それいけポンコツ指揮官とM1895おばあちゃん!! 作:鮪薙
P基地、レクリエーションルーム、またの名を駄弁り部屋。そこで本日の主役達は集まって、それぞれ自由にしていた。一人は黙々と趣味のボトルシップを、一人はそれをただ暇そうにテーブルに肘を付けながら顎を手に乗せて眺め、最後の一人はテーブルの下から顔だけを出す形でキラキラとして目で見つめながら
「ねぇ、そう言えばリベロールがG11の事を好きだって話聞いた!?」
「何の前振りもなしにその話を出してきたところ悪いけど、もう知れ渡ってるわよ」
自分的には渾身の噂を話したつもりがまさかもう時代遅れの話だったとは思わずにあれ~?とどこか抜けてる声を出すUMP9にこの子は本当にと変わらずに肘を付けながら顎を手に乗せて呆れ気味の視線を飛ばすUMP45、となればあと一人は自ずと分かるだろう。
ボトルシップを作る手を止めないでその人物、HK416は
「で、それがどうかしたのかしら?」
「いやさぁ、G11の何処に惹かれたのかなぁって、だって言っちゃ何だけど肝心な時以外は惰眠を貪るような人形だよ?」
「やだ、妹が毒しか吐かないんだけど」
毒だなんて失礼な、私はありのままを語ってるだけだよ~と人畜無害な笑みを浮かべながら答えるUMP9を姉であるUMP45はいつからこんな子になったのかなぁと体勢は変えずに苦笑を浮かべる、だが彼女の言うことも理解は出来るのも確か、G11と言えば作戦時はその優れた射撃精度と広い視野を生かした狙撃手であるのだが、そうではない日常やただの警邏となれば極度な面倒臭がり屋であり、僅かな暇さえあれば眠りに入ってしまう人形、愛でる対象には出来るかもしれないがコレに惚れろと言うのはUMP45からするとちょっと無理だろと口にしそうになる。
だがリベロールは惚れている、ちょくちょくと二人が一緒の時を見るが明らかにリベロールの方は意識しているのがバレバレである、肝心のG11は趣味仲間の親友という認識なのも同時に分かるからなんとも悲しい話なのだが。
「良いんじゃない、私達が分からないだけで、彼女からすればG11が素敵に見えたって話でしょ」
「流石416、回答が大人だなぁ~、でもうんうん、恋ってそういうものだよね45姉!」
「は、え、何よ急に、ま、まぁそうでしょうね、うん」
「あれ、でもさっきは分からないとか言ってなかったっけ?」
それは貴女もでしょうがと視線に乗せて答えればUMP9は変わらず人畜無害スマイルを浮かべたまま彼女を見据えて、あれれ~まさかまさかと態とらしい驚き方を挟んでから
「45姉って恋をしたこと無いの~?」
「は?あ、あるし……」
「他の基地の45姉のデータ共有でそのつもりもなしだよ?あ、勿論だけどシーラさんの所にお世話になってる404の隊長さんの体験話も無しだよ?あれは今目の前に居る45姉には刺激が強すぎる甘さだからね」
ここで突然だがこの基地のUMP9とUMP45の事を話しておこう、例によってこの姉妹も特殊個体でありその目的は秘密小隊【404 Not Found小隊】の影武者部隊の作成、だったのだが二人を製造した所で計画は中断、その後は二人は別々に様々な基地を渡り歩き最終的にこのP基地に何の因果か二人揃って流れ着いて今に至る。
なぜこんな話をしたのかと言えば、要はこの二人は普通とは違うのだ、まぁそれに関してはF小隊やD08などの例があるので問題ないと思う、そしてこのUMP9はというと変なタイミングで煽ったり厄介な悪戯を噛ましたりする個体であり今も自分が楽しいと思ったから姉を煽っているのである。
「……いわよ」
「ん~?」
「無いわよ!!!!文句ある!?と言うかあんたも無いでしょ!!」
反撃だとばかりにUMP45がキレ気味の表情で妹を指差しながら(若干テーブルが揺れて416から静かな殺意が送られる)口撃をすれば言われた本人はキョトンとした表情を浮かべてから、ニヤリと笑いそれから
