それいけポンコツ指揮官とM1895おばあちゃん!! 作:鮪薙
だが、分かるよ。本来の世界線は厳しいものだ
だからこそ、ほのぼのが必要なのさ
……殺伐とした世界観を、忘れるようなね
【Vector】と言う戦術人形は自身を道具、兵器と割り切り日常ということに関しては無関心だったりちょっと仲間にもぶっきら棒だったりする、まぁ実際は仲間思いなのでぶっきら棒とは少し違うかもしれないが
……の筈なのだがこの司令部のVector、どうやら指揮官のあの空気に当てられたか、はたまた製造段階でなにか異常でも有ったのか、大元は変わってないのだが細かな部分で違う部分が生まれている
まぁ、悪い意味で変わっているわけではないので誰も気にはしてない、これはそんな彼女の一日
その日は珍しく鉄血の目撃情報が有った地域に出撃、情報通り鉄血との交戦、今は既に帰投して司令部の一室で彼女は何をするわけでもなく只椅子に座っていた、因みにだが巡回任務では指揮官のレーダー支援は受けれない、理由としては副官があまり頼りっぱなしでは負担が大きくなるし如何せん巡回は此処だけではないので処理しきれないと発言したのが理由だ、指揮官は割りと不満だが実際問題手が回らなくなるので納得はしている
そんな裏話は置いておきVector、オンの時は一つ一つの動作をする度に姿が消えてるのではないかという動きで敵を翻弄して撃ち倒すストイックな狩人と言った感じなのだがオフになるとその全てが鳴りを潜め、今のようにこの一室の椅子に座り続けているか、フラフラと何処か歩いているか、はたまたお風呂に居続けた、なんかいつの間にか食堂でお酒を飲んでたという話も出ている
つまり彼女のオフの時は神出鬼没なのだ、気付けば背後に居たなんてザラである
(……教会の地下室を見つけたのは『今日かい』ふふっ)
確かに彼女達の部隊は今日の巡回任務で鉄血と交戦後、教会を探索した時に地下室を発見し更に残党を処理するという戦果を上げてはいる。だが何故それがダジャレとなったかは彼女しかわからない
とまぁ見ての通り、本来であればこんな下らないダジャレを思い付き、あまつさえそれを自分で笑う、と言うVectorらしからぬ事をしだすのがこの司令部の彼女だ
そんなちょっと不思議が入った彼女はダジャレを思い付き満足したのか椅子から立ち上がり部屋から出ていく、向かう先は特に決めては無いようでフラフラ~と歩き出す
向かった先は食堂、まだ少々早いが夕食にしてしまおうという人形がちらほらと見受けられる、そしてその大半が調理場に集まっていた。無論、来たVectorも何事かと近付いてみれば、トンプソンが豪快に肉を焼いている姿、どうやらこれ目当てで集まってたらしい
「いい匂いね」
「お、Vectorも来たか、食べるかい?」
「そうね、頂くわ」
はいよ、少し待ってな!注文と同時に肉を追加で焼き始めるトンプソン、中々の分厚さの肉を何処で入手したとかは触れないでおく、スプリングフィールドのお酒と同じだろうとVectorは考え出来上がったステーキを受け取り席に座った時、電流が走った
(夕食は素敵なステーキ、ふふっ)
「あ、お肉の匂いと思ったけど今日はステーキなんだ」
本日二つ目のダジャレを思い付き絶好調のVectorの耳に指揮官の声がとそこを見ればいつの間にそこに居たのか隣には指揮官の姿が、これにはVectorも少々驚いた、気配すら感じさせずに現れたので当然の反応といえば当然なのだが
それとも自分がダジャレに思考を割き過ぎていたかもしれないと考え直し
「まだトンプソンに言えば、焼いてもらえると思うわ」
「ほんと!?なら急がなきゃ、ちょっと行ってくるね!」
「ふふっ、騒がしいね、嫌いじゃないけど……」
冷める前に食べてしまおうと食べ始め、数分後、焼き上がったお肉を貰ってホクホク顔の指揮官がまた戻ってきて隣に座り食べ始める
Vectorは特に食で感情を動かしたりはしないので指揮官が一口食べる度に幸せそうに顔を緩めて美味しい~と呟く様には少し羨ましいと思ったりもする
「ごちそうさまでした、はぁ、こんなご馳走だったら幾らでも食べれそうだよ私」
「ごちそうさま、でも食べ過ぎは良くないよ、指揮官は特に人間なんだから……ん?(ご馳走をごちそうさま)ぶふっ」
「ん、Vector?」
「な、何でもないわ」
やるわね指揮官と思いつつ、何とか誤魔化し切ったVectorは食器を片付けた後、今度は宿舎に戻りギシッと木製の背もたれが長い椅子に座り足を組んで両手を組んで目を瞑る
これは冒頭のような意味もなし、と言う訳ではなく彼女なりの情報整理のする際の決まりのポーズのようなもので一日の終り付近になると一度はこれを挟む
曰く、やるとやらないでは翌日の仕事の出来が変わるらしい、理由は誰も知らず本人も分からない、そして何時もは数分もすれば何事もなく終わるこの行動、だが今日は違った。さて終わろうかと彼女が思った時、小さな鐘の音が聴こえた
(今のは……!?)
今までこんな事はなく、そして聴いたことのないキレイな音色の鐘の音に瞳を開けて周囲を見渡すが何も変化がない宿舎、だがあれが気のせいだとか幻聴だとかは彼女には思えなかった
「何か起こるのかしらね。それとも私の気のせい……あ、鐘の音がおっかねー、ふふっ」
「……あ、まぁ、その、気にしないわよ私は」
「ええ、気にしないで頂戴」
完全に油断したVectorの呟きは416に聞かれ妙に気まずい空間が出来上がったが今日も一日が終わりを告げていった
前書きとサブタイトルのネタが分かる人は今すぐ獣狩に戻って、聖杯でも良いぞ、あと特に真面目でもなかった
と言うより25歳児が完全憑依してますねこれ、次回までに除霊しておきますね……可笑しい、狩人が憑依する筈だったのに
うん、申し訳ない、今日はネタがいまいち思いつかなくてVectorの中の人がそういやこの二人そうじゃんから暴走しました……ちょっとヤーナム行ってくる
次回 世界線を違和感なく引っ張ってこれる方法が思い付けばまた暴走するかも