それいけポンコツ指揮官とM1895おばあちゃん!!   作:鮪薙

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まぁこの街なら特に何かあるわけもないんですがね。


はじめてのおつかい!

今日も変わらない賑わいを見せているガーデンのグリフィン所有の駐車場に一台のハンヴィーが止まり運転席からはG36が、そしてその助手席から降りてきたのはオリジナルとは違いサイズを合わしてしっかりと閉められた上着、膝丈以上のスカートのAS Valことシャフト、因みにだが上着の下にはタンクトップを着ているのだが基本的に顕になることはないだろう。

 

彼女はハンヴィーから降りて改めて今回のお使いに必要だと持ってきた持ち物の確認を行う、まずは買ったマグカップを入れるためにエルフェルトが作った大きめでデフォルメされたウサギの顔を模した肩掛けタイプのポシェットを開いて中にコレくらいあれば足りるはずだよとユノが入れてくれたオタマジャクシの形をした財布を取り出して、中身も入ってるのを確認してから大事に仕舞う。

 

次に首から掛けてある紐を引っ張れば上着の内側から現れたのはカエル型の財布、これはユノから毎月貰っているシャフトのお小遣いを入れている財布である、今回はお使いなので使うかは不明だが彼女自身で欲しい物があったら一つは買おうと自分で決めた目的のために持ってきていた。

 

「……」

 

ガーデンに一人で来たのは二度目、しかし一度目はご存知の通りあの暗殺のために放り出されたようなものなので実際は一度目に近い、一応家族で何度かは来たことはあるし、リポスティーリオにも行ったことはあるので道も覚えている、が彼女は圧倒されていた。

 

それは人の多さ、家族と来た時は何とも思わなかった賑わいが一人でと考えた時に彼女の弱気な部分を押してくるのだ、心細いと言うのが正しいかもしれない……だけどシャフトは頭を振って気持ちを前向き、何よりも自分で買いに行きますと言ったのに挫けちゃいけないとグッとクリミナが編んでくれたマフラーを握ってからG36の方に振り向いて

 

「じゃ、じゃあ、いい、行ってきます!」

 

「はい、お気をつけてシャフトお嬢様」

 

頑張るんだ、G36の綺麗なお辞儀を見てからシャフトは初めてのお使いの一歩を踏み出した……よもや暗部総出で自分を見守っているとはこの時は露とも思ってなかったのだが。

 

今回の目的はマグカップを割ってしまったユノへリポスティーリオにて新しい物を買ってくること、勿論だがガーデンにはリポスティーリオの他にもマグカップを扱うお店はあるのだが流石にまだまだ人に慣れていないシャフトにそういうお店に行きコレを下さいと言うのは少し大変だろうということで雑貨屋を設定したらしい。

 

ともかく雑貨屋のルートは覚えているし迷うような場所にあるわけでもないのでとシャフトはテクテクと街中を歩いていく、何時来ても思うのは賑やかで活気が溢れているなという感想、そこら中で屋台も開かれているので食材とかはどうしてるのでしょうかと思わず考えながら歩く、歩いていれば少しずつ緊張が解れていき、周りを見る余裕が生まれ、ふと立ち止まってからキョロキョロと周囲を見渡す。

 

「……?」

 

数度キョロキョロと見渡してから不思議そうに小首を傾げてから気の所為だったのかなと進行を再開するのだがその影で割とドッキリしていた人形が一人居た、彼女はC-MSの部下が営業している花屋で花を見るふりをしながら耳元の小型の通信機のスイッチを入れて

 

「こちらダリア、赤ずきんは今のところ無事に向かってるわね、と言うよりも要らないわよねコレ、寧ろバレる危険性物凄く高い気がするのだけど?」

 

《なんじゃ、バレたのか?》

 

「ギリギリセーフよ、だけどコレ以上は近付けないし、何だったら私は切り上げたほうが良さそうね、トゥルネソル、貴女なんかも上がったほうが良いわ」

 

《う……いえ、貴女の言う通りかもしれませんわね、あたくしは撤退しますわ》

 

どうやらシャフトはこの人混みの中で、しかも人形だって警邏に居る中で感じたことがある気配や視線を感じると同時に周囲を見渡すという行動を行い、実を言えば既に出張っていたはずの暗部の一部は撤退してたりする、これには暗部も中々に驚かされていたりした。

