それいけポンコツ指揮官とM1895おばあちゃん!!   作:焔薙

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将来的にはルキアは親の身長を無慈悲する


☆ユノ・ヴァルターさんじゅういっさい

ユノ・ヴァルター、13年前はグリフィンの指揮官として様々な作戦の指揮を執り、経験を、そして最愛の人との幸せな家庭を築き、自身との過去の因縁と決着を付け、子を育み、今では彼女は立派な教師として、一人の母親として育児に仕事にと忙しくも幸せな日々を過ごしている大人となっていた。

 

そんな彼女は今日はルキア達が遊びに出かけたのをクリミナと共に見送って少ししてから、入れ替わりで遊びに来たヴァニラとイベリスの二人と交えてお茶会をしていたのだが、その時ふとヴァニラの一言から全ては始まった。

 

「それにしてもユノちゃんは変わらないわよねぇ」

 

「ふへ?そうかな、結構雰囲気とか変わってるって言われるけど」

 

ヴァニラの言葉にイベリスが淹れたコーヒーを呑みながらそう答える、やはり母親となり教師となり、こうして基地から離れて過ごすようになったからなのか、昔のような無垢な少女といった感じの雰囲気だけではなく、一人の立派な大人な感じだと言われることが多くなった、なのでそんな感じだと伝えれば、ヴァニラは手を振り

 

「あぁ、そっちは変わってるわよ?そうじゃなくて姿がってこと、私なんか最近は小皺とか気になりだしちゃってさ」

 

「ですがそこまで気にする感じでもないような気がしますけど、確かにユノちゃんの年齢を考えるとそれでもほぼ変わってない姿というのは羨ましく思うのかもしれませんね」

 

ヴァニラとイベリスの二人が言うように、ユノの姿というのは13年前とさほど変化がない、多少こそ成長が見られるのはあるにはあるのだが誤差とも言える範囲であり、身長に関してはP基地の医務長のPPSh-41が彼女のナノマシン治療後に伝えた、身長はそれが頭打ちという言葉の通り『全く』成長していない。

 

故に、それが彼女にとって地味に根深い悩みになっていた。

 

「はは、それはその、嬉しいけど、ルキアと歩いてるとさ、よく言われるんだよね……『仲のいい姉妹だね』って」

 

ハハっと乾いた笑いを浮かべる彼女にヴァニラも、イベリスも、旦那であるクリミナもゆっくりと目を逸らすことしか出来なかった。ユノ・ヴァルター31歳、最近の悩みはこの身長故に未成年だったり、ルキアの姉と見間違われることやその扱いをされるということである。

 

彼女も自身の身体的特徴というものは理解できているのでまぁ間違われても無理はないかなとは内心ではしっかり理解はしている、しているのだがルキアは自分がお腹を痛めて産んだ子であり、これでもしっかりと母親をしながら学校の先生をしている大人である、だというのに

 

「この街じゃもうそんなことは殆どないけど、ちょっと遠出した時に子供のおつかいとか、お母さんの仕事についてきた子供みたいな感じに言われるの結構来るんだよね……」

 

「ま、まぁ、直ぐに相手も勘違いだと気付いて謝ってくるじゃないですかユノ」

 

「そうは言うけどさ、このままルキアは立派に成長したら、これ間違いなく私があの娘の子供みたいな感じに言われる気がして止まないんだよね、これはクリミナも他人事じゃないと思うんだ」

 

「……そ、その時は思い切ってあたくしは新たなボディに換装してしまおうかなと」

 

「うわぁお、ユノちゃんが裏切り者を見る目でクリミナを見てるよ」

 

呑気な事を言うヴァニラはイベリスはそんな呑気なと言う感じの顔をしつつ、まさかここで初めての夫婦喧嘩が勃発してしまうのかと危機感を表していると、先にユノが小さくため息を吐いてから、コーヒーを一口飲んで

 

「でもそう見間違われたらさ、しっかりあの娘が成長しているってことに繋がるから、安心といえば安心かな、間違われるのは仕方ないし」

 

