それいけポンコツ指揮官とM1895おばあちゃん!!   作:焔薙

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因みに当初は一〇〇式たちから盆栽を教えてもらうプランもあった。


おばあちゃん、趣味を探す

ふむ、と本日の主役であり、この基地の副官でもあるナガンはここ最近考えることがあった。

 

自身も何かしら趣味を始めてみようかと、少し前までそれこそユノがまだクリミナとくっつく前なんかは休日といえば彼女と過ごすことで大体時間は潰れていたので趣味だとかはこの基地の人形にしては珍しくのめり込むものに目覚めていなかったのだがここ最近では一人になる時間、もといユノと過ごす時間も少しばかり減り何かをする時間が出てきたのだ。

 

(まぁ別に訓練やら散歩やらで時間を潰しても良いのじゃが)

 

と言うよりも今までもそうしてきたのだが何故か急に何かを初めて見るかという感情が芽生えたのだ、理由は分からないがまぁそういう気分なのだろうと納得し今こうして考えているのだが。

 

そんなポンッと出てくるものではなく、やはり思い付きは駄目じゃなと思いながら農場エリアに差し掛かった辺りで彼女の耳に音楽が届いた。発生源は間違いなくこの先、農場エリア、確か音楽を趣味にしているものは多かったなと彼女が歩を進めればそこに居たのはベンチに座りながらアコースティックギターを弾いている【ファルコン】と彼女から習いながら弾いている【M200】の姿。

 

「(ギターか)おはよう二人共、ちょいと良いか?」

 

「あ、お、おはようございます副官!」

 

「おはようございます、ふ、副官さん」

 

彼女が声を掛けたと同時にギターを一旦中断して立ち上がってきれいな敬礼をしながら挨拶をした二人に固くならんでよいのじゃがとリラックするように伝えてから座らせ、自身もファルコンの左隣に座ったところでファルコンから

 

「そう言えば、私達になにか御用ですか?」

 

「うむ、先ほどのギターの事でな」

 

「ギターですか?」

 

ナガンからこの事に話が出てくるとは思ってなかった二人は互いの手元にあるギターを見てからそうオウム返しする形で聞き返せば向こうもうむと一度頷いてから、冒頭の悩みを二人に話してみれば驚いた感じの表情でナガンを見つめる二人、この基地に最初期から居る彼女からまさか趣味を作りたいという相談が来るとは思ってもなかったらしい。

 

対してそんな反応をされたナガンはと言うと頭を掻きながら

 

「恥ずかしい話でな、ユノとの時間が長かったがゆえにあまりその辺りを考えなかったのじゃよ、で今になって時間が出来ればこれじゃ」

 

「私はその頃はまだこの基地にいませんでしたが話を聞く限りだとほぼ毎日のように一緒だったんですよね?」

 

「うむ、まぁ向こうから来ていたというのもあるがの」

 

お陰でこうして時間が出来て手持ち無沙汰と言う訳じゃよと呵々と笑いながらそう締めて、それから本題だとばかりに一つ咳払いをし、二人が持っているギターを指差して

 

「それで基地を散歩している時にお主らのギターが耳に届いてな、折角じゃからこういうのから手を出そうと思ったのじゃ」

 

「なるほど、あ、じゃあ余ってるギター持ってきますね、少し待ってて下さい」

 

自分で言ってからギターをどうするかと思っていたナガンだったがM200が思い出したとばかりに発言してから立ち上がり自室へと走って戻っていく、M200が戻ってくるまでの間にファルコンはそれにしてもどうしてギターから始めようと思ったのかと何気なしに聞いてみる。

 

この基地には趣味になりそうなものは幾らでも転がっているし、何だったらわざわざ農場エリアにまで出てこなくても基地の中でもすぐに見つかりそうだと言うのにここまで来た理由が彼女的には思い浮かばなかった、なので素直に聞いてみればナガンは少し目を細めてから

 

「そうじゃのぉ、まぁ言ってしまえばお主らの演奏を何度か聴いたことがあるから、というのもある」

 

「でもそれだけじゃないって感じですね?」

 

「……これから大きくなる二人の赤ん坊に祖母として曲を聴かせてやりたいと、ついさっき演奏を聴いた時に思ったのじゃよ」

 

これから大きくなるユノとクフェアの赤ん坊、確かいつか何気なく開いた本に書いてあった音楽を聞かせると良いという話を見て彼女は将来を想像したらしい。

 

二人の子供相手に自分がギターを弾いて聞かせるという未来を、その事を素直に話せばファルコンは合点がいったと言う表情を浮かべてから

 

「ならばお任せ下さい、副官が完璧に演奏できるように教えます!」

 

「頼む、じゃがわしは音楽自体が初めてでな、そこからになるが良いか?」

 

「構いませんよ、ていうか副官からのお願いを断れる人形が居ると思ってるんですか?」

 

「む?割と居るぞ、ネゲブなんかは忙しいと普通に断るからな」

 

思わぬ事実に固まるが思えばこの基地は上下関係というものにそこまでガチガチじゃないからあまり驚くことでもなかったかと納得したタイミングでパタパタとギターケースを思ったM200が帰ってくる。

 

「ハァ、ハァ、も、持ってきました」

 

「何も急がんでも良かったのじゃがな、少し待て飲み物を買ってくるのじゃ」

 

「え、あ、別に大丈夫……行っちゃいました」

 

良いのかと不安がるM200に副官が自分から言いだしたから大丈夫ですよとファルコン、さっきまでの会話でオフの日はこういう気負いなくな関係でいいんだなと笑えば、それを知らないM200は彼女がどうして笑ってるのかは分からずに小首をかしげていると近くの自販機で飲み物を買ってきたナガンが帰ってくる。

 

「ほれ、ってどうしたのじゃ?」

 

「ありがとうございます、えっと、ファルコンが妙に楽しそうだなって思いまして」

 

「ふふ、この基地ってやっぱり居心地が良いなって思っただけだよ」

 

ファルコンの言葉にM200も、そして先ほどまで会話をしていたナガンもどうしたのかとばかりに疑問符を浮かべるがまぁ良いかとM200が持ってきたギターケースを受け取り開けてみれば中には綺麗に保存されていたと思われるアコースティックギターが

 

素人であるナガンが見ても良い物だと分かるそれに、本当にコレで良いのかと聞けば

 

「はい、使って無くて仕舞いっぱなしでしたし、なら副官さんに使ってもらった方が良いと思いましたから」

 

「そうか、ならばありがたく借りよう、ではファルコン、ご教授頼めるか?」

 

「分かりました、M200も復習って感じになるけど良い?」

 

「問題ないです」

 

では、始めましょうか。こうして農場エリアの一角にて小さな音楽教室が始まるのであった、だがそこはナガン、飲み込みは早く、だが同時に

 

「これ、意外とデカイな……」

 

「すみません、サイズまでは頭から抜けてました」

 

ギターの意外と複雑な操作に若干苦戦するのであった。




MOD3ナガンがギターをしてるって結構絵になると思うんですけど、どうですかね?

あ、あと人物資料にオートスコアラー組を追加しました、多分色々ガバガバですけど……

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