それいけポンコツ指揮官とM1895おばあちゃん!!   作:焔薙

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もう自分達の家とも言えるP基地を守るために


今よりも更に強く

S地区のとある廃墟都市、そこに鉄血が集結し始めているということで撃退のために降り立ったのはAR小隊、正直彼女達にとってはナデシコからの支援もあって楽勝であり、作戦開始からそこまで時間も掛からずに殲滅が完了していた。

 

「こちらM4A1、作戦を完了しました」

 

《こちらでも確認できた、今向かえのヘリを送ったからそれで帰ってきてくれ》

 

「了解、警戒態勢のまま待機します。聞いてましたね」

 

何事もなく終えた作戦、それはとても喜ばしいことなのは確かなのだがM4は自分の愛銃を見つめ、浮かない表情をしていた。それは決して今回の作戦内容に不満があるからという訳ではないし、自分がミスをしたという訳でもない、寧ろミスしなかったからこそ今彼女は浮かない表情をしているのだ。

 

(今のままじゃ、この先の戦いで役に立てないかもしれない)

 

思い出すのはエルダーブレインの謀略によって引き起こされたキャロルとの戦い、彼女達AR小隊は都市の防衛戦だった、ナデシコからの援護は無しと言う久し振りな状況での戦いだったが被害こそ多少出すも成功、だが帰ってきてから基地を襲撃したというハイエンドモデル、今はオートスコアラーと名乗っている四人の戦いを映像で見てM4は敵わないと判断してしまった。

 

小隊として当たれば勝てるだろう、だがそれはこちらが数の優位が取れている場合というのが頭についてしまう、更に言えばオートスコアラー四人が揃った状況となったらAR小隊がフルメンバーだとしても勝率は怪しい物になる、それ程までに個々の強さがあったのだ。

 

(ナデシコのよる能力のブーストがあれば勝てるかもしれない、でも前回みたいにナデシコの援護がなかったら、その状況であの四人以上の存在と戦ったら……)

 

出来て時間稼ぎ、M4A1は決して仲間達の能力を低く見てるわけでもないし、簡単に諦めたりは勿論するつもりはない、だがそれはそれとして最悪を想定してしまうのもまた彼女であり、小隊長としての部分だ。

 

「何浮かない顔してるのよ」

 

と流石にそんな空気を醸し出していれば他のメンバーにも気づかれるというもの、先ず声を掛けてきたのはAR-15、彼女は自分で警戒態勢のまま待機とか言ってたのに浮かない顔をして考え込んでいるM4A1を見て声を掛けたのだが顔を上げた彼女の表情を見て、思いっきり深い溜息を吐いてから

 

「一人でまた考え事?全く、顔に出やすいわね貴女は」

 

「……まぁ、はい」

 

「何だ何だ水臭いなぁM4、お姉さんに話してみてくれよ~」

 

「うわっとと!?ね、姉さん危ないですって」

 

恐らくはオモイカネかキャロルから監視しているから楽にしろ的な事を言われたのだろう、思いっきりリラックスムードのM16がグイッと彼女の肩を抱けば急なことに驚いたM4がバランスを崩れそうになるがすぐに耐えてから、さっきまで自分が考えていたことを二人にも、いや、今回はAR小隊で聞いたほうが良いだろうとRO635とSOPⅡも呼んでから語れば

 

「今後の敵、ね」

 

「はい、今のP基地は鉄血だけが敵ではありません、それに鉄血だって強化された存在が出てくるとすれば今の私達の能力では何れは対処ができないような状況に陥る可能性も否定はできませんから」

 

「ですが、そのような敵が出てくれば私達だけではなくP基地全体で相手取ると思います、それでは駄目なのですか?」

 

「どんな敵もぶっ潰せば良いじゃん」

 

「SOPは頭が良いなぁ」

 

相変わらずなSOPの言葉にM16がそう言いながらウリウリと頭を撫でればエヘヘと無邪気な笑みを浮かべるSOP、とりあえずその二人は置いておきRO635とAR-15は今のM4の考えから思考を巡らす。

 

確かにP基地でだと割と特殊な相手も出てくるし、人間との戦いだって向こうの技術力や兵力はピンキリだ、だが同時にRO635が言うようにそんな相手と相対するとなればAR小隊だけというのは……

 

ありえない、と考えそうになった所でRO635はハッとなった。

 

「前回の襲撃、あのような状況になってしまえばAR小隊、つまりは私達だけで対処をしなくちゃいけなくなる」

 

「そうなると確かに今の私達の能力だと不安が出てくるって訳か、とは言っても具体的にどうするのよ、はっきり言っちゃえばこれ以上の能力の上昇は頭打ちよ?」

 

「いえ、まだ完璧に頭打ちではないと思います」

 

確かに【今】の彼女達のボディでは頭打ちだろう、しかしM4はそこは考えていた。もし可能ならばと言う部分ではあるのだが彼女達人形はそこから限界突破とも言える方法での能力の上昇方法が、M4の考えに初めに気づいたのはSOPと遊んでいたM16、と言うよりも彼女自身のその辺りは一度考えたことがあるらしく

 

「MOD化だろ、確かにあれが私達にも適用されるなら問題は大幅に解消されるな、だが」

 

「私達にその枠があるのか、ですよね、正直に言うとちょっと自信がありません。このAR小隊が特殊な部隊なのを考えるとペルシカさんがそれを考えてくれているのか……」

 

「だったらさ、アーキテクトとかヴァニラに頼んで改造してもらうってのはどうかな!?」

 

ロケットパンチとか付けたいと自身の義手を構えるSOPに周りが和むが彼女の提案は悪い案ではない、向こうで用意できてないのならこっちで用意する、問題があるとすれば自分達はペルシカの配属でありP基地の一存ではその辺りの改造は出来ないという点。

 

またその話を聞いてAR-15とRO635は別の不安が浮かんだ、それは

 

「ねぇ、アーキテクトに任せて大丈夫だと思う?」

 

「妙な改造はされないと思いますが……M4の義手とか良いターゲットですよね」

 

彼女達の電脳内で白衣を来てハッハッハと高笑いをしているアーキテクトが映る、彼女ならば改造に付け込んで義手に妙なギミックの一つや二つは付けそうである。

 

そんな不安がM4にも伝わったのか彼女は徐に自身の義手を撫でて

 

「指揮官に、釘を差してもらえれば大丈夫じゃないかなと」

 

「知ってるか、あいつは釘を差してもこれなら大丈夫だろうで作るハイエンドモデルだぞ?」

 

「88式と89式がきっと……!!」

 

多分、駄目だと思うんだよなぁ、と思いながらも割と必死な形相のM4をコレ以上追い込むのも可愛そうかなと思ったのか口にはしない、また向かえのヘリも来てしまったのでそこで話は一旦打ち切られることになる。

 

多分きっとペルシカさんも釘を差してくれるだろうし、こっちに来て居合わせてくれるだろう、そんな事を思いながらM4はヘリに揺られる、その隣で

 

「義手にクローを付けてさ、飛ばして殴る!とか強そうじゃないかな?」

 

「回収が面倒そうだなそれ」

 

SOPの夢とロマン満載の改造案を聞き流しながらAR小隊は基地へと帰投するのであった。




と色々と書いたけど早い話がAR小隊強化フラグみたいな感じです、何時活かされるかはまだ考えてないです。

SOPちゃんに鉄拳制裁!アンカークロー!!とか叫ばしたい

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