それいけポンコツ指揮官とM1895おばあちゃん!! 作:鮪薙
司令部倉庫、そこで在庫整理をしていたカリーナから通信で呼び出された指揮官とM1895はそれを目の前にどうしたものかと悩んでいた
カリーナも含めた三人が悩ましているもの、それは全く心当たりがない金庫。カリーナが在庫整理中に発見したらしく二人のどっちかのものかと呼んだは良いのだが
「つまり、これはお二人のものでもない、と」
「うむ、全く知らん」
「私も、ごめん覚えはないかな」
「とすると前任者の金庫でしょうかね……」
誰のものか一切不明の金庫、更に言えばダイヤル式のこの金庫を開けるための暗証番号など知る由もなければそれが書いてあるメモの類も当たり前ながら無い、でも中身が気になる指揮官はあ、と思い付く
「ぶっ壊せば」
「駄目に決まっとるじゃろ」
思い付くが割りと極端なことが多い指揮官であった、しかしこうなるといよいよ手詰まりであり諦めようかと言う空気になった時、一人の戦術人形がふらっと現れ事態が好転する
現れたのは【P38】司令部のアイドルを自称、ではなく街でゲリラライブとかをした結果固定ファンも着いてしまった名実ともにアイドルの彼女は金庫の前でウンウンと唸る三人を見つけ
「三人してどうしたのですか?」
「あ、P38ちゃん、カリンちゃんがこれを見つけたは良いんだけど誰の物か分からないし暗証番号も分からないしで困ってるんだよ」
「なるほどなるほど、ちょっと見ていいですか」
「え、良いけど」
では失礼しますねと金庫の前にしゃがみ込んで調べ始めるP38、それはそれとしてやることがない三人は彼女が何を調べて、これから何をするのかと興味津々の視線を送る
調べ出してそこまでしないくらいで彼女はしゃがみ込んだ体制のまま、ふと呟くように三人に
「これなら、3~4分貰えれば破れますね」
「破るって、金庫破りってこと?」
「はい、これくらいなら余裕ですよ」
「これは、意外すぎる特技が判明ですね、指揮官様」
カリーナの感心の声に反応できずにえぇと指揮官から困惑の声が上がる、歌って踊ってが得意のアイドル戦術人形が突然見せた全く別すぎる側面が強すぎた、しかもその事実を何時もの笑顔じゃなくて仕事人じみた真顔で言うものだから更にインパクトが強い
倉庫内を包む何とも言い難い空気、それを破るためか気を取り直す為かM1895が態とらしく咳払いを一つしてから
「まぁ、中身が気になるのは事実、ここは一つ頼めるか」
「お任せ下さい、では早速取り掛かりますのでちょっと静かにしててもらっていいですかね」
言われた通り静まる三人、するのはP38が金庫のダイヤルを回す音だけ、回している彼女は目を閉じ耳と指の感触で当たりの番号を見つけては次の番号を探すを繰り返し3分半が経った時、ガチャリと解錠された音が響いた
「開きましたよ!」
「わぁお、本当に破っちゃいましたよ」
「一度全戦術人形の特技を一人ひとり聞いたほうが良い気がするのはわしだけかのう」
「いや、それは流石に時間かかるし、プライベートだし……さ、さて中身見ようよ!」
金庫の扉を開けて中身を見てみればそこには中々の額になりそうなお札、それを見た三人は声を上げず驚く、そこまで資金繰りに困っている司令部ではないがあればあるだけ良いのでこれは大助かりだと盛り上がる
がP38はそっとお札を手に持ち、何度も肌触りを確認するように触り、じっと見つめてから
「あ、これ駄目ですよ」
「へ?」
「どういうことですか?」
「これ、全部偽札ですね」
「なんじゃと、いやお主よく分かるな……」
「アイドルですから、今どきのアイドルは何だって出来ないと生き残れませんからね!」
アイドルって過酷なんだなぁ、心から感心した指揮官の声、だがカリーナとM1895が思う、少なくとも自分たちの知っているアイドルは金庫破りや偽札を見るだけで判別するなどと言った特技は持ち合わす必要ないだろうと
「でも偽札じゃ使えないしどうしようか……」
「処分するしか無いじゃろ」
「ですね~、はぁ何だかちょっと疲れちゃいました」
「だね、お腹空いた……ってもうお昼近いじゃん、どうしよっかな」
「あ、なら今月出来たジャガイモが収穫して量があるんですよ、それをお昼にしませんか?」
本日、二度目の場が固まった。アイドルってなんだっけとカリーナとM1895は静かに思う、買ったあったとかそういうのではなく今月出来た、という事はこのアイドルはジャガイモをこの司令部で栽培していたのだ
因みに指揮官は既に食いついている、じゃがバター?それともシンプルに塩もいいよねともうそれはそれは夢を広げまくっていた
「楽しみにしてて下さい指揮官、お二人もお昼はジャガイモで良いですかね?」
「え、ああ、はい、頂きますね」
「う、うむ、わしも頂こう」
では準備して食堂で待ってますね!と倉庫から出ていくP38、残る三人の内カリーナとM1895はそんなに経っていないはずだがどっと疲れを感じる程に彼女の意外な特技と趣味に驚いていた
「凄いな~P38ちゃん、色々出来るんだね、歌ったり踊ったりするだけじゃないんだアイドルって」
「……いや、彼女が特別なだけだと思いますわよ指揮官様」
「ああ、わしもそう思うのじゃ、まぁよい食堂に行くかのう」
こうして倉庫での一幕は終わる。因みにだがP38は他にも軽業師や裁縫なども出来ると後に判明して指揮官のアイドルへの熱い誤解が加速していくのであった
じゃがいもの収穫時期とか季節とかは気にするな!(チャー研並感)
偽札は別にゴート札じゃ)ないです