それいけポンコツ指揮官とM1895おばあちゃん!!   作:焔薙

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最後までゴリアテが大活躍である。

※前回のコラボの続きだよ


ジャイアント・キリング

RFBに余裕があれば彼女はこう言っただろう、第二形態で巨大化とかゲームかよ!とだがこれは現実であり、その名も知らぬ集合体の巨人は右のチェーンソーを幾つも纏めたその武器を振るい、左ではガトリングガンを幾重にも纏めたそれから放たれる弾幕は戦場にいる彼女たちに留まることを決して許さない。

 

更に並の攻撃では集合体となったその体を撃ち抜けず、ダメージになりうるランページゴーストとスナイパー組の攻撃は周囲に浮遊する大盾によって阻まれ通らない、ならばとアナがシューティングスターのブーストを活かしアメノハバキリで斬らんと接敵すれば、高速で飛ばされる大盾でそれも出来ない

 

「チッ、やりにくいったらありゃしねぇ!」

 

「せめてゲーガーのアガートラーム、いえ、火力装備のアーキテクトでも居れば話は変わったのでしょうけど、隊長!!」

 

「っ!!」

 

ノアとアナが同時にスラスターを吹かし回避行動を取ればその地点を落雷と氷の槍が襲う、どういう原理化は此処の居る面々にもナデシコにいるキャロル達にも皆目検討も付かないが雷、炎、氷での攻撃も行ってくるのも彼女たちが攻めあぐねる原因の一つになっている。

 

幸いにしてその3種の攻撃は予備動作があり、しかも多彩なと言う訳ではない。氷は槍、炎は火炎放射、雷は落雷、それぞれが決まった攻撃でしか行わない、現状はそうという訳で他もできるかもしれないが、ともかくまだ回避が容易なのが助かりというところだろう。だがしかし相手の攻撃を避けてもこちらの攻撃が通らなくてはジリ貧である、それをどうにかしたいのだが

 

「通ったって、そうだよな、あれだけ非常識なことしてるなら再生だってそりゃするよな!」

 

《再生持ちとなると一撃が大きいのが好ましいが……オモイカネ、ゴリアテはまだ残ってるか?》

 

《さっきので全部使っちゃったよ、ん?いや、待って、まだ反応が残ってる》

 

どうやらオモイカネが何かを発見したらしくそれの解析を始めるのだがその間にも巨人の攻撃は止まらない、特にランページゴーストならまだしも他の小隊にとってはどれも回避すら油断すれば命取りになるという攻撃に第一部隊の古参の一人であるFAL達も苦しい顔をする場面がチラホラと見受けられてしまう。

 

その様子に小隊長であるジェリコは動き回りながら時たま、射撃を行いつつこの戦場で一番の機動力を誇っているランページゴーストに指示を飛ばす

 

「ランページゴースト、もっと撹乱できないか!」

 

「私が前に出る!制限解除、行くぞ!!!」

 

刹那、RFBが身に纏うハイパーマキシマムムテキドールスーツが輝きを放ち通常でも高かった機動力が更に上昇、そのまま内蔵武器で攻撃を開始して巨人の注意を自分へと逸らさせる。流石にチェーンソーは防げはしないがガトリングガン、それと物理的なものであれば氷の槍も防げ、MSFとの共同作戦の際の怪物の素材と報酬の鉱石を使った改良によって炎と雷も無効化、つまりは彼女はこの巨人を相手取るには非常に有利だったりする。

 

が、火力が足りない、とそこでナデシコが解析が終わったらしく

 

《よく聞け、どうやら奴は合体した際に不発だったゴリアテを3つ、その体に取り込んでいるらしい》

 

「ゴリアテを!?いや、そうかだったら」

 

《なんとかそれをぶち抜ければ内部でドカン!ただ再生持ちだってことを考えるとほぼ同時が条件だね》

 

まさかの要望に簡単に言ってくれるとノアが言うが、実際そうでもしなければ再生され、そうなれば今度こそ打つ手がなくなってしまう事態になってしまう。しかもゴリアテが存在するのは巨人のそれなりに深いところ、それだけの貫通力があるとすればノアも可能だがもっと確実なのはRFである、第一部隊のWA2000、ヤークトフントのM21、エアレーズングのカラビーナの3人、確かに彼女たちの腕ならば問題なく撃ち抜けるだろう。

 

だが問題はまだある、ゴリアテの2つは比較的狙いやすい正面なのだが残り一つが背面、この攻撃を躱しながら背面に回り込み、更に大盾の隙間を縫ってゴリアテに当てる、それだけのことをしなければならない。