「ふふっ、ユノちゃんはその辺りの割り切りがしっかりしてましたね、要らぬ心配をしてしまったようです」

 

「ん?え、イベリス、心配って?」

 

「いいえ、何でもありませんよ」

 

彼女の変わらない微笑みでそう返されてはユノもなら良いんだけどと笑みを返す、その様子にクリミナは安堵の息を、ヴァニラは良いところは変わらないものね~と笑うのであった。

 

それから話は少し変わり、子供たちのことについて、特に

 

「ルキアちゃんやクリスちゃん、ルピナスちゃんたちに気になる人がって話は無いの?」

 

「え、でも13歳だよ?まだそういうのは早いんじゃないかなぁ」

 

「ですがシーナさんの所のネーナちゃんにはもう彼氏さんがと聞きましたし、早いとかは無いのではないでしょうか」

 

とは言われても心当たりは殆どないのだがというのがユノの答え、無論一日の出来事はその都度聞いているし、夕食のときになんかはノアたちと一緒に食べる関係上、クリスのことも聞くのだが

 

「無い、ですわね。友達は沢山出来ていますし、その中に男の子も勿論居ます、がそういった話が出てきたことは」

 

「クリスちゃんも同じ感じだけど、無いみたい。クフェアちゃんとも話したけど隠してる感じもないみたい」

 

これはルピナス達も同じであり、ルピナスは自警団では妹や娘と言った感じで人気であり、ステアーも同じでその確かな技術力は助かっていると未だ現役の街の暗部の首領でユノ達からは好々爺という印象である『マルコ』が褒めるほどである。

 

そしてシャフトも孤児院『レイディアントガーデン』でお手伝いさんとして働き、優しいお姉ちゃんと子供たちからは慕われてはいるが未だ完璧には消えない男性恐怖症もありそういった話はと思った所でそう言えばとクリミナが

 

「M16さんが、昔、ちょっと世話を焼いた少年がって話をしてましたわね」

 

「あ~、確かに聞いたかも、でもシャフトからは聞いてないからまだ話したことはないんじゃないかな」

 

内容は、その少年、今では立派な青年がその整備士の仕事でレイディアントガーデンの設備を修理のために訪れた際に彼がシャフトにという話、だがその時のM16は酔っていたのでもしかしたら酔っぱらい特有の勘違いかもしれないと付け足しはするがヴァニラはニヤニヤと笑みを浮かべて

 

「おっと、あの娘に春が来そうなのかしら?」

 

「どうでしょうか、あの娘の男性恐怖症は中々根深いですし……ですがもしそうだとすればちょっと応援してしまうかもしれませんわね」

 

「うんうん、誰かを大好きになるって、本当に貴重で、大切なことだからね」

 

ユノのその言葉に、全員が確かにねと頷き、それからもお茶会はルキア達が帰ってくるまで続くのであった。因みにその日の夜ノアとクフェアにそんな話をしてたんだよねと話題にすれば

 

「クリスに、男……いやまぁ男とは限んねぇだろうけど、ともかくあたしはソイツが信頼できるやつなら文句は、多分言わねぇと思う」

 

「クリスが選んだ人なら大丈夫だと思いますけどね」

 

だが将来、クリスにそういった存在が出来たと聞けば、何かとバックアップを取ろうとするので何だかんだで娘たちの恋路には応援したい夫婦であった。




ユノちゃん31歳だけど、ヴァニラさんはヴァニラで40超えてるというね、時間は無慈悲だってそれ一番言われてるから

資料まだ用意できてないけどルキアちゃんの性格はサブカルに沼ったロリボロス曰く「如月弦太朗と立花響を足して2で割り忘れた存在」友人は沢山、どの娘も個性豊かでなかよし部の三人組とか『ヤバいですね!』が口癖の美少女とか居たりするらしい。

因みに異性からモテナイという訳ではない、だがルキア自身にそういった感情が全く生まれていないので大好きは『Like』しかない、『LOVE』が生まれるのは何時になるやら……

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