 

と、そんなやり取りを知らないシャフトは目的地である雑貨屋【リポスティーリオ】に到着、一つ呼吸をしてから扉を開ければカランカランと入店を知らせるベルが鳴り、何時ものようにカウンターで椅子に座り本を読んでいたフィオリーナが顔を上げれば

 

「あらあら、いらっしゃい、シャフトちゃん一人なのかい?」

 

「は、はい、今日はその、お母さんがマグカップを割っちゃって、新しいのをかか、買いに来ました」

 

まだ若干の緊張が残っているのか言葉に詰まり部分もあったりしたがフィオリーナは今の言葉で大体の事情と彼女が一人で来た理由を察し、よっこいしょと立ち上がってから目的の品がある棚まで案内する。

 

「なるほどね、えっとマグカップは……あぁ、ここだよ、種類は多くないけどゆっくり見ていきなさい」

 

種類は多くないと言っていたが棚にはかなりの数がキレイに飾られており、シャフトはそれを見つめて、ふと気付いた。

 

彼女のどんなマグカップが良いのかのリクエストを聞いてなかったと

 

(どど、どうしよう!?でも、あ、そうだ!)

 

そこで彼女が取った行動は至極単純、通信で聞くことだった。もしコレで自分が忘れてただけだとしてもその時は素直に謝ろうと、なので繋いでみれば

 

《うーん、特にリクエストはないかな、シャフトがこれが私に似合うかもってもので大丈夫だよ》

 

「わ、私が?は、はい、選んでみます」

 

《ふふっ、そこまで緊張しなくて大丈夫、私は貴女が選んだものだったら何でも嬉しいからさ》

 

心からそう思ってますというユノの言葉にシャフトは分かったと答えてから通信が切れるのだが、何でもとは言われたが、逆にそれが彼女にとって大きな難問となった。

 

様々なデザインの中からユノに似合いそうなマグカップを探す、シャフトの表情が真剣なものになる。

 

(どれが良いかな……うーん)

 

商品なので手は触れずに上から順に眺めていく、無地、イラストがプリントされてるもの、模様が入ってる物、等など様々なマグカップからシャフトは一つを見つけ、じっと見つめてから、よしっとそれを大事に両手で持ってからレジへと向かい購入。

 

買ったそれを大事にポシェットに仕舞い込んでからフィオリーナにペコリとお辞儀をしてから店内から出て行く姿を見送ってから彼女は実は店内に居て影に徹していて、シャフトが出ていったと同時に姿を表したナガンに

 

「やれやれ、不安がるのは分かるけど過剰でしょうに」

 

「耳が痛いな、いやまぁ、わしも少々やりすぎたと今になって思っておる」

 

その後は特に何かがあったというわけもなく、強いてあげるならば帰りの途中で串焼き屋で買い食いしていたSPASにこれ美味しいよ!と誘われて自分のお小遣いで10本ペロッと平らげた位で彼女の初めてのお使いは無事に幕を閉じる。

 

最後に、彼女がユノへと買ったマグカップはと言うと

 

「可愛いヒツジですわね」

 

「えへへ、何でも私はヒツジっぽいみたいって前にM4と話してたのを思い出したんだって、そうかな?」

 

デフォルメされた可愛らしいヒツジの集団がマグカップの周囲を走り回っているデザインにユノは嬉しそうに眺めるのであった。




今回の暗部作戦結果
ウェルロッド 大通り途中まで見守るもバレそうになり途中撤退

FMG-9 偵察ドローンを使用するも途中でバレかけて撤退

クリミナ 気配でバレると判断したグローザからの提案で撤退

カリーナ 完遂、と言ってもかなり遠巻きだったからが要因らしい

SuperSASS 同じく完遂

ルピナス及びステアー クリミナと同じタイミングで離脱

グローザ 本編参照、因みに一番ギリギリだったのは彼女だったらしい

G3 裏路地待機だった為、バレることはなかったが見守りもあまり出来なかった

ナガン 完遂、雑貨屋内という一番近場だった模様

やだ、あの娘ほとんど無意識に見抜いてる……!!
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