それいけポンコツ指揮官とM1895おばあちゃん!!   作:鮪薙

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あらすじ
昨日の話でROとオートスコアラー二人のことすっかり忘れてた(ガバ


フェアリーリリース Session7

大剣が風を切る音、薙ぎ一閃で繰り出された斬撃は反応しきれていないナガンの首を、跳ねることはなかった。代わりに宙に飛んでいるのは特徴的だった彼女の帽子と数本の前髪、肝心のナガン本人はと言うと目を見開いた状態でその場でしゃがみ込むことによって回避していた。

 

間一髪、だがまだ危機から抜け出したわけではない、赤い霧は即座に大剣を引き戻し、そのまま最小の動きで振り下ろしナガンはそれよりも早く左に飛んで回避、転がりながら銃を構えればそこで撃てる位置に動いていたクリミナも滅多にやらない二丁持ちで構えて

 

「どうじゃ!」

 

「これでっ!!」

 

乾いた銃声が連続で響く、流石に大剣を思いっ切り地面に叩きつければすぐに動けるわけではなく弾丸は赤い霧の身体に目掛け吸い込まれるように着弾、だが貫通または負傷すら叶わずに甲高い音を立てて弾かれる。

 

当たり前だがあのスーツは防弾、もしかしたら防刃もあるかもしれないらしい。とにかくダメージは一切なく、構え直したと思えば今度はクリミナに向けて先ほどと同じ様に急に現れたと言わんばかりの速度で突撃、二度目とは言えその冗談じみた速度にクリミナは反応できなかったが、代わりにVectorが彼女の身体を引っ張り無理やり回避、見れば赤い霧が通ったと思われる箇所が焦げたような跡がついている。

 

もしVectorが居なかったが自分は間違いなく死んでいたと戦慄しつつ体を起こして礼を伝えれば

 

「後で良い、とにかく生き残ることを集中しなさい」

 

「ですわね……」

 

「ナデシコ、こいつの解析を急げ!!!」

 

どう攻めたものかと思考を巡らすよりも先にノアがシュトイアークリンゲを構えながらスラスターを点火、突進の隙きを完璧に突いた行動、だが赤い霧は次に繰り出したのは大剣ではなく、それを軸にした鋭い蹴りを放てば振り下ろさんとしていたノアのシュトイアークリンゲを丁度振り下ろされる寸前の位置でカンッ!!と蹴りと大剣がぶつかったとは思えない音が鳴り響く。

 

それをされれば力が開放される直前だったがために力の流れがおかしくなりノアの手からはシュトイアークリンゲは飛んでいって回転しながら地面に突き刺さる、そしてまだ怯んでいる彼女に向けてあの突撃小銃の銃口を向けた所で

 

「アタシ達を、忘れてもらっちゃ困るね!」

 

「アーキテクト、あまり攻めすぎるなお前じゃ……」

 

アーキテクトがガングニールの拳を握りしめて殴り掛かる、結果としてノアへの攻撃は中断させることは成功できたのだがそもそも忘れてはいけないのが彼女はクロスレンジはこの場の面々の中では一番低い、なので赤い霧は素人らしい突撃を噛ましてきた彼女に合わせるように銃を横薙ぎで払えば、加速した状態で避けることは叶わずに

 

「ぎゃあああああ!!!!」

 

「そうなるから下がってろと言ったのだがな……」

 

尚、受け身も取れずに壁まで転がり頭を打って暫く動けなくなる、向こうがそれを見逃すはずがなく、そしてその動きはゲーガーも予測しているので直様に接敵、赤い霧の大剣とゲーガーのアガートラムがぶつかり合い、そのまま剣戟が始まるがゲーガーですら赤い霧の力比べに若干苦い顔を晒す。

 

《こちらナデシコ、解析結果が……え?》

 

《何の冗談だよこれ、巫山戯んなよ、こんな事しておいて人類の守護とか世界の救済とか言ってるのかよアイツは!!!!》

 

