それいけポンコツ指揮官とM1895おばあちゃん!!   作:焔薙

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白黒モンブラン様の作品『Devils front line』とのコラボですよ!!

向こうはゲーム感覚らしいけどここは戦場だからね、卑怯とは言うまいな


追跡者迎撃戦

「こちらシンデレラ、ターゲットはナデシコの予測ルートを進軍中」

 

S地区のとある地点、幾つかある廃墟となった建物の屋上からアナがナデシコへと通信をしつつ、その視線は外へと向けられている。

 

彼女が見る視線の先、そこには重装備の総勢50にも及ぶ鉄血のハイエンドモデルの集団が進軍している光景、目的地はほぼ間違いなくP基地、だがこれは今日突如として始まったことではない、事の始まりは一週間前、グリフィンの基地へと無差別に行われた宣戦布告だった。

 

その内容は要約すると追跡者(チェイサー)と名乗るハイエンドモデルが一週間後に同時に幾つものグリフィン基地へと攻撃を仕掛ける、という内容、だがこれにはキャロルも

 

《明らかに別の狙いがあるのだろうな》

 

「でしょうね、向こうもナデシコの存在は知っている筈、だと言うのに真正面から策を講じずに来たというのは不審以外の何物でもありません」

 

《つかよ、相手の待機場所がわかってんなら一週間前に襲撃しちまえばよかったじゃねぇか》

 

高高度から待機中のノアからの言葉にアナもそれは考えていたのだがそれを行わなかったということは何かしらの考えがあるのだろうと思っているとキャロルはそれも確かにそうだがなと前置きをしてから

 

《奴は今回の宣戦布告をゲームとも告げていた。とすれば先んじて仕掛ける、所謂ルール違反とも言えることをした場合、何が起きるかが不明瞭だ。もしこれで相手が混乱でもしてくれれば御の字だが、逆に逆鱗に触れたとすれば》

 

「寧ろ自分達を不利にしてしまうかもしれない、と?」

 

《その通りだ。故に少々癪だがある程度はルールに従うべきだと判断した、だが》

 

言葉を一度と切った彼女は自身の目の前のモニターに視線を送る、一週間という期間の間に彼女たちは何もしなかったわけではない、寧ろそれを大いに有効に使わせてもらった。

 

まず初めに進行ルートを念入りに予測、ほぼ確定だと思われる地点を割り出して待ち伏せの陣形を練り、更に敵の数を確認後はそこに罠を設置、とつまりは

 

《動き出したというのならばここからは仕掛けてもルール違反にはなるまい、そこを突かせてもらうぞ》

 

《それに基地に接敵させたらマズイ気がするしね、だから迎撃に4部隊だけにしたんだろ?》

 

オモイカネの言う通り、今回の迎撃戦には4部隊、ただしその内約はランページゴースト、ヤークトフント、エアレーズング、更に引退したナガンから引き継ぎを受けたジェリコが率いる【新生第一部隊】の4つである。

 

相手の人数から考えるとダミー含めても不利だと思われそうだがその為の罠なので問題ない、そしてキャロルが警戒したのはあの大部隊がブラフだったらという考え、そして本命がP基地を強襲するのではないかと

 

《ナデシコの眼を掻い潜れるあの装備はあのイントゥルーダーだから作れたのかもしれないが他が出来ないという保証はないからな……まぁ心配し過ぎかもしれないが》

 

「いえ、指揮官ならばそこまで考えたほうが良いかと……そろそろですね、皆さん、配置には着いてますね」

 

《こちらヤークトリーダー、待機完了》

 

《エアレーズングも同じく、何時でも構いません》

 

《第一部隊、何時でも》

 

それぞれの通信を聴いてから、ふとなんで自分が仕切っているんだと我に返る、こういうのは部隊長であるノアの筈なのだがと思いながら、まぁ彼女は今は空の上だから仕方がないかと納得してから忘れてはいけない最後の仲間、実を言うとアナは先程からその存在の側に居る彼(?)に