「あは、私は恋愛をしたことがない。45姉は確かにそう言ったね?」
「え、えぇ!」
「私を煽り返した罰だよ、その幻想を……断つ」(ピロロロロロ…アイガッタビリィー)
これまた煩くなだろうなとため息を吐いてからそっと道具一式と材料、それと製作途中のボトルシップを二人から離れたテーブルに運んでから作業を再開する416に気付かずUMP45は唐突に狂気な笑みを浮かべ始めた妹に怯み、UMP9はそんな様子のUMP45に向けて
「45姉!なぜ私が恋を語り始めたのか、なぜ私がこの基地の恋愛事情にちょっと疎いのか(アロワナノー)、なぜ私が45姉を煽れるのか(ソレイジョウイウナ!)(ワイワイワーイ)その答えは唯一つ(ヤメロー!)アハァー……」
(え、何処から聴こえてるのこの声……)
「45姉!それは私がたった一度とは言え、本気で人間に恋に落ちがことがあるからだぁ!!!(ターニッォン)アーハハハハハハハハハアーハハハハ(ソウトウエキサーイエキサーイ)ハハハハハ!!!」
(煩いわねぇ)
急に高笑いを始めるUMP9にそんな事を思う416だが目の前の更に煩いはずのUMP45はと言うと今の彼女の言葉に衝撃を受けたとばかりに目を見開き、それから震える唇で、震える声で
「嘘よ、私を騙そうとしてる」
「うん、嘘だよ?あれ、もしかして乗せられちゃった?」
ブチンッ!と切れてはいけない何かがキレた音が聞こえ、幽鬼のようにゆらりとUMP45は立ち上がり、悪戯成功!とはしゃぎながらまた人畜無害スマイルに戻ったUMP9に近づいて……2秒後、そこには妹に技をかける姉の姿が合った。
「いだだだだだだだ!!!!曲がる!フレームが曲がっちゃイケない方向に凶る!!」
「ったく、で今更なんだけど416は今日は何を作ってるのよ、明らかに帆船とかじゃないのは分かるんだけど」
「本当に今更ね、まぁ良いけど、【大和】よ。日本の大戦艦、でも流石にボトルが見つからなくてね、それ用に作ってもらったわ」
でもお陰で完璧に再現できそうなのよと嬉しそうな彼女の声にUMP45は技を掛けながら力を決して緩めず、寧ろ更に力を加えながら優しい笑みを416に送る。
見れば主砲はもちろん、どれでも手が抜かれている場所はなく、更に物凄く小さな対空機銃すらあるので手の込みようが凄まじい、情け容赦無くもし言葉にするのならばそれはもう変態の粋である、誰が見てもそう言うだろう、という出来になりつつある。
「ね、ねぇ!ミシミシ言ってる、多分そろそろボキッと音が出る!!」
「はぁ、私も恋してみるべきなのかしら」
「さぁどうでしょうね、でもリベロールの健気さを見てると傍観者でも悪くないんじゃない?」
「それもそう、か!」
「オウフ……」
とりあえず折檻だけはきちんとしておくかとUMP9を落としてから彼女を米俵を持つように担ぎ上げてからまだ暫くはここで集中して作業しているだろう416にじゃあねと一言告げてからレクリエーションルームを後にする、今日はこの後どうするか、そんな事を思いながら結局はユノとクフェアが話しているとことに現れてルキアとクリスを指で遊んであげるのであった。
最後にG11はと言うといつものように惰眠を貪るために救護室にてWA2000の膝枕で寝て、それを動物たちの検診で来ていたリベロールが目撃、それから
「膝枕、もしかして、これなら……でも、は、恥ずかしい」
「いや膝枕くらいで恥ずかしがらないでよ」
「クゥ……スゥ……」
どうすれば気付いてくれるのだろうか、その糸口を見つけるが実行できるまでまだまだ時間がかかりそうなリベロールにWA2000は頑張りなさいよと告げるのであった。
このUMP9大丈夫?なんか変な神に憑かれて無い?
尚、途中の合いの手は全部UMP9のダミーがやってた模様。あと凶るは中の人ネタ