それいけポンコツ指揮官とM1895おばあちゃん!! 作:鮪薙
ランページゴーストの隊長となったノアだが基本的な業務は空中哨戒がメインであり、今日も今日とて
「おかえり、ノア」
「おう、ただいま、クフェア。ネゲブもありがとな、そっちだって仕事あんだろうに」
「妊婦ほっぽって仕事するほうが気が気じゃなくなるからいいわよ、じゃあ後は旦那に任せるわ」
じゃ、とネゲブはこれから夕食の仕込みでもしに行くのか食堂の方に歩いていくのを二人で見送ってから自室に戻り、その日、何があったのかを互いに話していく。
とは言ってもノアは先程も言ったように何もなく、クフェアの方も一段と大きくなったお腹で業務などは本当に簡単なものしか出来ないので、寧ろ世間話などの方に結果として話が流れていく、その中で今日は大きな事はあった。
「そう言えば、今日基地の上空を凄い飛行機?が飛んでいきましたよ、確かS10地区の大型兵器だってお義姉さんは言ってましたが」
「あれか、アタシも見たぞ、丁度哨戒中にな、すげぇデカかったし速くて驚いた」
その光景を思い出したのか段々と話に熱が入り目が輝き始めるノア、そんな少年らしい彼女の反応にクフェアは微笑みながら相槌を打ち会話を弾ませていけばノアもよほど楽しいのだろう、そのS10地区の大型兵器の試験飛行から始まりどんどんと話題が変わっていく
この様に二人が会話を始めるとクフェアは大体が聞き役になりやすい、勿論ノアも彼女に話させたりするのだが曰く自分は聞いててノアの表情を見るのが楽しいらしい、なのだが今日はふとノアが途中で語りを止めた、これは初めてのことでありクフェアはどうかしたのかと聞けば
「あ、あぁ、いやな……ほら、能天気バカが夢を見たって話し合ったじゃねぇか」
「確かお義姉さんが夢の中で学校の先生をしていたって話ですよね、それがどうかしましたか?」
「ん~、どうってわけじゃねぇんだけど、あいつが先生ってのが出来るってことはさ、もしかしたら平和な世界になってるって感じだろ?」
言われればクフェアも確かにそうかも知れませんねと納得はする、が完璧に平和ってわけではないと思いながら今はそれは触れなくていいかと続きを促せば、ノアは言いにくいのかあ~と頭を掻いてから、こう彼女に告げた、それは戦うことしか知らず、戦うことが自分の存在意義だと言わんばかりで、最近になってやっと誰かを守ることを覚えた彼女が見せた始めたの未来への願望、それは……
「ノアが言ったんです、『そんな平和な世界になったら、お腹の子と三人だけで旅行しよう』って」
場面代わり翌日、お茶会の場面で同席している面々に昨日のことを話すクフェアがそこに居た。今居るのはクフェア、ユノ、アーキテクト、ゲーガー、因みに今日は別に休日というわけではない、なので後ろ二人は業務時間だったりするのだがそこはラボ主任という立場と基本的に基地の警備と農場の作業だけの二人は折角だしと誘われたらしい。因みに同じく暇してそうだったアナはランページゴーストとして哨戒任務に出てしまったので居ない、RFBなんかは部隊丸々出る必要ありますか?と聞いていたが訓練なので出撃した模様。
「へぇ、ノアっちが将来を語ったって凄くね?」
「正直に言えばその時は驚いてから嬉しくて笑っちゃったんですよね、そしたらノアったら恥ずかしかったのかそっぽ向いちゃって」
「ノアちゃんは意外と恥ずかしがり屋だよね、作戦の時とかは詩を歌ったりするのに」
「あれはゲン担ぎみたいなものだろ、しかしそうか、あいつがそんな事をな」
三者三様の反応にもしこの場に本人が居たらアーキテクトにはキレてただろう、だが今彼女は空中哨戒中でありこの場には居ない。ともかくお茶会はそんな話題から始まったので内容は必然的に夢、もしくは将来のことについてになり始めは、では逆にクフェアはなにかあるのかと彼女にユノが聞いてみれば
「私ですか?そう、ですね……今はあまり遠い未来は考えられないですね、とにかくお腹のこの子を無事に産んであげたい、それだけです」
「随分と大きくなったよね、もう動いてるのとか分かるんだっけ?」
「分かりますよ、手を当てるとはっきりと、でもまだ性別は分からないみたいですけどね」
触ってみます?とアーキテクトに聞けばではではとそっと触れてみれば少ししてからおぉ!?と驚く、どうやら丁度動いてくれたらしい、それを見てゲーガーは彼女とユノの二人を優しい表情で見ているとその視線に気づいたユノが
「ゲーガーは、何か無いの?」
「何かとは?フフ、冗談だ。そうだな、あまり考えたことはなかったな、だがもし上げるとすれば……牧場だな、牧場を持ちたい」
彼女が思い浮かべるのは緑が生い茂った所で大きすぎる小さすぎない牧場を経営しノンビリと動物と過ごす、そんな光景、この世界でどれだけ不可能なことを言ってるのか自分でも理解できているが、それでも願望を持つとすればコレだろうと、それを聞いた三人は少し呆けてから想像し、あっさりと牛飼い姿のゲーガーが牛や羊を世話してる姿が思い浮かんで笑いが溢れる。
「じゃあじゃあ、ユノっちはあるの?あ~、もしかしてあの夢?」
「私は、まだ正直分からない、でもなんだろう、不思議とそれが良いかなって思わなくもないんだよね。私ってほらへリアンさんやペルシカお母さん、この基地のみんなに色々と教わって生きてこれたしこうして生活できてる、それを今度は私が誰かにしてあげたいなって」
「なるなる、ユノっちらしいね~」
にっしっしと笑いながらアーキテクトは感想を述べてクッキーを齧る、とそこで今度は視線が自分に集まってることに気付けば、待ってましたとばかりに笑みを、あの勝ち気な笑みを浮かべたと思えば彼女は高らかに自分の気付けば生まれていた夢を大きく語る。それは聞いた三人が驚きの表情を浮かべ、だが理由を聞いても自分が科学者だからと言う表面上のことしか語らない彼女の夢
「聞いて驚け、あたしは汚染を取っ払ってユノっちとクーちゃんの子供に綺麗な海を見せてあげることさ!」
勿論、簡単ではないことは理解している。だけど彼女はそれを目指すことにした、例えどれだけ掛かっても、不可能だと言われても、彼女は決して折れない、今日まで楽しく生きてこれた親友のために、その子供の為に、この夢を実現させるんだと。
今は誰も知らない、アーキテクトと呼ばれるこのハイエンドモデルは後に……
『ユノっち!!あたし、やった、やったよ!!!』
世界に希望の芽を咲かせる存在になるということを
アーキテクト、何だか凄いことを考え始めるの巻。
あ、因みにラストのは流石に近い未来じゃないです、はい。更に言うならばそこら辺を書く辺りになってると多分この作品固定の時空ですねコレは