それいけポンコツ指揮官とM1895おばあちゃん!! 作:鮪薙
早朝、ここは【ガーデン】の住宅街エリアにある一つの家、その一室に今日の物語の主役はベッドで安らかな寝息を立てて眠っていた。首辺りで切り揃えられている綺麗な金髪、人形のように整っていながらまだ幼さを感じる顔、発展途上でありながらも将来がある意味で有望な体の少女はどうやら寝相はそこまで良いというわけではないらしく掛け布団から若干体が飛び出している体勢で眠っている。
が、ベッド側に置いてある目覚まし時計の針が5時半を指し、けたたましいあの音の始まりを鳴らしたとほぼ同時にパンッ!!と時計頭部にあるスイッチが押されほぼ未遂で終わることとなった。誰が?勿論この部屋には一人で居ないのだから彼女しかありえないだろう、その少女はガバっと勢い良く頭を上げてから体を起こして自身で止めた目覚まし時計を手に持って
「にしし、今日も時間ぴったりだね!」
朝早くに起きたというのに眠気というものが一切なく、親譲りの太陽のような笑顔をしながらそう告げる少女が今日の主役、名を【ルキア・ヴァルター】これはそんな彼女のとある日の一日を描いたものである。
ルキアは起きてから直ぐにベッドから降りて自室から出て階段を降りて居間に繋がり扉を開ければ出迎えるのは彼女からすれば見慣れた純白の三編みに伊達メガネスタイルの女性、【ユノ・ヴァルター】はルキアに気づけばニッコリと笑みを浮かべて
「おはようルキア、今日も時間通りだね~」
「おはようお母さん!!勿論、だって修行は欠かせないから!」
「そっか、じゃあロペラさんが迎えに来る前に顔を洗って身だしなみを整えてからうーん、修行かぁ」
ルキアの言葉に何時もと変わらない笑みでそう告げればルキアは元気よく挨拶をし洗面所に向かい、それを確認したユノが小さくそう呟く、勿論ながら別に反対だとかそういうことはない、むしろ自分もそういう時期があったので人のことをとやかく言えないというのもあるし、子供たちがしたいということをよほど危ないというものでなければさせてあげたいという気持ちがあるからだ。
ともかく彼女はどんな日でも、それこそ学校があろうがなかろうがこの時間に決まって起きるのだがその理由が修行である、それを始めた理由はきちんと存在するのだが語るには長くなってしまうので割愛しておこう、しかも彼女はこの修業を決してお遊びとかではなく割と本気で挑んでいる為、実を言うとその華奢で見た目からは油断ならない実力を持ち始めているとか何とか。まぁこれは余談なので置いておくとしてルキアは洗面所で顔などを洗い、部屋に戻って動きやすい服装に着替えてから居間に戻ってきたタイミングでインターホンが鳴れば
「ルキアちゃーん、迎えに来ましたよー!」
「ロペラさんだ!!!」
ルキアが飛び出し、ユノが後を追って玄関を開ければそこに居たのは特徴的な癖っ毛の女性【ロペラ】が、互いに挨拶を交わしてからユノがお願いしますと頭を下げればロペラも任せてくださいと答え、二人は早朝の街へと先ずはジョギングを始める。
まだまだ朝早い時間の街は程よく静かでありあるのは店開きの準備をする人々と同じ様にジョギングをしている人々がチラホラと見受けられる位の大通りを二人は走っているのだが毎日のように行っていれば自然と見慣れた光景となり道行く人々に声を掛けられることが多くなっている。
それらにもキチンと返しながらジョギングを終えた二人が次に向かったのはロペラとその相方とも言える存在【フトゥーロ】が経営している孤児院【レイディアントガーデン】の庭、そこで行うのは護身術、もとい武術の特訓、なのだが
「そう、その調子!毎度言ってるけど稲妻を喰らい……」
「雷を握り潰す様に!!」
「何度聴いても分からない……」