 

「カラビーナ、M21、正面は任せたわよ。私が背面のゴリアテを撃つ!」

 

《出来るか?》

 

「馬鹿ね、伊達や酔狂で今日まで主力で働いてないわよ、それでいいわねジェリコ」

 

「チャンスは一度、確実に遂行しなさい。ランページゴースト、大盾をなんとか貼り付けに出来ませんか!!」

 

問いかけにWA2000が力強く頷くのを見ればジェリコは即座に三人が狙撃しやすいようになるための行動と指示を始める、此処までの戦闘で大盾は自身にダメージを与えそうなものに対して防御を行う、無論それで全てを貼り付けに出来るというわけでは無いが数は確かに減る。

 

減ればそれだけ狙撃が容易になる、ノア達は彼女からの指示に即座に答えて攻撃を開始、巨人も更に過激になった攻撃に大盾を防御形態に移行させて攻撃を防ぎつつも隙間からガトリングガンを掃射で反撃を繰り出す。その間にカラビーナとM21は所定位置まで動き、彼女たちを守るようにRFBとUSAS、それと義手の輻射波動機構が改良され防御も可能になった79式が展開、そして最後のWA2000はと言うと

 

「ラーニョ、乗るから飛んで!」

 

【あいさ!ってあれ、ポッドの方じゃないの?】

 

「いいから!!」

 

【わ、分かったけどしっかり捕まっててよ!!】

 

ボディ部分に乗られて若干動揺しながらも射出機構から液体ワイヤーを打ち出して行動を開始、巨人を回り込むように跳んでいくのだがその動きを察知したのか巨人から氷の槍、そして雷が放たれる。

 

【おわわわわ!!あ、危なかった~】

 

「もう少し、ラーニョ!大盾に向けてワイヤーを、そのままスイングバイの要領で回れる!?」

 

【勿論、お安い御用さ!!】

 

それらを紙一重で回避しながらラーニョはWA2000からの指示通りの軌道で回り込むのだがそのワイヤーに向けて落雷が落ちてしまう、ヤバっとラーニョが慌てるような声を上げるがWA2000は冷静に、そして運が悪いと少しだけ舌打ちをしてから立ち上がり、足に力を入れつつ通信で二人に向けて

 

「カラビーナ、M21、3カウント!!!」

 

「了解しましたわ、しくじらないで下さいませ?」

 

「頼んだよWA2000、さて、そんな隙間だらけの防御で良いとか、笑っちゃうよね!」

 

スリー、WA2000は途中だったとは言えラーニョのボディ部分からスイングバイによって生じた遠心力を利用して巨人の背面に向けて跳ぶ。

 

ツー、そのまま体を射撃体勢に、愛銃を構えて意識を集中させる。

 

ワン、巨人はまだ動かない、いや、ノアとアナによる攻撃でそれどころではないのだろう、好都合だと照準を合わせ銃爪に指をかけて……

 

「ゼロ、一発もあれば十分よ」

 

「これで!」

 

「お終いってね!!」

 

一糸狂わぬ銃声が3つ同時に戦場を奏で、次の瞬間、巨人を大きな爆発が襲う。内部からの膨大な爆発に耐えられるわけもなく弾け跳ぶ巨体、その様子をWA2000は目視しながら、スタッと着地をしてから

 

「……まさかまだ動くとか言わないでしょうね?」

 

《いや、反応が完全に消えている、作戦は完了だ。しかしまぁ、あの体勢で撃ち抜くとはな》

 

キャロルからの言葉にWA2000は特に表情も変えずにただこう答える。

 

「言わなかったかしら、私は殺しの為に生まれてきたのよ?」

 

「でもオメェ、明らかにそれ以外も得意だよな?」

 

空からのノアの言葉にWA2000は軽く肩を竦める、自分でもその部分は自覚しているところがあるので反論ができないと言うだけなのだが。

 

ともかく、迎撃戦は無事に終えた。だがノア達は思う、これまだ終わってないのではないかと、一度はS10前線基地との共同作戦で悪魔と言う存在と戦った事があるからだろう、そう感じながらも彼女たちは一度基地へと帰投するのであった。




人数出した割には書き出した人物少ない、少なくない?まま、エアロ!(開き直り

ともかくこっちの迎撃戦はこれにて終了、あとは向こうから何かあったらランページゴーストを派遣するかなぁって感じです、はい。

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