それいけポンコツ指揮官とM1895おばあちゃん!!   作:焔薙

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サブタイとは関係なんですけど妙な珍品ばっかり買ってくるスプリングフィールドとか良いと思いません?いや、関係ないんですけどね


この夢を見る人形に安眠を!

身体を誰かに揺さぶられて遠のいていた意識が急速に浮上し始める、その影響だろうか次第に周りの音が彼女の耳に届き始め、その一部はどうやら彼女を呼んでいるらしいと分かれば更に意識が覚醒し始めてその音が声に、声から言葉に変わっていき、最終的には

 

「M4!M4!?」

 

「っ!?あっと、すみません、ちょっと呆けて……」

 

「全く、これからってどうしたのよ」

 

意識が完璧に覚醒したM4A1は目の前の推定AR-15の姿を視認した瞬間で察した、続けて自分の姿を見て、周りの景色を見て確信に変えた、意識が覚醒したと自分は思っていたがこれは間違いなく

 

「(あ、夢ですねこれ)いいえ、問題ありません」

 

「そ、とにかく準備しなさい、すぐそこまで来てるみたいだからね」

 

などとまるで作戦前のようなセリフを吐いているAR-15だが、その姿は彼女にとって見覚えのないものだった、いや、それどころか周りにいる自分を含めたAR小隊と他の人形達も見たことのない衣装に身を包み、各々が所持しているのは銃ではなく何故か剣や斧、杖と言ったファンタジーか此処はという武器

 

そして自分の姿は軽鎧に背中にマウントされているのは弓、腰には矢立があるのでまぁそういう役割なのだろうと彼女は納得してから再度周りを観察する、服装などは見慣れないだが顔はP基地に居る面々だと理解、となればと探してみればやはり居た。真っ白い衣装に身を包み背中には杖、その姿はまるでSOPⅡがRFBから借りたとやっているRPGと呼ばれるジャンルのゲームで出てきたクレリック、もしくプリーストとそっくりな姿のユノ、周りには一家が揃っているので何とも微笑ましい、と同時に彼女の姿を見て改めて夢だなぁと彼女は他人事に思った。

 

(お腹が大きくない指揮官を見たのは久し振りですね、まぁ当然なのですが)

 

言うなればナノマシン投与が終わった直後の彼女と言えばいいだろう、元気ハツラツに両手を上げて気合十分ですというユノを見てM4は微笑む、そこで観察を中断してから彼女は思った、先程AR-15はすぐそこまで来ていると言っていたが何が来るのだろうかと、それと同時に

 

(この夢は、私の忘れた何を見せているのだろうか)

 

K5の占いと助言のお陰で見えた自分達が失った記憶を探る唯一の手がかり、それが自分が見る夢、そして今こうしてみたということは何かを伝えたいはずだとM4は静かに神経を尖らせ、そして集団の中の一人が叫んだ

 

「来たぞ!!!」

 

その声にその場の全員が、そしてM4が構えた、これだけの人数が出てこなければならない相手、もしこれがSOPがやってたゲームならばボスクラスの敵に違いない、そしてそれこそが私に夢が伝えたい事に違いないと覚悟を決めて……数分後、彼女はガバっと起き上がり息を整えていた。

 

だがそれは決して衝撃的な事実が分かったからでも、その敵に殺されたからでもない、理由は唯一つ、その夢の中で彼女達が待ち構えていた者の正体を見たからだ、M4にはそれがある意味で衝撃的だったと同時にツッコまざるを得なかった、いや、あれは誰だってツッコミを入れるはずだと、その正体とは

 

「なんで……なんでキャベツが空を飛んでたの……」

 

しかも地平線と空をを覆い尽くす数が居て、割と愛嬌のある瞳をしていたらしい。それから彼女はあの夢に対しての感想として抱いたのは間違いなく記憶には関係ないやつだと、寧ろあれが関係してたまるかとすら思っている。

 

