それいけポンコツ指揮官とM1895おばあちゃん!! 作:焔薙
やっぱりこの基地が一番落ち着くのよねぇ、なんてことを考えながら朝の基地を散歩しているのはAR小隊の
フェアリーリリース作戦後、ネーヒストの指示の下、彼女たちの妹が操る衛星兵器【ゲイボルグ】が行った重度汚染地域への照射攻撃、その被害調査やアンジェリカの護衛を反逆小隊と行ったりという任務が彼女たちに下されることが多くなり、こうしてのんびりとP基地で過ごせるのは久しぶりだったりする。
「指揮官……じゃなかったわねもう、なんて呼ぶべきなのかしら、とりあえず指揮官補佐って呼べば良いのかしらね」
「別にユノでいいんじゃないの~?」
隣で声をかけるのは同じく散歩に付き合っているSOPの言葉にAR-15はそんなすぐに呼ばるわけ無いでしょうがと思いながらも、いずれはそう呼んだほうがあの娘も喜ぶのだろうかと考える。
元々が硬いものを嫌うユノ、ともすれば名前で友達のように読んであげればそれは喜ぶだろう、だけど今の今まで指揮官として接してい身としては急に気軽に変えろというのは中々に難しい問題だとも感じる話である(本人並感)、ならばだんだんと慣れていくしか無いか、そんな事を思いながら散歩をしている彼女たちの前から複数人がジョギングしながら近寄ってきた。
勿論ながら邪魔にならないようにと道を開けつつも誰が来たのかと見てみれば、ジョギングをしていたのはシャフト、ステアー、ルピナス、そしてその付添だと思われるのだがユノの姿、彼女たちはAR-15とSOPに気づくとそれぞれが
「おはよ、二人共」
「おはよう、ございます」
「おはよう!って足止めない、ゴーゴー!!」
「あはは、張り切ってるね~、じゃあごめん二人共、もうちょっと走ってるね」
そう挨拶をしてから速度を落とさずにジョギングのために去っていくのをSOPを両手を振って見送り、それから歩き出そうとした時、AR-15が動かないなと振り向き、それから悟ったような、それでいて優しいほほ笑みを浮かべSOPはただ一言
「……そっか、また死んだんだね」
彼女は、AR-15はとても絵になるような爽やかな笑みを浮かべたまま微動だにしてなかった、それも無理はない、今しがた通り過ぎていったヴァルター家の娘と奥様の姿はお揃いのかの国の学校にて着用されていたと呼ばれる体操着、しかも【ブルマ姿】だったそれを見てしまったAR-15はその姿を見れて心の底から後悔が無い、という表情の彼女にSOPはそれ以上何も言えずにそっとしてあげようと思わせAR-15はそこに放置され、その数分後に久しぶりにのんびり出来ると歩いていたM4によって土葬されそうになり、その寸前で復活、揉め事になるのはまぁ余談だろう。
そんな事が起きてるとは露知らずのヴァルター一家はと言うとジョギングを終えて今は基地内の訓練場にてシャフトは日課のボクシング、ルピナスとステアーは互いにクロスレンジの特訓、ユノは本当に久しぶりの中国武術の練習に励んでいた。では今は誰がルキアのことをと思われそうだがその場にはルキアを抱えたクリミナが居り彼女をあやしながら久しぶりに思いっきり体を動かして楽しそうなユノを見つめていた。
「よいしょ!!」
「おっと、結構期間が空いてたから鈍ってるかと思ったけど結構動けるねぇユノちゃん!」
97式のお褒めの言葉に笑みを浮かべ更に攻めを続けるユノ、直ぐ側ではSPASを相手に実戦に近い形のミット打ちを行っているシャフトが居るのだがその成長は凄まじく始めた頃の気合だけで腰が入っていなかったストレートは今や見る影もなく、ミットに向けて振り抜けばバンッ!と爽快な音を立て、その威力にSPASは満足だという表情を浮かべてから
「いいよ~、だけどまだ露骨に狙いすぎ、少しは絡めを覚えないと、それ!」
「んにゃ!?」
「さぁ、今の反省点を即座に見つけて打ち込んでみて!」
彼女の指摘通り、今までのシャフトの攻撃は大ぶりとタメがよく見られカウンターが取りやすいというものだった、なので一度そこを突くことで彼女に反省点を生ませてそこを直しながらではどうすればいいかを考えさせる、シャフトもそれを理解しているから一度頷いてから構えてミット打ちを再開。