 

「さて、ラーニョもそろそろ動きますからね」

 

【やっとかい?待ちくたびれたよ~】

 

《マキシマム、準備オッケー!》

 

《イチイバル、暇で仕方がねぇ、さっさと始めようぜ、機甲部隊、お前達も大丈夫だな!》

 

《勿論ですわ~》

 

何だかんだでノアもこうやって自発的に確認の通信を送るので少しは成長しているようで良かったと思いながら双眼鏡で追跡者(チェイサー)、とは言ってもあの軍勢は全てダミーだが、それを動きを監視、そして軍勢が罠が貼ってある地点の丁度中心を差し掛かったと同時に

 

「『群れは狼の巣穴に迷い込んだ』」

 

《よしきた!今回のために用意した特注品、遠慮なく受け取って吹き飛んじまえ!!》

 

アナから来た合図の言葉を聞けばナデシコ内のオモイカネがテンションフルマックスで宣言と同時に端末を操作すればダミーの軍勢の地面から何かが複数ほど勢いよく飛び出す。

 

それは丸かった、それは赤かった、それは顔のような部分があった、それは見る人が見れば嫌な記憶が蘇りそうな存在だった……そうご存知【ゴリアテPlus】である、そしてゴリアテということは勿論ながらあの特性もある。此処まで書けばキャロル達が貼った罠が、そして4部隊でどうにかなると断言した理由は分かるだろう。

 

飛び出した次の瞬間、全てのゴリアテが炸裂、その一角を大気を、地面を、空間を揺るがす程の爆発が襲った、舞う土煙、だがその場に居る全員が今ので終わりだと言う甘い考えはしていない、だからこそ警戒しつつナデシコからの通信を待てば

 

《こちらナデシコ、敵は残存、だがその殆どが残党と言えるレベルだ、機甲部隊、イチイバル、座標を送る薙ぎ払え!》

 

「こんな格言がありますわ、『シンプルとは洗練の極み。』待ち伏せという作戦は使い古されていますが、だからこその信頼性がありますわね、主砲、放て」

 

「イタリアの芸術家、レオナルド・ダ・ヴィンチの言葉ですね、照準合わせ……フー!」

 

「持ってけ、全部だ!!!」

 

土煙が晴れるまで待つ、などという行儀の良いことをするわけがないとばかりにその地点に待機場所から現れたL85が車長を務めるエイブラムスと空からはノアによる更に降り注ぐ砲弾とミサイルとバルカンの弾幕。オーバーキルとはまさにこの事かとRFBが思いながらこれじゃ出番はないかなぁとか呑気なことを考え始めたとき、イングラムがボソリと呟いた。

 

「……まだよ」

 

「まだ?まさか、これを耐えきった個体が?」

 

《待て、総員警戒!!何か大きな反応が出来つつある!》

 

「悪足掻きってか、うざってぇんだよ!!」

 

キャロルの声に全員が土煙に視線を向ける。そこには影が出来ていた、ゴリアテと追撃によってバラバラになった筈の人形たちが折り重なるように、塊になるように、聞くに耐えない鈍い音を立てて形を作っている。

 

その状況で動いたのはノアだった、彼女は即座に高度を下げて両手に生成した20mmバルカン砲を斉射、だがそれらは甲高い音と共に何かに防がれ、それと同時に土煙が晴れれば

 

「んだよ、コイツ」

 

《なるほど、向こうの狙いはそもそもにして撃破されることだったということか》

 

醜悪なる巨人が彼女たちを認識すれば咆哮を上げるように右腕の武装が唸りを上げた。




Q 数が多い相手はどう相手するの?

A これがこの基地の答えや(爆発)

とか言ってたら巨大化ですよ!!ラーニョ連れてきた意味が一気に薄れたな!!(ヤークトフントとエアレーズングも同じである)

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