それいけポンコツ指揮官とM1895おばあちゃん!!   作:焔薙

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誰一人モンハンの動きしてない


ハンティングの時間だ! Session2

廃墟の街中に響いたのではないかという咆哮を上げるジンオウガに動き出す三人の中で先手を打ったのはノア、彼女は相手が吠えたと同時に飛行ユニットをフルスロットルで回して人間では、いや、かの世界に存在する【ハンター】と呼ばれる存在でも到底出来ない速度でジンオウガに接敵。

 

対してジンオウガはその動きに反応できなかった、当然ではある、彼女の動きは自然界には存在し得ない速度、認識できた頃には柄部分のアクセルを全力で回し、獰猛な笑みを浮かべたまま自身の胴体部に向かって振り下ろさんとしている姿、だがノアはこのモンスターを甘く見ていた。

 

「貰った!!」

 

三段階の内の二段までしかエネルギーは溜められてなかったがそれでも十分だとバイクのブレーキ部分のようなレバーを押し込み推進剤を噴射、刀身が炎を纏ったと錯覚させるほどの推進力にノア自身のM134を振り回せる腕力がプラスされた斬撃は未だ動きを見せれてないジンオウガの胴体部に直撃し……弾かれた

 

いや、正確には弾かれてはいない、だが刀身は無防備な肉を斬ることは叶わず火花を散らしながら左袈裟で振り下ろされるに留まる。

 

「っ!?ちぃ!!!」

 

そこから咄嗟にスラスターを吹かせて跳び退けたのは彼女の戦闘センスが生み出した奇跡だろう、それと同時に彼女が先ほどまで居た地点にジンオウガの前右足が轟音を轟かせながら叩きつけられ、砕かれた石片が辺りに飛び散る。

 

次にアナが腰部の飛行ユニットから火を吹かせながら飛び出し、接敵直前に先ほどの攻撃で隆起した地面を使い飛翔、胴体部が駄目ならば上部から首を目掛ければと高周波ブレードを構えてスラスターを点火、同時にRFBがパワーブーツのスラスターによる高速移動で彼女に合わせるようにインファイトの距離に持ち込む、地上と上空からの同時挟撃となれば、そう考えた二人だが……

 

ジンオウガが取った行動は回避でも防御姿勢でもなく、グッと姿勢を低くし身体全体に力を加えたと思えば、前足を軸にその場で回転、更には縦回転まで加え跳躍、つまりはサマーソルトに近い形での迎撃。

 

「っ!ガッ!?」

 

「嘘でしょっ!?」

 

無論、そんな軽快な動きをされるとは思っても見なかった二人だがアナは既のところで回避行動と防御態勢を、RFBは両腕をクロスさせてガードを取ったがそれでも防ぎきれるわけもなく片や廃ビルに叩きつけられ、片やノアと同じ位置にまで弾き飛ばされる。

 

が、たった数十秒の出来事、だが三人に衝撃を与えるには十分であり、次の行動に若干の遅れが出てしまう。そこで攻撃が一旦止まるなんてことはなく、追撃とばかりにまた身体全体に力を入れ今度は二人に向かってその凶悪とも言える鋭利な爪を立てながら飛び掛かり攻撃をしてくるが先に思考を復帰させたノアが向こうが飛び掛かってくるよりも早くジンオウガの左側面に回り込み全力でスラスターを吹かして飛び蹴り、いや、これはヤクザキックに近いそれを放てば、恐らくは甲殻と鱗に守られてなかった部分にクリーンヒットしたのか、吹き飛びアナが叩きつけられたのとは別の廃ビルに突っ込む

 

「グガァァァ!?」

 

「少し防いだからって粋がってんじゃねぇぞクソ猫!!!」

 

「うわぁい、超ヤンキー」

 

起き上がり警戒を解かないままノアの今の攻撃と言動に素直な感想を漏らすRFBの隣にスタッと復帰してきたアナがさっきの光景で分かったことを口にする。

 

「……ですが、一応攻撃が通ることは分かりましたね」

 

「シンデレラ、平気か?結構いい感じに叩きつけれてたが」

 

「問題ありません、まだ戦えます」

 

高周波ブレードを構え直して答えれば、ノアはなら無理はすんなよとシュトイアークリンゲのグリップを何度も捻りエネルギーを溜め込む、敵はまだ倒れてない、寧ろ漸く一撃、対してこちらは軽くは無いダメージを貰っている、状況で見れば圧倒的に不利なのだ、しかしこれ以上の戦力は投入できないし向こうがそれを待ってくれる時間があるわけもない、そして煙がかき消されたと思えば。

