それいけポンコツ指揮官とM1895おばあちゃん!!   作:焔薙

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コラボ作戦後の後日談的なノリ


キャロルと57

スミス救出作戦はキャロル達にも目立った負傷もなく無事に終え、迎えに来ていたヒポグリフで帰還、機内から出て面々を迎えたのは現在の副官であるFive-Seven、それとナガンの二人、キャロルはオートスコアラーとアーキテクト、ゲーガーに解散を告げてから執務室にて事の顛末を話していく

 

「うむ、ともかくご苦労さまじゃ、でどうだった、この体制になってからの初の大規模任務は」

 

「あれだけの戦力が集まっていたのだ、問題にもならん……奴が最後にやらかしてくれなければな」

 

「ユノちゃんの秘密を思いっきりバラされちゃったわね、今は貴女の指示通り暗部を使ってあの場に居た面々『以外』の観戦者が居なかったかの調査をしてもらってるわ」

 

Five-Sevenの言葉通り、コレクターと名乗ったハイエンドモデルは作戦最後、アーキテクトを挑発するためにユノがクローンであるという今日まで機密として扱っていたことを暴露、一応作戦に参加していた面々には事情説明を箝口令を引いてもらったのだが問題は別にあった。

 

あれだけの大規模戦闘となれば注目を集めないわけがない、ともすれば奴のあの暴露を傍受やら何やらで拾っていた輩がいるかも知れない、そう考えたキャロルは即座にP基地の暗部に指示を飛ばじていた、のだが

 

「まぁ杞憂で終わると思うがな」

 

「呵々、そもそもにして今更この機密が流れたところでカードにすらならぬよ、じゃがお主の考えも分からなくはないからがな」

 

「すまない祖母上、引退したというのに引っ張ってしまって」

 

「暇を持て余していいるのじゃ、それに引退はしたが表からだけであって暗部まで降りるとは言っておらぬからな、孫を守る為にならばこの程度は問題にもなるまいて」

 

では残りを片付けてくるとナガンは退出、残りとは言っていたが恐らくはFMG-9などに指示を出してから緊急が起きた時以外は基地を散歩しつつルキアとクリスの様子を見たりと自由に過ごすのだろう。

 

そんな彼女を見送ってからふぅと息を吐きつつユノから譲り受けた執務室の指揮官の席に背中を預けたタイミングでFive-Sevenからそっとコーヒーが差し出される

 

「ん、すまない」

 

「ふふ、珍しくお疲れのようねキャロル……あぁ、指揮官って呼んだほうが良いかしら?」

 

「別に構わん、ただ外では注意してくれ」

 

当たり前のように自分に合わせられた甘さのコーヒーを飲みながらそう告げる、キャロルとしてはまだFive-Sevenに限らず【指揮官】と呼ばれるのに慣れておらず、呼ばれると反応出来ないとかがまだあったりする。

 

更に追加するとすれば正式に指揮官となったことで増えた業務にもまだ少し慣れていなかったりする、と言うよりも

 

(ユノと祖母上はこれを常に捌いていたのか……)

 

確かに処理はできない量ではないのだがあの二人はこれを毎日涼しい顔をして一日で終わらせ、交流をしていた。そう考えると今は教師になるための勉強と子供の育児をしている彼女は伊達や酔狂で指揮官をしていたというわけではなかった、これは少し見る目を変えなければならないかもなと考えているとふと肩に手が置かれる。

 

何だと視線を動かせばそこにはFive-Sevenの姿、彼女はそれから何度か手を動かしてから

 

「久し振りの肉体動労でちょっと硬くなってるわね」

 

「そうか?その辺りの感覚は疎くてな、それがどうした?」

 

「後でマッサージでもしてあげようかとね。貴女の体は少し特別なことを考えると戦闘に出たら今後はマッサージは大事かなって思って」

 

彼女の言葉に考える、このうさぎに限れば言葉通りに捉えるのは少々危険な気がするのだが彼女の腕は確かなのは一度受けているので分かっているし、マッサージ師をしていたという経験からくる言葉は間違いではないと思われる。

 

確かに自分の体は死体をベースにしているということも考えれば、この手の所謂メンテナンスとも言える処置は必要だろう、となれば

 

「では後で頼めるか?指揮官となった以上、変に不調なども出したくない」

 

「ご命令とあらば、それにしてもなんだか可愛げのない服よね、グリフィンの制服って」

 

「制服というものに大体こういうものではないのか?」

 

また、ジャージでは何かと文句は言われ着せかえ人形にされるが制服に着替えておけばそれをされることもないと考えればキャロルにしてみれば非常に助かる話である、慣れたとも諦めたとも言っても毎回のように着せ替え人形にされるのはキツイのである。

 

がFive-Sevenからしてみれば非常に面白くない、しかも今後は無闇に抱きかかえるのは止めろと釘も刺されてしまい、もっと面白くない。確かに指揮官になり、まだ日数も経っていないというのに副官が指揮官を抱えて動いてましたとか言う噂が立ってしまえば彼女に威厳もへったくれも無くなってしまう、今それを起こすのはよろしくはない。

 

「ん、なんだ?」

 

「いいえ~、なんだかキャロルがちょっとしっかりしちゃったなぁと思ってるだけよ」

 

「当然だろう、今の俺はこの基地を束ねる立ち位置だ、少し前みたいに自由に過ごせる訳ではないのだ、ユノとて同じだっただろうに」

 

「あの娘は、ゆる~くありながらも指揮官してたじゃないの」

 

ならばそれがあいつの才能だと告げてから書類整理を進めていく、Five-Sevenもそれ以上は何も言わずにとりあえずマッサージできるだけでも良いかと思いつつ自身の作業を進めていく、とは言ってもキャロルが纏めるのは今回の作戦の報告書、Five-Sevenの方もついさっきまではナガンが手伝いに入っていたので正直な話、苦でもなんでも無いのであっさりと仕事は終わりを告げる。

 

という訳でも業務終了、苦ではなかったとは言えそれでも書類仕事は疲れるものでありグッと伸びをしつつ

 

「お疲れ様、キャロル」

 

「あぁ……あとは今回のことが余計なものを引き寄せなかったことを祈るだけか」

 

「そうね~、それにしてもフェアリーリリース作戦の時は一時的とは言え協力してくれた鉄血もまだ敵対してくるのね」

 

「エルダーブレインもまだ完璧に戦いを止めたというわけではないからな……まだ少しはあるだろうさ」

 

呉越同舟、あの時はそれだったのだろうと纏めてからキャロルは夕食のために席から立ち上がり、Five-Sevenも続くように立ったところでキャロルが彼女の前で止まる、何かあったのかと聞こうとした彼女よりも前に振り向かずにキャロルから

 

「……外ではやるな、だが基地の中くらいなら貴様の自由にさせてやるそれに俺が楽できるからな

 

「え、あ、あらあら、ふふ、えぇ、ご命令というのならば喜んで!」

 

よいしょと抱き抱えてニッコニコ笑顔のまま歩き出すFive-Sevenとそんな彼女に苦笑を浮かべるキャロルの二人はそのまま食堂に向かい夕食を楽しむのであった。

 

最後にだがその日のマッサージはいつぞやと同じ様に受けてる途中でキャロルが寝落ち、だが状況が違い

 

(膝、膝枕!!!ああ、どうしよう、柔らかい!!!!)

 

Five-Sevenのゲージ、九割九分まで溜まった模様。




お仕事の時間が一時的に変わって朝書いてるのですが頭が回らないンゴ(白目)

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