それいけポンコツ指揮官とM1895おばあちゃん!!   作:焔薙

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私は、私なのかな


決意する、その瞬間

ユノは考えていた、もし、もし自分のクローン達を救える方法は無いのかと。M16は無理だと彼女を見てはっきりと伝えた、あれはもう救う救わない以前の問題だと、どっぷり洗脳されたか、感情というものをそもそもにして消されてしまった者の目だと

 

ノアにも聞いた、だけど返ってきたのは救うっていうのならもう解放してやるしか無いんだという覚悟の言葉、確かに二人の言う通りかもしれない、だけど

 

(あきらめたくないって思うのは、私が悪いのかな)

 

ナガンが過去に言った、ユノのその姿勢はある種の美徳であり、同時に弱点でもあると。誰にでも手を伸ばすがゆえに救え、それが後に強い繋がりになることもあれば、伸ばしたその手を逆手に取り彼女を傷つけてしまうことだってあった。

 

今回で言えば、殆どのものは、それこそクリミナだって厳しく言ってくれと頼めばこう言ってしまうだろう、向こうは貴女を利用してくると。

 

「……」

 

ユノだって、無理なのかもしれないというのは理解している、指揮官としての立場ならばこの行為は無意味に家族とも言える基地の仲間を危険に晒してしまうかもしれない行為だとも。

 

でも何かまだ手がないのかなと考えて、彼女はふと思い付いた、もしかしたらこれならばと言う手段、なので彼女は休日の日にある人物の元を訪ね、実はと話してみれば彼女【ウロボロス】は真剣な表情を作ってから

 

支配者(ルーラー)の能力について聞かせろと、確認だが指揮官殿、その事を聞くにあたって誰かに話したか?」

 

「話してない、そうすればきっと私の考えがバレると思うから」

 

「時間の問題だと思うがな、それと芋づる式で私が無意味に怒られるのは癪だ、聞きたくばペルシカにしろ」

 

「ペルシカお母さんもきっと話してくれない、ううん、多分誰も教えてくれないと思う、でも……」

 

「故に私ならばと、ふむ、確かに私は指揮官殿に対してこれと言った感情はないからな、聞かせろと命ずるならば教えてやらんこともない、がやはり怒られる可能性が眠っている以上断りたいが本音だ」

 

ロリ姿と声からは想像もできないほどに威厳たっぷりな感じに自室のソファに腰を下ろしてから背中を預け足を組見ながらそう答えるウロボロス、急に部屋を訪ねてきたと思えばルーラーについて詳細を聞かせてくれと言われ彼女としては上記の理由で断りたいと思っているのだが、目の前の少女が意地でも退かないという視線をしていることに深い溜息を吐いてから

 

「聞いてどうするかは聞かん、私がこうして話したのはお前の好奇心を満たすだけだ」

 

「ありがと、ウロボロス」

 

「ふん、一度しか言わんからな。いいか、ルーラーとは鉄血の科学者が我々の暴走を危惧し計画された人間を使ったハイエンドモデル、ではない」

 

いきなり自分の知識にある前提条件から崩されたその時のユノの顔は傑作だったと後のウロボロスは語るがともかくそんな切り口から説明が始まった。

 

曰く、確かにその側面もあるがあくまでそれは副目的に近いものであり、本来はもっと先、IOPも鉄血も、そして……

 

「私が読んだ資料が正しければだが、正規軍の自立兵器すら己の指揮下にする、と言うトンデモ計画だったらしい」

 

「それって、はっきり言っちゃえば私が本当に能力を扱えたとしたら皆思いのままになっちゃうってこと?」

 

「まぁ本当にそうならばな、それが実際に成功段階まで漕ぎ着けたのかは不明だ。だが指揮官殿のオリジナル、今のキャロル殿の身体の本来の持ち主が正規軍の計画と違い死んだのはその無理とも言える機能を打ち込んだ義眼のせいだろう」

 

文字通り支配者、彼女がもし本気でやろうと思えばナデシコに繋がり、その能力を発揮するだけでもれなく世界を征服できてしまう。まぁ彼女にそんな度胸もする意味もないのでやらないとは思うのだが、そして今の話を聞いてユノはやっぱりと辛うじてウロボロスも聞き取れた声で呟く

 

何がと聞こうとしたウロボロスだったが、彼女の顔を見て一言

 

「馬鹿な真似は止せよ、お前が考えていることは確かに可能かもしれないが分が悪すぎる賭けだ、もしやるとしても一度誰かに話しを通せ、さもなくば」

 

今此処で貴様に話したことを忘れてもらうことになる。部屋が大きな冷凍庫の中にでもなったのかと勘違いするほどの冷たさをウロボロスはユノにぶつける。だがこれは彼女の身を案じたわけでも、お腹の赤ん坊に対する影響を考慮した言葉ではない。

 

もしこれでウロボロスが予想した通りのことを彼女が行った場合、次の矛先が間違いなく自分に向けられるからだ、故に止める。がどうやら要らぬ心配だったようだ、ユノはその言葉を聴いても。彼女からの冷たい空気をぶつけられても怯まずに

 

「どっちにしろ、オモイカネにはバレちゃうから、お婆ちゃんにも話すつもりだし」

 

「ならばいい、さっさと話しに行け、私はこれより惰眠を貪るのだ」

 

シッシッと手を払ってからソファの端についているボタンを押せば変形してベッドに変わり、話はもうないとばかりに横になり、ユノは一言お礼を言ってから彼女の部屋を後にする。

 

出ていってからウロボロスの言う通り、少しだけ寄り道してから今度はナガンの部屋に訪れてはっきりと伝えた、今度の作戦の時

 

「お主がナデシコにて指揮を執る……却下じゃ、子供への悪影響が懸念されているのは分かっとるじゃろうて」

 

「嫌だ、それにそこはさっきペーシャちゃんの所に行って確認したけど、一日だけの指揮なら大丈夫だって」

 

滅多に彼女の口から出てこない【嫌だ】と言う言葉に驚きながらそこでユノは何かをしようと企んでいることに気付くも、そこから何を言っても退かないと知っているからか、ナガンはやれやれという感じに首を振り

 

「分かった、それにキャロルも戦力として使いたいからな、そのほうが有り難いのじゃ」

 

「ごめん、じゃあ、そういうことだから、あぁでも久し振りだから鈍ってないと良いけどなぁ……」

 

笑顔をナガンに向けてユノは出際にそう呟いてから部屋を出ていく、勿論ながらその呟きはナガンの耳にしっかり届いており、確かになぁと不安げな声を漏らすのであった。

 

そんなやり取りがあった二日後、まだアンジェリカから連絡が来ず、かと言ってクローンの出現報告もなくでまだ掛かるかと思われたその日、空中哨戒に出ていたノアからの通信で事態が急変することになる、何時もであれば何事にも彼女らしい言葉でだが冷静に報告するはずの通信、だが届いたのは

 

《光が、落ちてったぞ》




最終章だからって急にルーラーに設定生やすのは止めよ?(ぐるぐる目

という事で、明日よりこの作品の最後を飾る作戦を開始します。またこれから先の話は【それいけポンコツ指揮官】完全独立ルートとなります、要はこっから先で起こることとかEDの展開は特にコラボしたことある作品には影響しないよってことだよ!!

じゃないと、色々とヤバいことだらけだからね!!!

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