 

「シンデレラは右に回り込め!アタシは左、マキシマムはそのまま抑え込め!」

 

「了解、時間は掛けられない、一気に!!」

 

「OKって、ドリャあああ!!」

 

数はこちらの方が圧倒的に有利だと言うのに戦況は均衡、一歩間違えれば間違いなくお陀仏と言う戦い、それは基地にて戦闘を見ている面々も理解している、と言うよりも驚愕しか無かった、自分達が想像していた以上に圧倒的な存在だったと。

 

「だい、じょうぶだよね……」

 

「あやつらが早々にやられるとは思えんが、何じゃあのバケモンは」

 

《ハハッ、怪獣映画か、ファンタジー物でも見てる気分だよこれ》

 

《……》

 

《どうしたのキャロル、何か気になることでも?》

 

それぞれが不安を口にする最中、キャロルだけは何かを考え込むように手を顎に当てて目を瞑っていた、それはオモイカネが声を掛けても変わらず、三人がどうしたんだろうかとなるが彼女はこう考えていた、これ程までに強大な存在がなぜ住処だった怪物の島から『逃げ出した』のか、直ぐに浮かんだのは

 

(あれ以上の存在が追い出した、マズイな…だとすれば一刻も早く倒さねば、次が来るぞ)

 

《おーい?》

 

《……どちらにせよ、今はあの化け物から、か》

 

ポツリと呟かれた言葉の真意にユノ達は理解が及ばずに首を傾げる、しかしこの場ではこんな空気だが戦場ではと言うと、アナは四方八方に跳び回りながら隙きあらばスラスターからの推進力を使った斬撃を繰り出せば、高周波を携えたその刀身によって着実に傷を増やしていき、ならば彼女をどうにかしようとすればRFBのマキシマムパワードールスーツからのパンチ、またはキックが飛んできて怯み

 

「今だ隊長!!」

 

「今度は全力だ!!」

 

更に言えばこの斬撃と打撃によって防御を削られるという側面もあり、そうとなれば先ほどは油断と推進力不足で弾かれたノアのシュトイアークリンゲも今度はとフルスロットル状態で推進剤を開放し、そこに背面の飛行ユニットの推進力も加えた状態で二人が作った傷跡に力の限り振り下ろせば炎を纏ったその刀身は傷を抉るように一度は弾かれた胴体部に突き刺さりそのまま熱した肉を斬るように

 

「ガァァァァアァァァ!!!????」

 

「おおわっと!?」

 

「こいつ、まだこんな力が痛っ!?」

 

振り下ろされる前にジンオウガが痛みで暴れれば二人はそのまま弾き飛ばされ、更には何やら光を纏い始める、見ればそれは電気、まるで充電しているような……と言うところでこれは放置してはマズイものだと気付き、ナデシコからも

 

《それはすぐに止めろ!!》

 

《超帯電状態ってのになるつもりだ!》

 

が距離が悪い、吹き飛ばされたのとジンオウガが自身も跳び退いた結果、今から防ぎに行けるか怪しい、だがこの場にはもう一人居る、あの暴れを回避したアナは誰よりも近い距離に居たのを利用して超高速でジンオウガに接敵、胴体部に突き刺さったままのシュトイアークリンゲを勢いそのままに引き抜いて上空に飛び上がったと同時にグリップを捻れば彼女も予想してなかった程の勢いでエネルギーが溜まったことに驚きながらも構えて、それは始めの攻撃と酷似した光景で高速落下し、一閃、高所からの落下による運動エネルギーと剣自体の推進剤による推進力、そして副産物で生まれた熱が付与された斬撃にジンオウガの首が繋がっているわけもなく、だが断面は熱により焼かれて血を出すこともなく巨体は地面に沈む

 

「……任務、完了ですね、隊長、コレお返しします」

 

「はぁ、美味しいところ持って行きやがって」

 

「まぁまぁ、これでゲームクリア!誰も欠けてないし完全勝利ってやつだね!」

 

割とボコボコにされてたのに元気だなオメェと思いながらジンオウガの遺体に目を向けるノア、そしてふと思った、それはなんてこと無い、ただの素直な欲求

 

あれって、美味いのかな、と言う食に対する欲望だった。




ノア→DMCとかに出れそうな感じの戦闘

アナ→君もノアとそんなに変わらないよね

RFB→仮面ライダー宜しく肉弾戦

コレにてジンオウガ、討伐完了です……だがまだ元凶が現れたみたいですねぇ!こっちでもその辺り書きたいが、コレはいっそ向こうに投げたほうが良いんかね?

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