それいけポンコツ指揮官とM1895おばあちゃん!! 作:鮪薙
黒一色のウサギ部隊、それが現れてから戦場の状況は変わった。自分の基地から現れたはずのその部隊はそこら中に隠されていた出撃ハッチを通して小隊ごとに現れては視界に写る全てに対して容赦なくに攻撃を開始、ともすれば背後から撃たれる形となり
「え、な、なんで、やめ……」
「いやだ、私は味方よ!?なん……」
「対象を駆除、任務続行」
正規軍の自律人形なんかも倒されているがこっちには自己というものがないからまだいい、だがIOPの戦術人形は突然の事態に戸惑い、撃たれて初めて状況を理解して命乞いや、自分は味方だと告げるもウサギ部隊は無慈悲に撃ち殺していく。
この状況にF10基地に降り立ったランページゴーストの二人、アナとRFBも戸惑いを隠せない。聞けば基地内にも現れて現在はヤークトフント、エアレーズング、トリックスター、AR小隊、更には裏から回り込んでいた反逆小隊、それとその小隊に組まれる形で参加しているキャロルが率いるオートスコアラーも交戦しているとのこと。
つまりは今現れた新手は敵味方関係全てと戦っているということになる、それは勿論だが自分たちも当てはまるわけで、とここでアナは思考を目の前の戦闘に戻す、どうやらこの部隊のボディアーマーは正規軍の装甲兵【アイギス】のをベースにしているのか彼女の持つ【AN-94】では装甲を破れず、ならばと引き抜いた【アジダート&フォルツァンド】を撃ち込めば効果が現れる、だがそれは恐らくこの銃を作った彼女から渡された特殊弾丸のお陰だろう、つまりは
(全てを相手には出来ない……!!)
「どぉりゃあああ!!!」
その点、RFBの纏う改良型パワードスーツ【ハイパーマキシマムムテキドールスーツ】はその装甲で相手の銃撃も近接もほぼ無効化してお返しだとばかりに近接で攻撃が返せる、だが彼女は相手を殴る度にその仮面の奥の表情を歪ませていた、理由は殴った時に分かってしまったのだ、このフルフェイスヘルメットとボディアーマーの下の身体は【彼女たち】だと
「くっそ、悪趣味だなこれ!!!」
「マキシマム、辛いなら退いても構いません、貴女には辛すぎる相手です」
「だ、大丈夫!それに、ここで退いたらそれこそ後味が悪いっての!」
ぐっと拳を握り、周囲を見渡して突如動き出した、その方向には足を負傷し倒れている【CZ52】を殺せんとしていた一体を殴り飛ばし、更に周囲の個体を内蔵武器で薙ぎ払っていく。
先程まで自分たちは敵だったはずと言う目でRFBの背中を見つめる彼女に応急処置を施しに来たアナが答える
「こういう人たちなんですよ、ナデシコ、F10基地の人形を指揮下に入れられませんか!このままでただ彼女たちがやられるだけです!」
《そうだね、オモイカネ、彼女たちとリンク出来る?》
《戦術人形なら出来る、でも正規軍の方はどうするの?》
そう、流石の彼女でも向こうはどうにも出来ない、しかしそれは普通であれば、ユノはオモイカネの言葉にあまり見せない勝ち気な笑みを浮かべてから、眼を閉じて自身の脳内でスイッチを入れる。
すると効果は直ぐに現れた、モニターに映されていた敵対を示す赤い点がウサギ部隊を除いて味方を示す青い点に変わっていくのだ、オモイカネが何をと聞こうとしてユノを見た時、その目が綺麗なワインレッドから真紅とも言える色に変化し電脳体だと言うのにスタミンを一気に消耗したとばかりに肩で息をするのを見て、彼女は全てを悟った
《
《だい、じょうぶ……これで正規軍の自律人形も指揮下に置けたよね、ハァ、ハァ、よし、各員に通達、皆生き残りたいなら私の言うことを聞いて!!》
彼女の言葉にF10基地の殆どの人形は指揮下に加わり組織的な防衛戦、いや、生き残るための行動を始める。それは基地の中の者たちも同じであり、そこでエアレーズングから通信が入る、内容は
《こちら79式、こいつら基地の外を目指してる気がします!》
《外を?もしかしてこれもヨゼフの計画の一つ、だとするとこのまま出しちゃうのは絶対にマズイよね……》
《こちらヤークト3、ともすれば抑えるのも必要ですよねこれ》
