それいけポンコツ指揮官とM1895おばあちゃん!!   作:焔薙

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ゴリ押し、やはりゴリ押しが全てを解決する


結局、辿り着く策は唯一つ

消えたモニター、その消えたモニターを見つめ未だにあの笑みを浮かべたままのユノ、それを見て固まる周囲、と中々に場が困惑に包まれている特殊戦術室、因みにだがモニターに関してはユノが切ったわけではなく、ある根回しを終えた情報部の仕事である。

 

なのでヨゼフとの通信が切れたということは彼女達が張った編みの回収すら終えたということになるのだがそれよりもと一番初めに再起動したのはアンジェリア、彼女はユノに向けて拍手を送り

 

「いやぁ、素晴らしい啖呵切ったわね」

 

「え、あぁ、ごめんなさい……もっと情報を引き出すべきでしたよね、私、頭に血が上っちゃって」

 

「いいえ、別にそれくらい構わないわよ、あれ以上聞いてたら私がモニターに向けてぶっ放してたかもしれないし」

 

「超防弾仕様じゃ、跳弾で指揮官を殺すつもりか?」

 

「え、何を想定したモニターなの?」

 

残念ながら作ったのはアーキテクトであり、彼女ですら何でそんな仕様にしたのかは分からないの彼女の謎は延々と解けることはないだろう。だがお陰で場の空気はある程度は柔らかくなり、そこから漸く本題に入ることになる、内容は先程のヨゼフからの通信、特殊戦術室のセキュリティすら破って回線を乗っ取り、繋げてきた……

 

「と、思っておるじゃろうな」

 

「でも最低限のそれこそバレない程度にはセキュリティは残してあったというのにあっさりと破られたわね、向こうの地力どうなってるのよ」

 

「どうだろうね、何かしらの種がある可能性はあると思うけど。その辺りは彼女達に語ってもらおうじゃないか」

 

ペルシカがそう告げたタイミングでモニターが再起動、映ったのはオモイカネとFMG-9とヴァニラとトゥーマーンの4人、だが全員が何故か酷く疲れているという表情を晒しており、何かしらの作業をしていたんだろうということは理解できた。

 

《こちらFMG-9、先ずは端的に、作戦は成功です。ですが完勝ではありませんけど》

 

《うえ~、この作業を今までヴァニラ一人でやってたの?凄いよ、うん、いや、頭おかしいよ》

 

《酷い言われようで私泣いていいかしら》

 

《実際頭おかしいわよあれ、寧ろネクロノミコンがぶっ壊れよこんなん》

 

のっけから好き勝手喋りだす四人をナガンが手を叩いて落ち着かせてから、彼女達は報告を始める。では彼女達が今しがたまで何をしていたのかということを話せば、先程のヨゼフ側からの回線ジャックははっきり言えば想定内の出来事だった、もっと言えばそうなるように誘導したとも言える。

 

「にしても、此処まで綺麗にハマるとは思わなかったわ」

 

「そんくらいアタシたちのことを足元に見てるってことだろ」

 

「実際、そうでもなければ堂々と目的を話したりはしませんからね」

 

だからこそそこに漬け込み、繋いできたタイミングでFMG-9がネクロノミコンと接続、更にはヴァニラだけではなく今回はオモイカネとトゥーマーンまでサポートに入り結果として接続時間を30分限界から50分まで延長、その間に相手の本拠地、その見取り図、その他諸々の情報を抜けるだけ抜くという作戦を取ったのだ。

 

《それでこれが本拠地の情報となります、地上部にグリフィン基地がありますがこれはダミー、本命は地下ですね》

 

「ミサイルサイロ?もしかしてこれで打ち上げた?でも、この大きさは衛星兵器は載せられないんじゃ」

 

「……アタシの技術が使われてんなら、クローンだけ入れれば後は所定の位置でミサイルごと身体を作り変えちまえばいい、そういうことだろ」

 

「なるほどね……ごめん、報告続けて」

 

それから抜き出せた情報を報告を上げていき、それが終われば情報の整理を始める。本拠地の場所はF10地区、名目は火力支援基地となっているのだがよく読み解けば不自然な物資の補給や人形の配備、資金の流れが存在していることが分かる。

 

また、FMG-9が覗けた監視カメラにはグリフィンの戦術人形の他にも正規軍の自律人形の他、兵器の類の存在も確認、またこれは本当に偶々だったのだがと映し出された映像の人物にアンジェリカが目を見開く。

 

「エゴール、まさかカーターを裏切ったというの」

 

《恐らくは、ですがカーターの暗殺が彼の手によりものだったらあっさりと成功したのも頷けます》

 

そりゃどうでしょうよとアンジェリカが答える、ともかく敵の場所の戦力はある程度は分かったのだが、肝心の地下はと言うと全ては無理だったらしい、だがそれでも重要だと思うわれる情報だけは抜き取り、それは敵側にもナデシコと同じ、もしくはそれ以上の物が存在しているということ、なのである程度は薄くしたとはいえセキュリティがあっさりと突破されたのはそれのせいだろうと推測された。

 

「でもこれだけ情報が分かったのは助かるわね、正直な話、こちらに残されてる時間はあまりない、下手したら今この瞬間にも残りが打ち上がる可能性だってある」

 

「もしそうなれば、儂らの負けじゃな。可能な限り早急にでも攻め入りたいが、何か策でもあるか?」

 

「速攻、審議不要、火力にて攻め入る」

 

「脳筋は黙っておれ、というかさっきの儂の話を聞いておったのかお主」

 

表情は動いていないのだがそれでもこれしか無いだろうという感じで発言したエリザだったがナガンにバッサリと斬られ、そんなバカなという感じにナガンを見るが向こうはそれに構っていられるほど暇ではないので無視される。

 

だが考えても考えても、何か策が浮かぶというわけではない、浮かぶには浮かぶのだがどれも事前準備に時間がかかったしまうものが大半、ともなればエリザの提案もあながち否定できるものではないのかもしれないという空気になり始まる、と言うよりも

 

「選択肢がないわねこれ、私でも動かせて反逆小隊一つだけ、P基地だってあまり大規模に動かせないでしょ?」

 

「防衛も考えて、それに大きく動かした時に衛星兵器の動きが怖いから、動かせて4、5部隊かな、エリザちゃんは?」

 

「本拠地が壊滅後、各地で掃討戦があったようで壊滅となっております」

 

「……完全敗北」

 

「私は期待しないでくれよ?AR小隊しか無いんだからね」

 

困った、そんな感じの特殊戦術室、アナもなにか考えてみるがそれよりも早くノアが一言、頭をポリポリ掻いてから

 

「悩んでも出ねぇんだったら行くしかねぇだろ、何時だってこの基地はそれでやってきたんだからよ」

 

身も蓋もない一言、だが同時に確かになと言う部分もあったのでそれぞれが違った感情の笑みを浮かべていると、何を笑っているのか理解できないエリザが、だが状況は理解したが故に一言、不満ですという声で

 

「火力にて速攻、正答」

 

「お主、意外と根に持つタイプか?」

 

こうして方針が定まり、出来る限りの作戦会議を行った翌日、作戦開始は夜なので時間はまだある早朝、エリザとエージェントが失踪したとの報告が上がることになる。




夜襲ってのはどうかな?

色々雑ですがあまりグダグダ書いても(私が)ダレるので開戦します、多分明日、遅くても明後日には。

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