それいけポンコツ指揮官とM1895おばあちゃん!!   作:鮪薙

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でもカップルの変装は(自分の命が危ないから)止めようね!


変装好きなリスのお嬢さん

出会いは少々悪かったP90だが、この基地においては割とそういう配属のされ方も多々あるせいなのか、翌日に事情説明されて紹介されてからというものの割とすぐに馴染んだ。

 

そんな彼女だがやはり経緯が経緯なので復帰後には事情聴取が行われたのだが

 

「全く記憶にない、と」

 

「無いね~、最後にあるのは自由気ままに野良として色んな所を歩いてたってのと、その、あたしを操ってた女性と会ったって所まで、次の瞬間には銃口向けられてて凄く焦ったよ~」

 

「ヴァニラ、メモリーの方はどうだった」

 

「こっちも綺麗にないわね、その辺りはプロだったってことでしょ」

 

両手を上げてこれ以上は無理ですという態度を示す。あれから分かったのはあの盗みに入った女性はサイコロステーキから遺伝子情報を抜き出して照合した結果、結構有名だったらしく手配書まで出回っている存在だったということ、だけ。

 

彼女が誰かに依頼されたのか、それとも単独だったのか、それらは一切不明、この手際には流石今までグリフィンからも逃げてたやつだよとヴァニラが感心の声を上げるほどだった。

 

「FMG-9、女性の背後関係を何とか洗い出せないか、調べは続けてくれ」

 

「了解、何とか追ってみます」

 

「えっと、あたしは?」

 

「む?あぁ、もう自由にして良いぞ、基地の案内は……誰が今動ける?」

 

P90にしてみれば操られていたとは言え此処まであっさりと自分を自由にして良いのかという疑問になるがそもそも自分がそういうものだったとすれば今この場でこうして話すところか、あの日に目覚めること無く人形としての人生は終りを迎えていただろうと。

 

なので彼女は大人しくこの基地に一員として加わることにした、今日はそんな彼女のお話。時間は少し流れて彼女が正式に配属されてから数日後、彼女はこの数日で分かったことがあった、それは

 

「変装が全く通用しないのって面白くないよね」

 

「またそんな事を言ってるんですか、少なくともこの基地と繋がり以外には通用する変装ですので自信持っていいと思いますけど」

 

広報室、椅子の背もたれ部分を前にしてそこにより掛かりながら座っているP90がそんな事を口にすれば同じく変装のプロとも言えるG17がコーヒー片手に答える。

 

P90という人形は変装することを趣味にしており、しかも声まで変えるので簡単には見破れない物となっているし自身も今日までは絶対の自信があった、あったのだが

 

この基地でそれを試してみたのだが全く通用しない、直ぐにと言うわけではないがそんなにしないで看破されてしまう、ということを何度もやられるうちにP90は割と凹んだ模様。

 

なのでその事を彼女に相談してみれば返ってきたのは上記の言葉、彼女の言葉通り決してP90の変装センスが悪いということではない、ただ単に相手が悪すぎるという話である。

 

「で、聞いたんですけど指揮官とクリミナの変装をして、それぞれの前に出たんですって?」

 

「……出来ればその話には触れないでもらえると嬉しいかなぁって」

 

「その様子ですと絞られたようですね」

 

前話ラストでも語ったと思うが彼女は先ずクリミナの前にユノに変装して試した、しかもご丁寧にお腹まできちんと再現して、しかし声を掛けて第一声が

 

『……おふざけは、程々にしてくださいまし?』

 

声だけ聞いて即座に土下座した、怖かったと真顔で語る彼女の姿は何とも痛々しかったがやってることがやってることなので不思議と同情の念は浮かばなかった。

 

しかしノリと勢いで生きてる部分があるP90、あんな目に会いながらも今度はユノの前にクリミナに変装して現れた、彼女的にはユノを試したいという感じだったらしい、が

 

『P90、何やってるの?』

 

『え、嫌ですわユノ、あたくし……』

 

『二度はないからね~』

 

夫婦だったわとP90は語る、クリミナのようなぶっ刺してくる圧はなかったのだがこちらは物凄い冷たいものを感じたとのこと、多分警告を無視してても武力行使はなかったとは思うし彼女のことだから笑って流すと思っているのだがそれでも恐怖をしっかりと感じ取れるものが会ったと。

 

「夫婦でコレでしょ、娘たちとかどうなるんだろ……」

 

「泣き別れ、ですかね」

 

「怖いこと言わないで!?」

 

ウロボロスが居なければ操られて潜入していたあの日に本当に首と身体が泣き別れしていたかもしれんなと本人から語られた彼女としてはG17の言葉は冗談には聴こえずに思わず首を押さえてしまう。

 

彼女のその様子にまぁ味方になってるならそう簡単にはそんなことにはならないから安心してくださいと慰められることになるが、それでも気分が晴れないと彼女は広報室を出て気分転換に散歩をすることに。

 

配属されて数日、野良として悠々自適に過ごしていた頃に比べると多少なりと規則というものに縛られてしまったがそれを加味しても自身の身の安全は保証されてるし給与などもきちんと出て休みまであるこの環境には満足していた、不満点も先程の自身の趣味があっさり見破られるということくらいなのでそこまでではないし、ぶっちゃければ他の暇潰しだってあっさり見つかるのがこの基地である、例えば

 

「ほらほら、あたしはこっちだぞ~?」

 

例えばそう、暇そうにしてたアニス達の遊び相手とか。SMG人形としての機動性と自身のスキルで出せるホログラムを使われれば流石の四姉妹も簡単には捕まえることが出来ずに良い遊び相手になってくれる。

 

正しジャウカーンは勘弁なとは本人の談、ホログラムなにそれと言わんばかりに突っ込んでくる彼女とは相性が最悪な模様。また別の場面ではそのホログラムを生かした特訓がしたいとアナに誘われて訓練場で付き合ったりもする、が

 

「ねぇ、君はあれ、剣士にでもなるの?」

 

「いえ、ただ銃を使う時は薙ぎ払うので本物とかの区別を考えなくなりますから、なので区別が付くように剣で特訓しようかと」

 

その理屈はおかしいと思いながらも向こうは真剣なので口には出さずに特訓に付き合う辺り彼女の付き合いの良さがにじみ出ている。

 

という感じにP90は無事にこの基地に馴染んでいくことになる、最後にだがノアとクフェアには変装は試したのかと聞いたところ、返ってきたのは乾いた笑い、勿論ながら彼女が試してないわけもないのだがその時のそれぞれの反応が

 

『ふぅん、で、点で似てねぇ変装であたしをどうしようってんだ?』

 

『……ふふっ』

 

だからなんでこの基地の夫婦って奴らは妙な威圧持ちなんだよ!と叫びたくなったP90だった。




この基地でのP90ちゃんの変装の成功率は大体3割位、しかもその3割も初見はという言葉がつくので今はどの程度化は不明な模様。

因みにサイコロステーキさんは潜入してからレーザートラップを回避してて最後は網目のレーザーが迫ってきてから『畜生』って呟いたのが遺言らしいぞ?(余談
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