それいけポンコツ指揮官とM1895おばあちゃん!!   作:鮪薙

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暗部が暇なのは良いことなのだが


暇を持て余してるウェルロッドさん

ティーポットから出ている紅茶がティーカップに注がれる音が響くここは広報室、が情報部の面々で紅茶を飲む人形は居ない、此処に居る彼女達は基本的に眠気覚ましのコーヒーか、エナジードリンクか、PK特性の眠気覚ましの薬である。

 

「ここも、随分と人が増えましたね」

 

では誰が、その正体は今ボソリと呟いたウェルロッドMkⅡである。始まりはまだこの基地の諜報部が彼女とFMG-9だけだった頃に作戦会議のためによく集まるからとティーセットを置いてからというものの彼女は週に一度はこうして此処で飲んでいるのだ。

 

そんな紅茶を飲みながらウェルロッドは当時を思い出す、今とは違い二人しかおらず、今ではさも当たり前のように使われるFMG-9曰く切り札の【ネクロノミコン】も使えずにハッキングと潜入で情報を集めては指揮官に悟られないように影として彼女に害する存在を排除していたあの頃。

 

それが今では指揮官である彼女も自分達暗部を知り本当の意味で影となり活動し、人数も昔に比べれば多くなった広報室、今でも彼女の眼の前では情報収集と業務で忙しなくキーボードを叩いている相棒、FMG-9に

 

「それで、何の情報を集めてるのですか?」

 

「む~、もうちょい待ってて下さい……ヒット、したけど薄いなコレ」

 

彼女にしては珍しい曖昧な宣言にどうかしたのかと彼女特性のパソコンのモニターを見ればそこには文字と数字の乱立している場面だけ、何がどうヒットしたんだコレとしか思えないがFMG-9の目にはしっかりと情報が映っているらしい。

 

ともかく、自分が見ても何の理解も出来ないそれの説明を求めれば

 

「ちょっと、他所のPMCの情報をですね」

 

「他所?」

 

他所って言っても繋がりのあるところじゃないですからねと付け足してくるが流石に彼女もそこは理解できている、疑問に思っているのは何故急に調べ始めたのだということだ。

 

彼女がこうして自発的に情報を集めるということはそこがユノを狙っているのかと思ったのだがどうやらそうではないらしい。

 

「寧ろ此処最近はボス周りは静かも良いところですよ、まぁ大層な肩書きが基地にも個人にも付きましたってのと、今までも尾ひれ背びれが着いた噂も手伝えば下手に手を出して消されたくはないから当然といえば当然でしょうけど」

 

「では、指揮官を狙ってるというわけではなければ何故?」

 

「暇だったから、へへ、冗談ですよ……確かに個々に手を出す輩は激減しました、それこそ我々実働部隊が暇を持て余せるほどにね」

 

FMG-9の言葉通り、この基地の実働部隊は結成当時に比べるまでもなく出動回数が減っている、それこそこの間のDG小隊の結婚式の警備のための出撃が本当に久し振りと言えるくらいに、それがどう繋がるのかと紅茶を一口飲んでから、彼女にも飲むかと聞きながら続きを促す

 

「あ~、じゃあ一杯お願いします。で、まぁこの基地やボスなどに手を出さないなら別に良いかなとか思いそうになったんですけど、こう考えたんですよ。もしかして直接じゃない方法にシフトしたのかもしれないってね」

 

「……外堀、いや、繋がりのある所に?」

 

「そう、まぁどこも生半可なところじゃないですし心配し過ぎかなとも思ったのですがこの間ナデシコからD08地区での盗賊の活動が活発だなと言う報告を聞きましてね、もしやと向こうの諜報班とも連絡をとって情報を集めてみれば」

 

「バックにその他所のPMCがって流れですか?」

 

確定じゃないですけどね、と言いながらもその声には半ば確信が込められていた。が踏み込めるだけの証拠が出てこないらしい、それが冒頭近くの曖昧な宣言に繋がる、どうやら後少しという部分が詰められないとの事

 

「ネクロノミコンは?」

 

「それも考えてます、があまり出しゃばり過ぎるのもよろしくないかと思ってまだ使ってないんですよね……」

 

今回で言えば管轄の違いである、これがもしS地区でのお話だったら彼女は迷いなくネクロノミコンを切っただろう、しかしD08地区での話となると情報支援などは出来るのだがネクロノミコンと言うグレー寄りのブラックというカードは迂闊に切るとあとが怖いとの事。

 

もし向こうから協力依頼などが飛んできてくれればそれはもう大盤振る舞いで使って1から10まですっぱ抜くつもりではいる、寧ろ徹底的に打ちのめす所存であると目で語るFMG-9にウェルロッドは苦笑を浮かべながらそこまで言うのならばと案を出してみる。

 

「だとしたら一度指揮官に話を通してみて、掛け合ってもらうのはどうでしょうか?」

 

「ですかね、ではもう少し資料を集めてから話を通してみることにします」

 

どうやら彼女はこれから更に集中して情報収集に励むらしいと勘付けば無理はしないようにと一言告げてから使ったティーセットを洗い、広報室を後にする。

 

基地を歩きながらウェルロッドは先程のFMG-9との会話を思い出して、考える。この基地を、指揮官を狙っている者たちが間接的な方法にシフトして狙っているかもしれない、それを言われてたしかになと思うと同時に自分が少々緩んでいたと思わされる会話だった。

 

(少しばかり、平和な時間に浸りすぎましたかね)

 

とは言っても別に平和が嫌いというわけでもなければ、こうした時間は寧ろ好きな人形である、しかしそれはそれとして何もなさすぎるというのも彼女としては落ち着かないというのも本音である。

 

製造されてから影として生き、影として指揮官を守れ、そう命じられた所為なのかは不明だが、少し前のひっきりなしとは言わずともそれなりの頻度で暗部として出撃してた頃が何となしに恋しいなと思ってしまえば

 

「はぁ、私ってこんな思考の人形でしたっけ?って、あぁ今日は雨でしたか、指揮官、大丈夫でしょうか」

 

雨の日は嫌いですと公言していたユノを思い出して心配になりながらも今の時間帯であればクリミナ達が居るから大丈夫かと思い、少し気分を変えようかと傘を手に持って外を散歩することにした。

 

外は小雨、とは言えこの振り方ならばもうすぐにでも本降りになるだろう雨の中を何も考えずに歩く本降り少し前の程よい雨粒の落ちる音がさっきまでの少し物騒とも言える思考を落ち着かせ、冷静になった彼女が前を向けば同じ様に散歩でもしていたのだろうかVectorがウェルロッドを見ており、それから

 

「暗部の者が雨の中を『アンブ』レラを持って散歩してるなんてね……ふふっ」

 

「……は、はぁ」

 

あれ、今日の雨ってこんなに冷たかったっけ?ドヤ顔のVectorを見てウェルロッドはそんな事を思いながら曖昧な笑みを浮かべることしか出来なかった




向こうが更新再開したんですかやったー!のノリで拾ってぶん投げたけどノープランである、何だ何時も通りだな!(問題あり)

それにしてもこの基地の暗部は本当に最近は情報収集くらいしかしてないのでは?まぁ描写無い所で仕事してるかもしれないけど、減ったるやろなぁ
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