それいけポンコツ指揮官とM1895おばあちゃん!! 作:鮪薙
「あっはっはっは!!!!」
ジャウカーンの心から楽しくて仕方がないという笑い声が響く、此処は戦場、あれからオートスコアラー及びラーニョチームは第三勢力、彼女たちは名称を知らないがパワードスーツの方は『
「にしても、パワードスーツの方も厄介だけ、ど!!ああもう、このスーツの方もうざったいな!」
「単純に強い、そんなのが集団と考えると厄介極まりないですね」
「触んな!!!」
その途轍もなく高い脚力を生かし他の戦術人形や、自分たちが放つ弾丸を避け接近、そして掴まれれば電撃にて一撃で仕留められるというのは恐怖とプレッシャーが大きい、しかも接近戦も弱いというわけではないとなるとオートスコアラーといえど戦いにくいとは感じる相手ではある。
が、そこはあくまで三人の場合、というのが頭についてしまう。冒頭でも書いたがジャウカーンだけは違った、そもそもにしてオートスコアラーの中では戦闘力特化であり、MSFとの共同作戦でも合ったモンスター騒ぎで得た素材などで更に改修が施された。
その結果、彼女はと言うと接近されるまでもなくエクスキューショナーのような飛ぶ斬撃を面制圧のごとく出すわ、大声大砲の不可視の衝撃波で吹き飛ばすわ、クロスレンジに縺れても両手で薙ぎ払うわ、極めつけは追跡者に接近を許し掴まれたこともあったのだが、彼女は流された高出力の電撃を食らった上で
「にゃはははははは!!ビリビリだね、だけど……っ!!!」
ジャウカーンは痛がる素振りも、そもそもにして一撃でも喰らえば機能をダウンするはずのそれを笑いながら受けつつ頭を思いっきり振りかぶり全力で頭突きを繰り出せば追跡者の頭は鈍い音共に潰れ、それを見た彼女は
「トマトみたい!」
「やめて、トマト食べれなくなりそうだから」
無邪気な事を言うジャウカーンに思わずトゥーマーンが苦い顔しながら周囲を見渡す、ざっと見た感じでは漸く落ち着き始めたというところだろうか、確かに数と火力の暴力で一旦は崩壊しかけた戦場ではあるがある程度立ち直り始めれば何とか均衡を保つことが出来始めるものである。
とりあえず自分たちの周りはジャウカーンが暴れてくれたお陰で落ち着いたと一息付こうという所でダラーヒムが誰かと通信を終えたのか部隊長であるスユーフに話をすれば彼女は一つ頷いてから
「マスター、リバイバーより支援要請が、防衛設備への攻撃の時間を稼ぐために我々で注意を逸して欲しいと」
《防衛施設?あぁ、少し前に正規軍からの決死隊を組むという通信があったな……構わない、派手に暴れてやれ》
「承りました、聞きましたねオートスコアラーはこれより別地点にて戦闘を行います」
「きゅ、休憩は」
「あるわけないよね、補給は私達には必要ないからね」
くそっ!とトゥーマーンが悪態がつくが流れが変わるわけもなく、オートスコアラーはラーニョに乗り込みリバイバーの支援のための戦闘を始まる、とは言っても彼女たちがやることは大きく変わらない、ただ戦場へ向かい戦い続ける
「ぶっ飛んじゃえ、がおぉぉぉおおおおぉぉぉぉぉ!!!!!」
「あの娘もう怪獣か何かになってるんじゃないのあれ」
まだまだ戦闘は続き、ジャウカーンの咆哮は響き渡るのであった。彼女たちが戦闘をしている中、ランページゴーストはと言うと祈祷者の軍隊及び追跡者との戦闘していたがギルヴァとブレイクの手助けにより抜け出し、補給を済ませ現在はヒポグリフに搭乗していた。
「で、次はあの防衛施設をぶっ壊せってことか」
《あぁ、正規軍の列車砲でもビクともしないらしいがな……そこで決死隊を組み突破するつもりらしい》
