それいけポンコツ指揮官とM1895おばあちゃん!!   作:焔薙

695 / 794
本日もまた平和である。

……投稿時間的にまだ朝日すら上がってないだって?細かいことは気にしないのが大事だぞ


☆ 平和な世界の謹賀新年

今日は特別な日ということで特訓はお休みなのだが何時も通りの時間に起きたルキアは起きた勢いそのままに階段を降りて、リビングの扉を開け放ち

 

「あけましておめでとうございます!お母さん、お父さん、ペルシカお婆ちゃん!!!」

 

「やぁ、おめでとうルキア、お年玉は皆が起きてくるまで待ってくれよ」

 

「ま、毎年ながら驚くほど早いですわね……っとと、はい、あけましておめでとうございますルキア」

 

「おめでとう、って言ってもルピナス達が起きてくるのはもう少しあるから、顔とか洗ってちょっと待っててね」

 

うん!と頷いてからルキアは洗面所に向かう、本日は1月1日、新年の始まりであり日本風に言えば元旦である。という事で本日はガーデンも街総出で新年の祝い事、要はお祭り騒ぎであり彼女たちも家族全員で街に繰り出しているのだが、この街は様々な文化を貪欲に取り込み、結果として

 

「なんつうか、あれだよな、文化のごった煮過ぎて訳が分かんねぇことになってるよなこれ」

 

「あはは、学校での文化祭とかもこういう感じだから慣れちゃったけど、よくよく考えれば全部一緒にしてそれでいて干渉しあってなくて皆が楽しんでるって凄いよね」

 

「サンバ踊ってる側で何でか盆踊りしてたりとかしてるからなおスゲーよな」

 

そう言われると中々にカオスな感じの新年のお祭りだが周りの人たちは特に疑問に思うこと無く楽しんでいるし、この街に来るような旅人や観光客も特に気にしている様子もない、更に言えば

 

「今更なことじゃろうて、そもそもそんな事を気にしておったら胃が痛むぞ」

 

「まぁほら、楽しいし良いんじゃないかな」

 

「それにだ、未だに国という枠組みは完璧には蘇ってはいない、ならばこのように国を感じさせる文化を楽しめるのは貴重だというのもあるのだろう」

 

ナガンから始まり、ペルシカ、そして正月ということでユノやノアの一家に会いに来てお年玉をルキアとクリスに渡しにも来たエゴールがそれぞれの考えと感想を述べていけばノアも、いやぁまぁそうなんだがと答えてから、自分たちの前でこの祭りを楽しんでいる二人を見て

 

「野暮ってもんか」

 

「そうですよノア、それに貴女だって楽しんでるじゃないですか」

 

「楽しくねぇとは言ってないからな」

 

言葉通りノアの両手には祭りということで開かれている屋台で買った料理の数々が入っている袋を腕に掛けながら器用にりんご飴を食べている、ああは言ったが彼女たちも十二分に楽しんでいるのである。

 

という風に街を歩いていると前からランページゴーストの二人、アナとRFBが彼女たちを見つけ、近づいてくれば先にルキアが

 

「アナさんにRFBさん、あっとと、あけましておめでとうございます!」

 

「もう、急に走り出すから……あけましておめでとうございます、アナさん、RFBさん」

 

「一瞬本気で肝が冷えた、あけましておめでとう二人共、隊長も、今年もよろしくおねがいします」

 

「あけましておめでとうございます、皆様、エゴールさんも来てたのですか」

 

二人からの言葉にそれぞれが挨拶を返してから、遊びに来たのかと聞いてみればどうやらその通りらしい、流石にP基地全体を休みとして各々が自由に遊びに来るというのは難しいが、交代という形で全員が遊びにこれるようにはしているとのこと。

 

とは言ってもそこは今も昔も人海戦術が得意なこの基地、交代とは言っているが戻る時間はかなりルーズらしく、二人も何時に戻ろうかとかは決めていないとか。

 

「だからまぁ、隊長達の所で一緒に楽しもうかなって」

 

「良いんじゃね?って何か最終的には全員が同じ理由で集まりそうだな」

 

