それいけポンコツ指揮官とM1895おばあちゃん!! 作:鮪薙
しんと静まり返った電脳空間、誰もが声を出せずに動き出さない空間、それを見渡しニヤリと笑った彼女は何ともつまらんという感じに溜息を吐いてから
「なんだなんだ、折角の祭りと聞いて復活したというのに盛り上がりの一つもないではないか」
「……誰?」
「む?何だお前は、あぁ、グリフィンのでありながらそうではないとかいうややこしい奴だったか、ふむ、では名乗ろう私は【ウロボロス】かれこれ一年、いや、二年前くらいにこの基地の人形共に倒された鉄血のハイエンドモデルだ」
自己紹介でも喋るのが楽しいのかウロボロスは活き活きとトゥーマーンに話してから『なぁ?』っと周囲を見渡す、何でも良いから反応しろよお前らという言外の言葉がはっきりと分かる態度を見せれば、漸く口を開いたのは代理人
「ウロボロス、何の真似ですか」
「と、言うと?」
「貴女が先程吹き飛ばしたのはこちらの味方です」
真顔でそう告げられば、キョトンとした表情を晒すウロボロス、それは何を言っているのか分からないという顔、いや、実際ウロボロスは目の前のメイド服ハイエンドモデルが何でそんな事を自分に言ってるか分からないでいる。
彼女の言葉はまるで自分が味方として出てきた、そんな風な感じだというのは辛うじて読み取れたウロボロスはその表情のまま
「さてはお前、阿呆になったか?」
「何を……?」
「よもや、私がお前らの味方として此処に君臨したとでも本気で思っているのか?ククッ、ハハッ、アハハハハハハッ!!!いや傑作だ、なるほど、堕ちる所まで堕ちたか、それとも続く戦いに遂に電脳がイカれでもしたか?」
ここに来て漸く代理人の言葉を理解した彼女は右手を手に当てて天を仰ぎ高笑いを繰り出す、まさかまさか代理人ともあろうハイエンドモデルが状況を理解できずに、更に言えば過去に自分に行った所業すら忘れこんな事をのたうち回るとは思わなかったとばかりに笑う。
「ふふっ、いやぁ、すまぬ、まさか復活早々にそんなお笑いを見せてくれるとは……まぁ一々語る必要もないだろう、ほれ、お前らもさっさと立て、時間稼ぎはまだ必要だからな」
「味方って、認識でいいかしら?」
「違うな、協力者なだけだ」
ぐっと立ち上がりながらVectorを見据え構えを取るウィンチェスターの言葉にウロボロスはそっちを見ずに代理人の方を見ながら首を鳴らしたウロボロスがそう答える。
最後にトゥーマーンが飛び起きながら彼女達の側まで行き
「何でも良いけど、こっからどうするのさ」
「どうも何も戦うしか無いだろう、ほら、死にたくはないだろ?ならば立て、立って戦え、なぁ?」
我らがエルダーブレインのダミー殿?振り振り向けば、そこに現れたのはフル装備のキャロル、尚、呼ばれ方が呼ばれ方だったので物凄い仏頂面である。
「マスター!?え、ちょ、どういうことよ外!」
《ネクロノミコン使っても一人分こじ開けるのが精一杯だったんだよ!いっつつ……》
《あぁ、叫ばないで横になってなさいっての》
どうやら外は外でFMG-9に何かトラブルが合ったらしく、それでも仕事を遂行してキャロルが送られてきたらしい、事情を深く聞きたいのはトゥーマーンだけではないが、聞いてる暇は勿論ないとキャロルは歩きながら
「説明は後だ、ウィンチェスター、Vectorを止めろ、殺さなければどんな状況でも構わん、トゥーマーン、俺と合わせろ、エルダーブレインに仕掛ける」
「……殺さなければいいのね?」
「はいはいって、そこのウロボロスは?」
テキパキと指示を飛ばし返事を返すがその中にウロボロスが混ざっていないことに疑問に思えば彼女は余裕そうな笑みを崩さずに代理人に向けて一歩踏み出してから
「私は私でやらせてもらう、安心するがよい、敵にはならんから……なっ!!」