恐らくは十人に聴いても半分以上は首を傾げるような事を言いながら、だがやってることは絶賛隠居生活のナガンに言わせるとしっかりしているという二人の特訓を見つめるのはリボンが特徴的な黒髪の女性【フトゥーロ】である、なお彼女的にはルキアは小さいロペラという認識で可愛がっていたりする。
時間にしてだいたい一時間とちょっと、7時位に特訓は終え一旦帰宅すれば出迎えたのは13年経とうと変わらずの服装である【クリミナ・ヴァルター】
「ただいま!」
「おかえりなさいルキア、もうすぐ朝食ができますので先ずはシャワーを浴びましょうか」
「うん、あっと、おはようお父さん!」
「ふふ、ですがその、クリスみたいにあたくしもお母さんでもよろしいのですわよ?」
「え、でも57さんはお父さんって呼んだほうが良いって言ってたよ?」
そんなやり取りをしつつクリミナは日課である朝のシャワー、ルキアは修行での汗や汚れを流してから居間に向かえば出来上がった料理を並べているユノ、そして遅れるように入ってきたのは
「んにゃ~、おはよう」
「おはようございます、あ、手伝う」
「あれ、アニス達がまだ起きてないけど……」
ルピナス、ステアー、シャフトの3人、因みに言うが別に彼女たちが遅いというわけではない、どういう訳かルキアやクリスが妙に早いと言うだけである、更に言えばシャフトが言ったようにアニス達に至っては朝食が並び終える寸前くらいに揃ってぞろぞろと起きてくるのでヴァルター家の食卓は常に大人数になっている。
だからなのか、ナガンは基本的にノアの家の方で朝食は食べることが多い、そしてなぜか転送装置を使ってまで現れるウロボロスも居るらしいがこれもまた別の機会にしよう、ともかくヴァルター家の朝食というのは賑やかである、それはもうレイディアントガーデンと負けないくらいに賑やかである。
「それにしてもルキアは頑張るね~、流石に休みでもその時間に起きてはキツイわ」
「ルピナスは、夜更しが悪いんじゃ……」
「私も最近は出来てない、やった方が良いかな」
「えへへ、でも体を作ることは大事だってペーシャ先生も言ってたから!」
このことを後日P基地のPPSh-41に話したところ、あまりの力の入れように若干苦笑してたとか、だがその成果が着実に現れているのか学校でも男子に混じって遊んでいたりしている、寧ろ男子すら振り回す勢いすらありながら女子にも混ざって遊んでいたりするので、ルキアという少女はクラスの人気者であり、それでいて嫉妬などはされない爽やかさのような物があるらしく、みんなが友達と言う形になっている、が彼女の中では一番の親友は今の所【クリス・エストレーヤ】、やはりと言うべきか幼馴染であるのが大きいらしい
「クリスちゃん!!」
「おはようルキア、今日もレイディアントガーデン?」
「うん、多分【アウローラ】ちゃんとか【ルーナ】ちゃんとかも来ると思うからみんなで遊ぼう!」
「じゃあ行こうか、行ってきますノアママ、クフェアママ」
「おう、怪我とか気をつけろよ?」
「あまり遅くならないようにね」
こうしてレイディアントガーデンに向かえば、元気に皆を巻き込み遊び、お昼を食べてまた遊び、夕食前には帰って、家族の時間を楽しんでからノアの家族とともに夕食を食べて、就寝する。これがルキアの一日であり、世界が平和になったということがよく分かる日々である。
だがそれはそれとしてとその日の話をルキア本人から聴いたナガンは夜中、ペルシカと一杯呑んでる時に語る
「にしてもじゃ」
「どうしたんだい、ナガン」
「ルキアのやつ、いや、クリスもじゃが、このまま異性との付き合いがない=年齢とかにはならぬよな?」
「流石にその心配はまだ早いんじゃないかなぁ……」
そうかのぉ、そんな心配性な老婆の呟きが部屋に小さく響くのであった。
とりあえず、チマチマとこんな感じに未来のお話も書いていきたいね、今度は何時になるかはわからないけどクリスちゃん視点かね~
因みに【アウローラ】は暁、【ルーナ】は月って意味だぞ、特に何かがあるわけじゃないけど。