「簡単に言ってくれるなぁ……」
「ですが声の感じからすれば向こうも必死なのでしょう、しかしどう攻めますか?あれ程のものとなるとこちらも相応の火力が必要となりますが……」
しかして、そこまでの火力となるとすぐには流石に用意できない、一応先程の補給でスチェッキンがエアハルテンを持ってきてくれたので数の余裕はある、だがノアがそれ相応の火力の武装を展開するとなると時間がかかり、その間に向こうの防衛兵器に狙い撃ちにされてしまう。
逆に展開が早いものでは火力そのものが足りない、そこまで考えたのは
「乗り込むか、外から駄目なら中からだ」
「しかし、ご覧の通りの対空攻撃です、幾らヒポグリフでも耐えられませんよ」
81式の言葉通り、流石にフィールド持ちのヒポグリフでもこの攻撃の嵐の前では食い破られて墜落がオチである、その報告に手詰まりじゃねぇかとノアがぼやいた所で甲高い音が戦場に響き思わず窓からその方向を見れば、何かが射出、いや、突撃していくのが見えた。
続けて別の地点からは別のレールガンからの攻撃、それと同時に外壁が爆散、続けてレールガンの射手リバイバーから
《前線の連中に告ぐ!!その壊れたとこから狙ってけ!!》
「……へぇ」
それを聞いたノアの顔はとても悪い顔をしていた、見れば防衛兵器も今の爆発で混乱しているようで先程までの嵐ではなく、更に言えばキャロルから入った通信だとリバイバーよりも前に突撃したのはバルカンと【死神】らしくお陰であの施設は現在シッチャカメッチャカな状態になっているらしい。
「あの、隊長?隊長、凄くイイ笑顔になってるんだけど、その、怖いっすよ?」
「良いこと聞いた、つまり本気でやって良いんだな?」
「隊長、何をするつもりですか?」
アナからの質問にノアはただ一言、ふっ飛ばすんだよと答えてからヒポグリフから飛び降りて装備を展開、が今回はそこで止まらなかった。彼女はホバリング状態で目を瞑っていたと思えばそのまま両手を静かに前に構え、ゆっくりと詩を口遊む
「Gatrandis babel ziggurat edenal」
それは柔らかな、だが決意を滲ませる声、それを詠いながら背中の飛行ユニットを変形、ソーラーパネルのようなそれを大きく展開、それから両手に長い砲身のキャノンを生成
「Emustolronzen fine el baral zizzl」
チャージ開始、そこでRFBがついぞ我慢できないとばかりに叫んだ、ついでに言うとこれから攻撃するからなということを示すためなのか今の詩は当たり前のように広域通信である。
「絶唱……!?隊長、それは!!!」
「へへ、これがアタシの全力だァァァァァァ!!!!」
ノアの叫びと同時に引鉄が引かれチャージされたエネルギーが一気に放出、リバイバーが空けた防衛施設の穴に直撃と同時に壁とも言えるそれは耐えられることもなく貫かれた。が勿論ながら本家の絶唱と言うことではないのでそのまま落ちるということもなく彼女は攻撃を終えたと同時に一旦ヒポグリフに帰還、エアハルテンを打ち込んで
「いやぁ、やってみたかったんだよなぁ」
「やってみたかったで一度でエアハルテンをほぼ使い尽くすような攻撃しないでくださいよ……」
呆れたアナの声にノアは笑みで答える、兎も角大きな穴は空けた、恐らくは他の者達も続くだろうと彼女たちはヒポグリフから出撃、戦場の支援に入るのであった。
ノアちゃん、遂に絶唱をお披露目する。しかも広域通信とかこの子に羞恥心とかは無いんですかね、無いですねはい。
所でジャウカーンちゃんの怪獣っぷりが凄い、凄くない?