トゥーマーンの視界から、いや、代理人がサイドアームの武器を使えなかったところを見るに彼女からも消えたとも言える速度で踏み込みから放たれた右ストレートはパァン!と言う乾いた音と共に代理人の防がれる、がこれはほんのご挨拶とばかりにそのまま体を捻り右足を振り抜くが上半身を反らし回避
「裏切ると、そういうことですかウロボロス」
「裏切るも何も初めに私を切り捨てたのは貴様らだろうて、まぁよい、今後は何も縛られないで私のやりたいようにやらせてもらう、そうだな、私がルールだとでも言おうか」
代理人が上半身を反らして回避からのサマーソルトをバク転で回避してから武装を展開と同時に機銃を斉射、コレは回避できないと判断した代理人が自身の目の前で十字を切る動きをすれば彼女の前に分身が数体出現し弾除けとなりその間にサイドアームを展開、返す刀で反撃。
「二人で盛り上がってるところ悪いが俺らも居ることを忘れないことだな」
直撃コースだったそれを割り込んできたキャロルが電磁シールドで防ぎ、その影からウロボロスが飛び出てミサイルを数発、過去にキャロルにやられたことがある代理人は彼女と自身の周囲の空間、更にはエルダーブレインの周りにも警戒しつつ迎撃、爆発と同時に煙と炎が広がり視界を奪われるが、即座に再度十字を切り分身を出してから自分は更に後方、エルダーブレインの前に下がれば
「チッ!」
「読めないとでも?」
爆煙に紛れていたのだろうトゥーマーンが地を這うように駆けているところに斉射、彼女は咄嗟にレーザーブレードを盾にように構えてから、先程とは規模と数が少なくなっているがホログラムの分身を展開、代理人はそれごと彼女を撃ち抜こうとしたが視界の隅で空間の歪みを見つけ飛び退けば銅線が彼女が居た場所に射出される。
が彼女が息をつく暇は無く、退いた先で今度は迫ってきていたウロボロスがムーンサルトの形で蹴りを放ち今度は回避も分身も出せずに両腕をクロスする形で防ぐが想像以上の威力に思わず声が漏れそうになる。が耐えているだけだというのはウロボロスは感じ取れたので防がれたと同時に脚に力を加えて反動をつけて距離を離して笑みを強めながら
「たった二人増えただけで防戦一方だなメイド長殿?まぁよい、ほれハンデだ、ここからは二人っきりで踊ろうではないか」
「っ!?エリザ様!!」
「おっと行かせられんな」
分断されたと焦る代理人にウロボロスはニヤリと笑ってから掌を上にしてから指を手前に動かして挑発、その後ろではトゥーマーンがレーザーブレードでエルダーブレインに斬りかかるがそれが彼女に触れる前にキャロルと同じ電磁シールドによって阻まれる。
「こいつも持ってるんですかっての!」
「威力不足、貴女には破れない」
舐め腐りきってとトゥーマーンは悪態をつくがさっきのが最大出力なので事実である、ならばとキャロルが両腕を広げて彼女の周囲の空間からレーザーを浴びせるがその全ては何かに当たったかのように反らされ、お返しだとばかりにそのサイドアームに付いている機関砲とも言えるそれを連射
そんな物を受けたら爆発四散だとトゥーマーンは急いでキャロルの後ろに下がればお前はと言う表情をしつつも電磁シールドを展開、全てを防ぐのだが
「あの、エルダーブレインのシールド突破できなくないです?」
「予想以上だったな、さて、どうしたものか」
あるとすれば自身の最大出力のレーザー、しかしチャージの時間はくれないだろうなと攻撃の手を休めずに考えながらキャロルがウィンチェスターの方を見れば
「この手に限るわ」
自身の左腕を失い、更にはコアは反らしてあるだろうが胴体を貫かれた状態でありながら頭突きでもしたのか額から火花を散らしながら沈んでいくVectorにそう告げるウィンチェスターの姿。
「……は?」
キャロルが出した声は、外でモニターをしていたナガン達も同じ気持ちの言葉だった
私がルールだ(ゴリライズはしないです)
この手に限るわ(この手しか知りません)
後今日で終わりませんでしたね!