それいけポンコツ指揮官とM1895おばあちゃん!!   作:鮪薙

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終わりは衝撃的に


鬼ごっこ 終幕

《ノア!!》

 

オモイカネの悲鳴、飛び散る鮮血、至近距離から撃たれた衝撃で地面に倒れた所で、彼女は撃たれたと認識すれば、右肩から鈍痛が走り思わず顔をしかめ、見れば貫通はしたようで銃弾が中に残っているということは無いのが良かったと言うべきところだろうか。

 

彼女は傷を確認してから起き上がりもせずに自嘲を浮かべる、殺すつもりで掛かったくせにこの体たらくである、明らかに罠だとわかるタイミングでお姉ちゃんと呼ばれて手を止めるなんて、と。

 

(……あぁ、畜生)

 

周りから自分の方に向かって歩いてくる足音が聞こえる、とどめを刺すつもりなのか、はたまた自分という貴重なサンプルのために攫うつもりなのかは知らないが好都合だと笑みを浮かべたまま思う。

 

彼女達はこの時点で悪手を取った。確かにクローンたちの声を使ってお姉ちゃんと呼べば間違いなくノアの手は止まる、ついぞ呼ばれることなかった彼女達に呼ばれるということがどれほど衝撃を与えるかなんて考えるまでもないのだから、だが同時にコレを仕組んだ者たちは理解するべきだった。

 

「対象の生存を確認……了承、対象を?」

 

近付いた隊長格ではない他の個体が指示を受けたのだろう、ノアの身体に触れようとした所で突如雷鳴が轟き、その個体の心臓がある場所の風穴が空きその個体は状況を理解できずに倒れ伏す、慈悲も何もない一撃、誰が?と聞く必要すらないだろう、仰向けで倒れ伏していたはずのノアが左手に握られている【Thunder】が全ての答えだろう。

 

表情はヘッドギアの所為でよく見えない、だが理解するべきだったのだノアという少女は何よりも守れなかった妹達のことを愛しており、後悔しており、それを罪だと背負いっていることを

 

(あぁ、畜生)

 

知るべきだった、その罪をこんな形で見せられ、愛していた、大切にしていた妹達を使い、あまつさえ自分に姉と、しかも感情も何もなしに、ただ利用するために彼女達にそう呼ばせたことに彼女の心の中で烈火の如く怒りが渦巻いてしまったことを。

 

ゆっくりと立ち上がる、右肩の怪我は既に治癒が済んでいるので問題ない、ゆらりと起き上がった彼女にクローン達は警戒して距離を取る、相変わらず表情は見えない。

 

「……なぁおい」

 

「対象の復活を確認、攻撃の是非を」

 

「ハハッそりゃそうだよな」

 

バイザーの奥の表情が漸く見える、泣いていた、だが同時に怒りが籠もった瞳もしていた。先程の問い掛けはもしかしたら感情があったのかもしれないという希望が込められたものだったが返ってきたのは無慈悲なまでに機械的な声、分かっていたことだがやはり現実を突きつけられると涙が流れた。

 

「おい聞いてんだろ、見てんだろ、覚悟しろよテメェら……何のつもりか知らねぇが妹達をこんなテメェらの巫山戯た計画に利用したこと、後悔させてやるからなぁ!!!」

 

「了承、攻撃開始、対象を沈黙させます」

 

「トロいんだよ!!!」

 

確かに成長して個体ごとに考えながら動いてるのかもしれない、だがそれでも機械的に指示を仰いでしまう、指示を受けてから動き出すまでにラグがある、それだけでノアには十分だった、先ず手始めにスラスターを使って振り向いて自身の背後に居た個体に向けてウィンチェスターを向けて発砲、一人撃破、そこで隊長格の個体が突撃してくる。

 

合わせるように残りの二人もM16A3で射撃を開始、ディストーションフィールドを使えるのならば誤射を恐れる必要がないので確かに有効な手段だろう、その中でノアが取ったのはスラスターで加速し、突撃してくる隊長格に向かってこちらも突撃、そのまま

 

「ダラッシャ!!」

 

「!!!???」

 

ノア、まさかの頭突きである。自身へのダメージも考えない全力の頭突きで互いのヘッドギアとマスクが大破、しかし見えた素顔は対象的でありノアは額から痛々しいほど流れる血を舌で舐め取りながら獰猛な笑みを浮かべ、隊長格の彼女は流れている血を気にすることもなく無表情でそんな彼女を見つめる。

 

「へっ、本当にそっくりだなおい、って!?」

 

「了承、離脱、他個体を囮にします」

 

彼女がそう呟いたと同時にディストーションフィールドを使ってノアを弾き、飛行ユニットを使い緊急離脱を開始、無論それを追おうとするが残っていた二人から奇妙なアイドリングに似た音が聴こえ振り向けば

 

「……おい、おいやめろ!!!」

 

「上位個体より命令受諾、自爆します」

 

「やめろぉ!!!!」

 

《無駄だノア、直ぐに離れろ!!》

 

ノアの止める声は当然ながら向こうには届かず、キャロルの声と同時にノアはシールドを展開しながら一気に飛び引けばまるで砲撃でも飛んできたのかという爆発が辺りを包み、爆煙が晴れる頃にはそこには誰も居なくなっていた。

 

居なくなっていたが、そこに誰か居たという【影】は残っている、それを見つめ、拳を握りしめて

 

「ぜってぇ、仇は取ってやる……!!」

 

《酷いな、人は此処までのことが出来るのか》

 

「出来ちまうんだよ、特にネジが飛んだ科学者ってのはな」

 

ゆっくりとノアはその影に向かって両手を合わせてから帰投することになる。ではストームとTAC-50はと言うと彼女達も無事にヘリの降下地点へと逃げ延びることが出来ていた、ノアが全員を足止めしているので大丈夫だろうとは思っていたがそれでも向こうが伏兵等を用意してないとは限らない中での逃亡は神経を張り巡らせるので肉体的にもそうなのだが精神的な疲労の割合がとても高く、TAC-50は思わず座り込んでしまうほどである。

 

「はぁ、ハァ、さっき、なんか凄い爆発ありましたけど、ノアは大丈夫ですよね」

 

「何かあったらすぐに通信が来るはずだから、来ないってことは平気なんでしょうね」

 

そりゃ良かったと答えたタイミングで丁度ウィンダムが到着、ハッチが開けばエアレーズング小隊が展開して周囲の警戒を始める。

 

ともかく、こうして生き延びれてよかったとストームと共にウィンダムに乗り込もうとした時、彼女が振り向いて

 

「所で、貴女は委員会から抜けたいって話してたわよね」

 

「え、なんですか突然、まぁその委員会に所属して無くて実は私が意識してない状態でスパイしてたっていう話でしたけどね」

 

「そう、じゃあやっぱり一度こうした方が良いわね」

 

ストームの呟きに理解が及ばないという感じの声を上げようとした彼女が受けたのは腹部への衝撃、何がと視線を下ろせば突きつけられたストームの銃と流れる血

 

「……」

 

「悪いわね、お咎めなしじゃ示しがつかないでしょ?」

 

その最後の言葉はTAC-50には届かずに彼女は力無く倒れ、それを確認してからストームは任務完了と報告をしてからエアレーズングと共に撤収を開始するのであった。




最後のは思いっ切りCODのローチ最後をイメージですね、はい。

まぁネタバラシは明日行いますが、大丈夫だってことだけを
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