上がる報告、だが新たに打ち上げられた衛星兵器のことも考えるとそっちも対処しなければならない、だが外の抑え込み及び防衛にも人数をある程度割かなければ間違いなくウサギ部隊の突破を抑えることは難しい、更に脳に負荷を掛けて思考を巡らすユノ、何時もであれば問題ではないのだが今回は
だが急にふとそれが軽くなる、同時に
《やれやれ、指揮官殿は無茶が好きなようだ》
《これでも量産型ルーラーの一人だからね、これくらいはお安いご用さ》
《指揮官、あたいも頼ってほしいね、3人で分散すれば負担もかなり軽くなるはずだよ!》
ヴァニラが話したのかウロボロス、P基地のAK-12がナデシコ内に来て、更にはオモイカネもユノに掛かっている負荷を肩代わりすれば、楽になり思考が鮮明になり始めり、作戦が先程よりもかなり早く組み立てることが可能となりユノは3人に礼を言ってから
《こちらナデシコ、ヤークトフントとエアレーズング、それと他の部隊からも何人か残して欲しいかな、誰か行ける?》
《ランページゴーストからは私が外で防衛に入るよ、どっちにしろこのスーツじゃ屋内戦出来ないしってことで頼んだよアナ副隊長!》
《こちら反逆小隊AK-12、私とAN-94、それとオートスコアラーのダラーヒムとトゥーマーンが防衛に参加するよ》
《AR小隊からM16姉さんとSOP、それとROを参加させます、これだけ居れば何とかなるかと》
地下施設はデータを見ればそこまで広い施設ではなく、今回来た部隊全部では逆に動きが取れなくなるかもしれない、なので彼女たちをある程度外に残してというのはありかもしれない。
懸念があるとすれば地下施設内の戦力がどのくらいか、間違いなくエゴールと未だ出てきていないネーヒスト、それと残りのウサギ部隊だって居ると考えられる、ともすればトリックスターを含めた12人とこちらもまだ連絡が取れないが間違いなく戦場に入ると思われるエリザとエージェント、の計14人で攻略ができるのか……
だが悩んでいる時間もない、ユノは決意を決めた声で告げる。
《聞いてたね、外の戦闘に残るメンバー以外は集合後、直ぐに地下の制圧に向かって下さい、ノア、終わったら……》
《終わったよ、直ぐに向かう……これでも出てこなかったアイツをぶん殴んなきゃ気が済まねぇんだ》
《了解じゃ、とりあえず地下への入り口は何とか抑えておる、他の者達は早く来るのじゃ!!》
ナガンの言葉に全員が了解と返して行動を開始、RFBは持ち前の機動力と防御力の高さで苦戦している人形部隊の援護に入り、ヤークトフントはこうなったら何時ものノリだとそれぞれが猟犬の名に恥じない動きを開始。
エアレーズングも建物内から外に出て援護を始め、反逆小隊の二人とオートスコアラーの二人は突入組が撤退するまでの地下への入り口の維持を担当、勿論一筋縄では行かない任務だがこちらには正規軍の自律人形も参加しているのでAK-12曰くそれなりには持つとのこと、行動開始から数分後、遂に突入組が集結、ナガンを隊長として彼女は地下へ続く扉に手を掛けてから
「……行くぞ、あの愚か者を止めに」
全員が頷いたのを確認してから、彼女たちが突入を開始、それを勿論モニタリングしていたヨゼフは感心したように笑みを浮かべてから、モニターの映像を他の場所に変える。
そこには一つの大きめの培養槽が、周りは強化ガラスなので中を見ることができ、そこにはピッチリとした赤いラインが特徴的な戦闘用のスーツに身を包んだ成人女性が入れられており、だが素顔は金属の仮面に覆われて見えないが髪の色は腰まで掛かるような茶髪をしていることだけは分かる、彼女こそがヨゼフ・アルブレヒトという科学者が生み出した存在。
「彼女のことを見れば、向こうはどう思うだろうね……【赤い霧】起動せよ」
言葉に反応するように培養槽は開けられ、女性【赤い霧】がゆっくりとそこから出ていく、その手には時代に似つかわしくない一振りの大剣ともう片方の手にはおよそ人間では先ず扱えないM82A1をベースにした突撃小銃を持ち、ゆっくりと顔を上げ起動したことを示すように仮面の眼に当たる部分が紅く光を放つのであった。
Q 赤い霧って?
A そういやレイラさんの脳みその行方は分かったけど身体って話したっけ?
もうごちゃごちゃしすぎて最終章なのにいつものノリで戦闘書いてるのがバレるヤバイヤバイ