いことになるのならばそれも良しと思ったのか、止めはせずに自分の手紙を書くことに集中する。

 

此処まで話しておいて、執務室ということは仕事中ではと思われそうだが、この後軽くユノが嘆きながら書類を片付けることになるのは言うまでもないだろう、サボっていたのではない、コレも必要な交流なのだ、だが時間がそれを許すとはまた話が別なだけであって。

 

という訳で手紙を二通したためて、翌日ユノ、ナガン、キャロル、ノアの四人は【バーガーミラーズ】ガーデン支部店に訪れていた、目的はもちろん書いた手紙をリベルタに届けてもらうように話すことと昼食のためである、もう何度か来ているのだがやはり初めて来店した時の食事があまりにインパクト位が大きかったのか、ユノは思う

 

「なんだろう、私達が来る度に店員さんの雰囲気が臨戦態勢みたいになるのは申し訳ないと思うんだよね」

 

「じゃったら食べる量を減らせばよかろうて、おっと、すまぬこの手紙を何時も通りに出してもらえるか?うむ、何時もすまぬな……二重の意味で」

 

「よぉし、今日は何食うかな。それとクフェアには何をお土産にするべきか……プリンセスバーガーだな、うん」

 

そう、彼女が来るということはただ手紙を出すだけではなく、しっかりとお店の売上に貢献していくのだが、問題は大体は予想がつくだろう、その食べる量である。彼女とノアが来るだけでこの店での売上は跳ね上がる、それはそうだろう、彼女たちは一人分とか二人分とか可愛い量ではないのだから。

 

「お前ら、この店でも遠慮しないで食べているのか?他の客に迷惑は掛かってないのかそれ?え、いや、俺はこのプリンセスバーガーのセットだけでいい、L?食べれないからSで良い、なんだったらSSでも構わない」

 

「……そう言えば、今の私ってハンバーガー大丈夫なのかな、プリンセスなら許されるのかな」

 

「と思って聞いてきたが一応大丈夫らしいな、まぁこれからは手紙を出す係はノアにバトンタッチじゃがな」

 

遠回しに暫くは食べれないと言うことになりユノは悲しみを背負いながらもお腹の子の為だからねとすぐに立ち直り

 

「すみません、プリンセスバーガーだけを【20個】下さい!」

 

「アタシも同じだけくれ」

 

今日も手紙を出してもらうお礼にと売上に貢献するのであった。




唐突に向こうに手紙を投げていくスタイル、そう言えばこの描写書いてないなぁって思いましてね、はい、突然すまんな。

このバーガー屋、多分ユノとノアが来た日だけ向こうは驚いてそう(小並感
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