「今日のプリンは……」
「私が貰う!」
ではルピナスとステアーはと言うとこちらは殆ど実戦と同じ様に戦いを繰り広げていた、勿論ながら怪我はしないようにと最善の注意を払ってはいるが、ルピナスはそのブルマ姿のどこに隠していたのだという模擬戦用ナイフを何本も取り出し、ステアーはただ静かにそれらをいなしながら【ベクター直伝】の暗殺術を組み込んだ格闘術で応戦、ほか二人と比べると異次元なレベルになっているそれを眺めるクリミナは隣りにいるG36に
「なんと言いましょうか、娘たちとユノが段々と逞しくなり始めてて嬉しい反面、あたくしも何かしら得たほうが良いのかと焦りを感じてしまいますわね」
「ですがクリミナ様も総合的に見れば十分だと思いますし、お嬢様達の柱は貴方様しか居られませんので大丈夫ですよ」
「だぁ、あぶっ」
「ふふ、そうですわね、弱気になってはいけませんわよね」
なお、ルキアの反応は励ましたと言うよりも四方八方から聞き慣れない音がするので好奇心が生まれての反応だった模様。さて、此処でおさらいをしたいのだが運動しているヴァルター家の娘組と奥様であるユノの今の姿は体操着(ブルマ)姿である、なのでこの様に動き回ればチラッと見えるお臍辺りの所謂チラリズムと言うものが発生するというもの。
何が言いたいのかと言うと、早い話がAR-15とRO635が現れるということである
「おかしい、なぜ私は訓練場に着て早々にショーティとM4の監視が付くことになるのかしらね」
「不思議ですね、私も同じなんですよ」
「いや、私も知らないけどM4が絶対に目を離すなって」
「当然の処置では?」
「酷くない?ねぇ、あれ、私いつの間にかに信頼度なくなってたの?別に私は何も考えてないし、ちょっと彼女たちの訓練に付き合ってあげようかなとか思っただけ、待ってなんで手錠が出てくるの、不当逮捕って言葉知ってる?」
「直感で手錠を掛けろって声が聞こえた気がして」
「やーい、そんなこと言っても邪な心は見透かされてるんですってM4?なんで真顔で私を見てるんですか?」
「……訓練なら幾らでも付き合いますよ、クロスレンジってちょっと興味があるんですよね」
M4の静かな言葉にヒエッと声を漏らすRO635とAR-15とショーティ、そのやり取りに苦笑を浮かべるクリミナとG36だがあの二人は決してそのようなことに手を出さないと信頼しているのでこれはお巫山戯みたいなものである。
もし、もし本当に手を出すとなればそれはAR-15やROがユノ達にではなく
「ふぅん、エッチじゃん、ちょっとワタシと訓練しないキャロル指揮官?」
「何ポッと出のショットガン人形が私のキャロルに手を出そうとしてるの?駄目よキャロル、コイツは間違いなく二人っきりになったら食ってくるから」
「貴女に言われたくないのですが、キャロル指揮官も可愛そうですね、こんな変態ウサギを副官にしないといけないなんて……」
「あ?貴女よりマシだから、クソレズショットガン」
「は?電脳でもイカれてるんですか、ド変態ハンドガン」
バチバチと火花を散らすFive-sevenとまだキャロルが旅をしてた頃にちょっとした経緯で知り合い、一晩お世話になったのだが危うく食べられそうになったとキャロルが真顔で語ったSG人形【Saiga-12】そしてその二人の間には物凄く仏頂面でユノ達と同じ様にブルマ姿のキャロルの姿、彼女は運動はした方が良いとFive-sevenに唆されて来てみればこんな事になり若干、いや、かなりイライラしていた、なので
「……ジャウカーン、G41、この二人を遊び相手にしろ」
「「良いんですか!?やったぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」」
直後、二人ほどが訓練場を引き摺り回されたらしいがキャロルには知ったことではなく、その後彼女はスユーフとダラーヒムとUMP姉妹を交えて簡単な運動をするのであった。
今日もP基地は平和です
なんでブルマ姿なんだって?知らん、ガイアが囁いたからだ。