漸く解析結果が出たようなのだがユノからは酷く動揺している声、そしてオモイカネからは怒りに任せたような叫び声に何が分かったのかとナガンが問い質すが返ってこない、その間にも数度目の剣戟でゲーガーを怯ませた赤い霧が銃口を彼女に向け、それを今度はノアが加速込みのヤクザキックを放ち、回避させることで阻止

 

《オモイカネ、怒り狂ってる暇があるならばFMG-9殿とヴァニラ殿に連絡して部屋のロックと防衛システムの無力化を急がせろ、AK-12殿は指揮官殿を落ち着かせろ、こちらウロボロス、解析結果を端的に報告するぞ、赤い霧の正体はレイラ・エストレーヤの遺体を使った人形兵器だ》

 

「っ!?クソが、何処まで命ってのを馬鹿にすりゃ気が済むんだよあのクソ野郎は!!!!!」

 

「そうか……ったく、何処をほっつき回っているかと思えばこんな所に居ったのか」

 

その報告を聞いてもナガンは冷静だった、周りは少なからず動揺、もしくはノアのように激情に身を任せるわけでもなく、ただ真実を受け入れて手間のかかる家出娘をやっと見つけたという感じに赤い霧を見つめる。

 

始めの一撃、踏み込み、そして報告が上がるまでの動き、その全てを見ていて彼女は何となしに勘付いていた。動きに懐かしいと感じるものがあったのかもしれない、もしくは仮面越しでも、何も発しない遺体だとしても雰囲気みたいなものを感じ取ったのかもしれない。

 

「だとすれば、納得じゃ。そして……ヨゼフ、聞いておるのじゃろ」

 

再度、絶対零度の声が部屋に響く、決して大きくない声だったはずなのだが誰の耳にも一言も漏れずに届くほどの威圧にも似た声、ナガンは冷静だったとは書いたが決して何も感じていないというわけではない。

 

一つ、彼女は憤怒している、一つ、彼女は悲しさも覚えている、一つ、彼女は……

 

「お主は、決定的なミスを犯した」

 

三度目の赤い霧のあの化け物じみた踏み込みでナガンの前に現れる、今度は周りに誰も居ない、だが無慈悲に放たれ、影にしか見えない速度の振り下ろしをナガンは目を開いたまま最小の動きで回避、続けて片手逆袈裟をこれまた最小限の後退で回避、ついさっきまでの苦戦していた回避ではないそれに周りも、そして

 

《……動きを読んでいるのか?》

 

「そうではない、アヤツの体を使ってるということはお主のことじゃ、どうせ過去の動きなどの再現させて戦闘をさせるようにしたのじゃろう、なれば儂にとってはこいつはもう敵ではないということじゃ」

 

剣撃、蹴り、銃を使った近接戦闘、その全てを余裕を持って回避をし続けるナガン、その目はとてもとても悲しい目をしていた、たった一つ、彼女の体から失われるだけでこうも

 

「酷く弱くなるものじゃな、力だけは称賛するほどに上がっておるというのに……」

 

《馬鹿な、たかが人形一人に何故こうも……!!》

 

「阿呆が、あやつの技を埋め込み、体を強化しようとも同じ様に、それ以上に強くなるはずなかろうて、心技体、その心が失われた攻撃なぞ、素人がやってる唯の猿真似じゃよ」

 

だからこそ、赤い霧の攻撃はナガンに届かなくなった。もし正体がハッキリしなければまた違ったのかもしれないが、分かってしまえばこんなものである。

 

何よりも目の前の敵を殺せというシステムなのか赤い霧は先程から回避を続けているナガンにしか攻撃を行わない、だからこそ

 

「ほれ、儂だけに構っててよいのか?」

 

「ここで復活ガングニール!!!」

 

なんとも場違いなテンションと共に現れたアーキテクトに反応できずに赤い霧の顔の側面をぶん殴られて金属の仮面が砕ければ現れたのは死体と同じくらいに真っ白な肌と、何も写していない目だった。




心があったのならばナガンも苦戦したかもしれない、だけど無いのならば彼女の眼には見慣れた唯の攻撃であり、しかもそれはレイラがまだ生きてた頃に行った組手の時以下、ならば彼女に避けれない訳がないのである。

所でネーヒストちゃんはどうしたんやろなぁ?
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