何がどう関与すれば飛んでいるキャベツの集団を収穫と題して戦うことになるというのだ、いや、だがもしかしたら私が気付け無いだけで何かしらの意味があるのかもしれない、軽く混乱している頭でM4はそう思ったのでK5に相談することにした、決してこれはこの訳のわからない夢を共有して仲間を増やしたいというわけではない、決して

 

「……あ~、ごめんもう一回言ってくれるかな?」

 

「キャベツが空を飛んで、それを私達が冒険者みたいな服装をしながら収穫と題して大乱闘してました」

 

感情はあるのに目が死んでると言う器用な表情で淡々と語るM4にK5はどうしてこうなるまで放置してたんだと思わず頭を抱えてしまう。それなりの数の夢占いを請け負ってきたがこんなぶっ飛びすぎた夢は初めてである、と言うか聞いてた彼女の電脳ですら絶賛大混乱中である。

 

「多分、と言うか絶対、君が思ってることと関連はないと思うよ、うん」

 

「ですよね……」

 

「まぁほら、疲れてるんじゃないかな、多分」

 

K5の同情にも似た慰めの言葉にM4は乾いた笑いを浮かべることしか出来なかった。その後はコーヒーを飲んでからパンケーキを食し、気分を変えようと農場エリアのマシロでも眺めるために向かった先でM4は思わず膝から崩れ落ちそうになるのを堪える光景が写ってしまった。

 

目の前から来たのはガラガラと荷車を押すスリーピースの面々、そしてその荷車には緑の野菜が居た、それは今朝方夢で見たような形をしていた、そう【キャベツ】である。彼女はそこで突拍子もない事を閃いた、と同時にいやそんなまさか馬鹿なと電脳内で否定しつつ

 

「キャベツ……」

 

「ん?あ、M4、えっとキャベツがどうかしましたか?」

 

「いえ、その、収穫で?」

 

「はい、今回のは結構よく出来た物でして、今日の夕食には並ぶと思いますよ」

 

では食堂に運びますからこれでとP38がお辞儀をしてからメンバーたちと荷車を押して去っていく、それを見送り眺めてからM4は今朝の夢の正体が何なのか理解できた、あれは

 

「予知夢、えぇ……」

 

何が悲しくてキャベツの収穫を夢で予知しなければならないというのだ、軽く頭痛がしてきた頭を抑えながら、とりあえずゲーガーと話しながらマシロと鶏の世話を手伝おうと歩き出した。

 

M4A1、彼女は夢を見ることが出来る人形、されど彼女が見る夢は何時も彼女に優しくないのである……

 

【お ま け】

 

M4A1が謎すぎる予知夢と言う名の悪夢に悩まされているときと同時刻、CZ75は軽くキレていた、相手は同じ訓練相手のスコーピオン、そして当の本人はKLINに羽交い締めにされていた。

 

基本的にあまり激昂などはしないこの基地の彼女が怒っている理由、それは

 

「今から聞くことを素直に答えろ、アタシの斧をこんなカラフルにしたのはオメェだな?」

 

「いや、あの、眼帯を引っ張りながら聞くのは拷問ってやつじゃないかなってアーごめんなさいもっと引っ張らないで!やめっ……ヤメロォー!」

 

ギリギリとスコーピオンの眼帯の紐が音を立てる、その音を聞いてスコーピオンが暴れるがKLINにいい感じに羽交い締めされていては抵抗も出来ない。

 

「分かった、ごめん!!!勝手にやったのは謝るから戻して、そっと戻して!?」

 

「はぁ……ところでだ、プリンは美味かったか?」

 

「え、うんすっご『バチン!』ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙!!!イイッタイメガァァァ」

 

「む、酷い」

 

彼女が激怒した理由、それはG36から貰って後で食べようとして調理場の冷蔵庫に仕舞ってあったプリンをスコーピオンに食べられたからであった。




まぁはい、なんか急に浮かんだんだのよ、うん、なんだろうね、分からないね。

でもスコーピオンちゃんのネタは中の人的にはOTs-44なのよね

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