それいけポンコツ指揮官とM1895おばあちゃん!!   作:焔薙

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M4A1MOD化の説明


親の心子知らず

重力波、そう、何を思ったのかアーキテクトはトンデモ技術を打ち込んできたらしい事にM4は軽い頭痛を覚えた頭を抑える、しかも自身が彼女ならば止めてくれるだろうと信頼していたペルシカが居て、それが作られたということは

 

「止めてくれなかったのですかペルシカさん……」

 

「いやまぁ、必要ではあるかなとは思ったからね、それと彼女の発想は非常に面白いものがあったというのもある」

 

「ペルっちってば本当に話が合うからさあれもこれもって話てたら興が乗り乗っちゃって~」

 

「……」

 

最後の希望が打ち砕かれたとばかりに項垂れるM4、よもや許可だけではなくてノリノリで改造が施されたとは思っても見なかったのである、その様子に首を傾げる科学者二人、ではキャロルは止めなかったのかと言うと、彼女は彼女でコレのことを考えれば戦力は強化されたほうが良いだろうと思ってたので止めなかったとのこと、これにはいよいよM4が膝から崩れ落ちることになるがそれは後日だ。

 

ともかく、まさかの裏切りとも思える展開にやっと立ち直れたM4はそっと顔を上げてペルシカを見つめるがその瞳は

 

「いや、そんな裏切り者を見るような目をされても、それに君たちがこれからのことを考えて更に強くなりたいって言ったから答えたんだよ?つまりはあれだ、親心みたいなものさ」

 

「親心からなら指揮官とノアに向けるような優しいものを期待してたのですが」

 

「ハハッ、十分に優しさからだよ、戦場に向かう君たちが無事に帰ってこれるようにと言うね」

 

本心からそう思ってる言葉だろう、その顔と目は決して言い逃れのために言ってるものではないということが見て分かったのと、言ってる内容は確かにその通りなのでむぅと押し黙る。

 

確かに強化をお求めたのは自分達であり、ペルシカとアーキテクト達はそれに応えただけ、確かに自分が批難するのは間違っているかもしれないと考え直してから頭を下げて

 

「すみません、少々言い過ぎました」

 

「大丈夫だよ、それに少しは話しておくべきだったとも今は思ってる、所で説明はまだ聞くかい?」

 

「そう、ですね。義手だけでも聞きたいかなと、コレにも何かしら機能が追加されてるのですよね?」

 

すっと上げた義手は戦闘用だというのは分かるのだがそれ以上のことは分からない、分かるとすれば強度がかなり上がったかなということと、それに伴って若干重量が増したかなということだけ。

 

ならばとアーキテクトが投影モニターを表示させて説明を始める。

 

「では説明しよう、その義手はこの画面を見たの通り性能を前のよりも底上げ、コレによって以前みたいにイェーガーの一撃で義手が破損するなんてことは決して無いし、試してないけどダネルくらいの実弾でも耐えるんじゃないかなってほどの耐久にしてあるよ」

 

「まぁ、勿論それだけじゃないんだけどね、コレを見てくれM4」

 

新たに出されたモニターを見ればそこにはシミュレーションでのM4が映っておりそれから彼女の周りを何かが覆う、見てくれはフォースシールドによく似ているのだが、彼女達のことなので素直にそうな訳無いだろう。

 

実際M4の思った通りである、そのシミュレーションではあらゆる実弾と光学兵器、果てにはこの基地で運用されている輻射波動機構による一撃も防げるということが表示されており、よく見ればリミットと書かれた部分には数字が書かれていない

 

「これが義手に付けられた新たな機能、その名も【ディストーションフィールド】見ての通りありとあらゆる攻撃を無効化出来る凄いやつさ!」

 

「あの、これもしかしなくても制限時間は?」

 

「実質存在しないよ、ただ強力すぎてね、周りの地形にダメージを与えてしまうからどこでも展開できるってものじゃないってのが難点だね」

 

屋内とかでは周りの被害を無視すれば使えるらしいがそれでも推奨はされるものではないとペルシカが続ける、一応展開範囲を指定できるので自身に纏わせる形以外にも盾のように前方だけとか言う使い方も出来るらしい。

 

また前回言ったようにコンテナと接続することで重力波を収束、放出する【グラビティブラスト】が撃つことが可能でこれも敵の装甲などを問答無用で無視するトンデモ武装であり、ただやはりこちらも威力と範囲が強大で考えなしに撃てば周りの被害がやばいことになるのでおいそれと使えるものではないらしい

 

なるほど、やり過ぎだとM4は投げやりな思考になりかけるがふと気付いた、自分でこれということは他の隊員のMOD化も何か凄いことになるんじゃないかと。というタイミングでラボの扉が開いて入ってきたのはユノとナガン、そこで彼女はそう言えば自分がMOD化する際に一緒に呼ばれたのにすっかり忘れてたと慌てながら

 

「すみません、指揮官、副官……M4A1、MOD化は無事に終了しました」

 

「良かった~、M4が目覚めないから何かあったんじゃないかって思ったよ……あ、でも本当に大丈夫?」

 

「見てくれは平気そうじゃが、ペルシカ、わしらにも聞いてもらいたい話とは何だ?」

 

「そうだね、今のユノに聞かせてストレスが少し怖いけど、聞いてもらえるかな?」

 

なるほど、彼女達を改めて呼んだのはそういうことかとM4は納得してからペルシカに代わるように自分があの眠っていた時に見たことを、知ったことを二人にも話していく、勿論途中でユノの様子を確認しながらなのだが。

 

「私の、クローンが……」

 

「なるほどな……いや、少し考えれば確かにあり得ん話ではないと気付けるが、良い気分ではないな」

 

話を聞いた二人の様子はペルシカとアーキテクトが聞いたときとほぼ似たり寄ったりだった、まさかまだクローンが生み出されていた、それはナガンには勿論のこと、ユノにも少なからず衝撃があり、見れば顔を少しだけ青くしているのが分かればペルシカが直ぐに側に寄り

 

「平気かいユノ」

 

「大丈夫です、それでM4はその地点を?」

 

「はい、AR小隊の改修が終わり次第、向かいたいと考えているのですが……その、出来ればその時に人員とナデシコを借りたいと思ってます」

 

「断る理由があるわけ無いじゃろうて、して改修作業はどのくらいで終わる」

 

ナガンがアーキテクトとペルシカにそれを聞けば、大体2日もあれば終わるとのこと、時間がかからないということは良かったと思うM4だがそこでユノとナガンが入ってくる前に聞こうと思ったことを口にする。

 

他のAR小隊の面々にはどんな改造を施すのかと。そして数十分後、コレだから天才はと頭を抱えるM4と呆れるナガンとそんなM4を心配するユノ、最後に

 

「やりすぎかなぁ、ペルっち?」

 

「いやぁ、必要なことだと思うよ、アーちゃん」

 

天災の何とも軽い雰囲気がラボを支配することになるのであった。




古代火星文明は関係)ないです

次回でAR小隊の残りの面々のMOD化の説明をサラッとして次に進めたいね、多分、少しの間ほのぼのが有給取るかもしれないけど、まぁしゃーなしだと思ってね!


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