それいけポンコツ指揮官とM1895おばあちゃん!!   作:鮪薙

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そのうち、弾も弾くし砲弾の切り捨てるゾ(無謀


人形が剣を極めてもいいじゃない

コレで何度目だろうかという模擬訓練用のブレードとブレードが当たる音が訓練場に響き、片方の人影【アナ】が鍔競り合いに持ち込まれる直前に自身の義体の出力を利用して飛び退き、息を整える。

 

何度思ったかは分からないが彼女は訓練相手の人形、オートスコアラーの一人である【スユーフ】を見据えて思うのは強いという感想

 

「元が、スプリングフィールドとは思えませんね」

 

「マスターにより改造を施されていますからね」

 

こんな会話を許しながらもスユーフには一切の油断も隙きも見当たらず、こうして打ち合いを始めてそれなりの時間が経っているがアナとは違って息が上がっているという感じもない。

 

何時だったかAR小隊の隊長であるM4が言ってたことを思い出す、もし4人が揃った場合、今の自分達では勝てないかもしれないという物を、なるほどコレはその通りだとアナは納得した。

 

(たった一人に、相手の得意距離であるクロスレンジとは言えこうも圧倒されるとなるとキツイですね)

 

グッとブレードを握り力が強くなる、だからといって負けを認める訳には行かないと焦りが生まれそうになった所でアナはその焦りを振り払うかのごとく息を吐き出す。

 

雑念は刃を鈍らせる。あのモンスターとの戦いでそう教授してくれた【フランク・イェーガー】の言葉を電脳内で再度唱えて、あの日、ゴグマジオスの堅牢とも言える城殻を切り裂いた時の切っ先を思い出す。

 

あの日、あの時、全ての音が消えたあの一瞬、一つ息を吸い力が入りすぎていた手から程よく力を抜き、再度構え

 

「……行くぞ」

 

「(空気が変わった、これはまた急に壁を超えましたね)来なさい、少なくとも剣を握っての数日の素人に負けるほど弱いつもりはありませんから」

 

先程までとは打って変わって急に互いを敵として認識したような言葉のやり取りの後、アナとスユーフが同時に動き剣戟が鳴り響く、こうして書くと今訓練場には二人しか居ないのかとなりそうだがそんな事はなくランページゴースト前衛組のノアとRFBも居ればオートスコアラー組の残りの三人もその模擬訓練を観戦している。

 

「……なぁダラーヒム、何でお前らってこう近距離ばっかなんだ?」

 

「あ~、まだ敵対してた頃はほら、色々と補給が間に合うか分からないって事を想定して弾が掛からないものにしたってマスターが言ってたっけ?」

 

「世知辛い理由を聞いた……」

 

食材などは不適合だった人形を流すことで資金を得て購入していたので問題はなかったがこと弾薬関係となると足が付きやすくなるという面もありあまり潤沢ではなかったと聞けばRFBが微妙な表情を晒してそんな事を呟く。

 

同時に彼女は気付くトゥーマーンとジャウカーンには光学兵器が積まれている理由はそんな事情があったからなのではと、実際そうではある。

 

「所で、ノアは良いの?訓練をしなくて」

 

「アタシはクロスレンジは得意じゃねぇんだよな、そりゃあの武器があるから出来るには出来るし怪物相手にはあれ使ったから使えるんだが、やっぱぶっ放してたほうが性に合ってんだよな」

 

あのゴグマジオス戦でも味方が多数居たからあまり派手な武装は出来なかったが結局はMSFから受け取った単発型のロケット砲をぶっ放し続けダメージを与えていた、正直それのほうが手っ取り早いと思ったというのがノアの談。

 

最後にRFBはと聞かれると彼女はパワーマキシマムドールスーツのお陰でクロスもロングも得意というわけではないが不得手というわけでもない程度には出来るらしい、が

 

「まぁその肝心のスーツが今も改修作業中なんだけどね、流石にあの戦闘で無茶しすぎてアーキテクトとキャロルが言うには今よりも更に強くはなるらしんだけどね~」

 

なのでいま出撃に使っているのはプロトタイプのパワーマキシマムドールスーツ、本人曰く動きが悪いらしい。

 

と観戦組があーだこーだと雑談している間もスユーフとアナの模擬訓練は更に拍車が掛かり熱が入る、さっきまでは若干押されていたはずのアナが今では均等まで持っていってることにスユーフはブレードをいなしながらも感心し、こちらも更に力を込める。

 

周りからは数分、だが打ち合っていた本人たちからするとまるで数時間は経っていたと錯覚させる訓練は

 

「ふぅ、はぁ、はぁ……」

 

「素晴らしい太刀筋と立ち回りでした、後は経験さえ積めば問題はないかと思いますよ」

 

「とか言いつつも、余裕そう、ですね」

 

これでも前衛では四人の中でも最強を自負してますからねと笑みを浮かべるスユーフに片膝を付きながら成程と笑みを返すアナ、しかし余裕そうに振る舞っているスユーフも本音を言えば一手でも動きを読み間違えていたら立場が逆だったかもしれないというくらいには追い込まれていた。

 

彼女は言うなれば戦いながら成長していくタイプ、この基地に来る前から独りで戦い続けていた時の経験からそういうのを即座に力に変えるのが無意識とは言え得意になっているので花岡というのがスユーフの見立て、なので今後も彼女が事あることに戦場に出て剣を振り続ければ

 

(何れは私では歯も立たなくなりそうですね、しかもこれで遠距離も出来るとなれば……)

 

そして同じ動きが出来る存在がまだ他に二人居るランページゴースト、此処でも割と厄介な強さだと言うのに部隊でぶつかったとなればこの基地では最強の部隊に育つかもしれない。

 

と、そこまで考えてからスユーフは思った、メンバーで考えればノアが遠距離及び上空からの援護、RFBがスーツの性能を生かした前衛、アナが態々RFBと並んで前衛で立つよりも中距離からの義手のガトリングを活かした射撃戦のほうが良いのではないかと

 

「(……まぁ、近接戦闘は出来て損はないと思いますから良いですけど)本日はコレで終わりにしますか?」

 

「そう、ですね。ありがとうございました」

 

もう既に息は整え終えたアナはお辞儀をしてから訓練用のブレードを片付けて、今日は訓練はしないのかと思えば彼女は次に訓練用ではなく実戦で使ってあれから更に改良を加えた高周波ブレードを手に持ち、集中していた。

 

彼女の眼の前にはかなり昔にアーキテクトがフェイタルアローの試射の的にしていた複合装甲材、あれよりも更に強度を上げたのを前のブレードを構えて……息を短く吐き出すと同時に一閃、装甲材に斜めの線が走り音を立てて両断されるが、その断面を見て一言

 

「……まだまだ、ですよね」

 

彼女もしかして剣豪でも目指してるの?その光景を偶々目撃した62式がそんな事言ったとか言わなかったとか。




SAKIMORIインストールしてない、大丈夫この娘?

尚、戦場に出たら流石にブレード一辺倒にはならないのでご安心を(使わないとは言ってない
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