「はは、でもそれはそれでルキア達も喜ぶし良いんじゃないかな、キャロルちゃんやオモイカネ達も来るんでしょ?」

 

「その筈です、ただナデシコ組は少々遅くなるとも言っていましたので、何時になるかは不明ですね」

 

そればかりは仕方がないよと笑うユノ、確かに平和な世界にはなってはいるがそれでも完璧とも言えず、此処最近では災害の際の生存者の捜索にナデシコを使ったりもあるのでおいそれと離れる訳には行かなくなっている。

 

が、それでも会いに来ると言い張ってるのでキャロルはどうにかして来るつもりなのだろう、最悪ロリボロスが招集されるのかもしれない、される方はたまったものではないが、と言うよりも

 

「キャロル殿め、私を使う気満々ではないか」

 

「AK-12も付き合うと言ってましたよ?」

 

「呼ばれることには変わらないではないか……まぁよい、今年もお年玉が私には無かったからな、働いて報酬を頂くとしよう」

 

上記のセリフから分かるようにこのロリボロス、何を思っているのか毎年のように朝起きて早々に楽しげに新年の挨拶をしてからクフェアとノアに向かってこう言い放つ

 

『今年こそはお年玉を貰えるのだろ?』

 

『んなわけねぇだろうが、働いて給料貰ってるやつが何言ってんだ』

 

『あ、あはは』

 

初めの時は目を見開いて貰えないということに驚愕していたが、二年目以降は露骨に舌打ちするようになった、それでいてクリスには自身の給料からお年玉を出すのでこれには二人もよく分からないという表情を毎度することになる。

 

因みにだがこの二人のお年玉の総額だが夫婦の検問のお陰か、比較的良心的な金額で収まっている。特にペルシカは分かっていたのだがユノ達を驚愕させたのはエゴールだった、一番初めにお年玉を二人に解禁しますということでエゴールから渡されたポチ袋の中身には

 

「流石に10を超えるとは思わなかったよね、今は落ち着いてくれましたけど」

 

「む、いや、済まなかった……子供にそういうのを渡すという事がなかったからな、多いほうが良いかと思ってしまったのだ」

 

「分かる、うん、私も二人の検問が無かったら中身が凄いことになってただろうからね」

 

どうやらエゴールもペルシカと同じように子供に甘々なおじさんらしく、それと同時に金銭感覚がペルシカと同じレベルで緩い、今でこそ矯正はされているが少し前は何か欲しいかと聞いては買ってきてはユノやクフェアに怒られる姿がよく目撃されていた。

 

そんな風に雑談をしているとまた前方が騒がしくなる、何かあったのだろうかと全員が視線をそっちに向かれば居たのは

 

「あ、やっと見つけた!やっほーユノっちたち~あけおめ!」

 

「アーちゃん!今年は戻ってこれたんだ!」

 

何とかねとアーキテクトが答えるように去年は仕事の都合で戻ってこれなかった彼女、今年は88式と共にガーデンに戻ってきて三が日は伸び伸びするんだと伝えれば

 

「じゃあお家で色々遊ぼう!」

 

「アーキテクトさんの開発の話とか聞きたいです」

 

「オーケーオーケー、全力で楽しもうぜ!」

 

そうだお年玉も上げないとねとアーキテクトがルキア達に渡している間に88式はユノ達に新年の挨拶をしつつ、ペルシカに今日までの仕事の話を軽くしデータを渡し、今年もよろしくおねがいしますと頭を下げる。

 

だが今日はそれ以上は仕事の話はせずに全員で新年を祝う今日を楽しむ、それから一時間もすればロリボロスが呼び出され変わるようにキャロルとFive-sevenとオートスコアラーの面々、それとそれに無理やり付いてきたサイガが合流、更に賑やかに時間は過ぎていく。

 

されどまだまだ時間はある、本日は謹賀新年、夜遅くまで彼女たちの祭りは終わらないのであったとさ。




やっぱ、大人数は辛いわ……(遠い目)

という事であけましておめでとうございます!今年もまぁのらりくらりとしていきますのでよろしくお願いいたします!

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。