それいけポンコツ指揮官とM1895おばあちゃん!!   作:焔薙

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皆忘れてるであろうあの二人のジョーカー出すよ~


大乱闘ドールズフロントライン! Session4

鉄血側の最終防衛ラインを突破、残るは重要拠点を残すだけとなった今作戦……よりもほんの少し前、最終防衛ラインでの戦闘中にオモイカネがそれを拾った。因みにだが他の地区の鉄血の迎撃に向かっていた部隊の指揮を執っていたユノは落ち着いた段階でナデシコから接続を切っているので既にこの場に居なかったりする。

 

「ん?えぇ……」

 

「どうしたオモイカネ」

 

「特殊防衛施設への決死隊の中に、ほら、はっきり言って死なせに行くような部隊がある」

 

彼女がスライドさせてきた投影モニターを見れば、キャロルの顔が険しくなる、見ればどの人形も最低限動ける程度の応急処置だけを施されたというだけであり、あの半ば暴力の嵐とも言える戦場に向かわせるのは余りに無謀だというのは誰が見ても明らかだった。

 

彼女は直ぐにその部隊の詳細を集まれば、どうやら負傷し後方で治療を受けていた彼女たちをグリフィンからの推薦で現場に来ていた上級指揮官が命じ送られてきたらしい、更に調べれば現場は彼のお陰で指揮系統に混乱が生じ始めているらしい。

 

「……ふむ、なぁオモイカネ、上級指揮官ってのは【特務指揮官】よりも上か?」

 

「へ、いやぁ、どうなんだろ。流石に上なんじゃないかな」

 

ならば仕方がないかと呟いてから、キャロルは誰かに通信を繋げる、数度のコールのあと新たな投影モニターに映ったのは黒い球体に猫耳を生やしたアイコンと白の背景に眼だけが両目だけが描かれているアイコン、それはつまり

 

「アリババ、メジェド、仕事だ」

 

《貴女からこっちに掛けてくるとは珍しいね、内容は?》

 

「推薦で来たとかいう上級指揮官、ソイツのことを全てすっぱ抜け、ネクロノミコンの使用に制限もかけない、但し何が何でも足だけは着くなよ」

 

《あいよ、さぁてやるだけやりますよ相棒っとと、集めた情報は何処へ?》

 

「ヘリアンにでも投げつけておけ、奴なら上手く扱ってくれるはずだ」

 

了解と答えてから彼女たちはすぐに作業に取り掛かるために通信を終える、それを確認したタイミングでオモイカネから追加の情報が、どうやらB基地の小隊が彼女たちの援護のために動いているらしい。

 

更に言えば正規軍のAA-2改のパイロット達が決死隊を後方支援に回したという話も同時に入りキャロルが思わず

 

「ほぉ、向こうにも人間が出来てるやつが居るらしいな」

 

「指揮官、正規軍が確かに信頼できないのは分かるけど言い方」

 

これに関しては少々悪いと思ったのかバツの悪そうな顔をして謝罪を口にしつつ、リバイバーの援護のために囮として戦闘を行っていたオートスコアラーの様子を確認、一段落付いているなということを見てから

 

「分かっている、オートスコアラー、追加の仕事だ」

 

そんな無慈悲な通信が入った刹那、トゥーマーンが吠えた。ついさっきアンノウン軍団と戦闘を繰り広げながら味方を救い、今度は他の味方のために囮になるため大乱闘をし、やっと終わったと思えば追加の業務に彼女の限界が超えたのだ

 

「鬼!悪魔!ブラック指揮官!!!少しは休憩くれたって良いじゃないですか!!!!」

 

《黙れ》

 

これにはキャロルはキレるし、ダラーヒムは苦笑を浮かべるしスユーフは大きく溜息を吐き出す、ジャウカーンはまだ遊べると言うことで大喜びしてるので気にしていない。

 

「ちょっとトゥーマーンは静かにしてて下さい……コホン、それでマスター、次の指令は?」

 

《これより特殊防衛施設に決死隊を含んだ攻略部隊が向かうらしいのだがはっきり言おう、肝心の決死隊はどこぞの無能が強制的に集めた負傷兵の集まりであり捨て石にするつもり満々で、しかもそれを行っても攻略可能性は低いと言わざるを得ない、故にラーニョチームを引き連れて彼女らと合流、そのまま作戦終了まで共に行動しろ》

 

「承りました、それで彼女らの護衛に関してなのですがラーニョチームに担当させてよろしいでしょうか?我々は攻略部隊の前衛に混ざろうかと」

 

指示を聞きながらオモイカネから送られてくるデータを整理しつつ、自分たちの動きを考え纏め上げ、キャロルに伝えれば向こうは少し考えてから

 

《好きにしろ、では直ぐに行動を起こせ》

 

「はっ、オートスコアラーこれより行動を開始致します」

 

スユーフの言葉に満足気に頷いてからキャロルからの通信は終わり、部隊長として次の任務を全員に伝える、勿論ながら拒否権は無いということも付け足せばトゥーマーンが思いっきり不満げな表情を晒したりはしたが、その決死隊の話を聞いて

 

「ふぅん、つまりはアタシらが汗水垂らして助けた奴らが、そんな無意味なことで散らされそうになってるってこと?チッ、苦労を水の泡にされるのは腹立つわね」

 

「そうだね、んじゃ、さっさと合流しに行こうか!」

 

「もっと遊ぶぞー!」

 

という事で彼女たちはその地点にラーニョに搭乗し向かい、そこまで時間も掛からずに到着し降りてみれば、まず目に入ったのは痛々しい人形の部隊、どうやら彼女たちがその決死隊らしいのだが

 

「(当然ながら士気は死んでますか)ラーニョチーム、貴方達は彼女たちの側に、何かあった際は盾になりなさい」

 

【ラーニョリーダー、了解!】

 

ラーニョ達は指示を聞き、決死隊の元へと向かい、スユーフはAA-2改のパイロットに自分たちの所属と目的を話している間にダラーヒムは決死隊の様子を眺めていたのだがその中に奇妙な物を見た、余りに自然にいるものだから一度見てから無傷な者も居るのですねと感想を抱いてから思わず二度見をしてしまった。

 

(ぺ、ペンギン?)

 

「む?ねぇねぇトゥーマーン、なんか向こうからエンジン音が聴こえる」

 

「あ?あぁ、確かB基地の奴らが援護に動いてるって聞いたわね、一応自己紹介しておきましょうかね、という事でスユーフ!」

 

自己紹介とは言ったが彼女がするわけではなくスユーフに声を掛けてから、キャロルから彼女たちに繋げるように話して

 

「お初にお目にかかります、我々はS09P基地所属のオートスコアラー小隊の部隊長ということになってますスユーフ、そして右からダラーヒム、トゥーマーン、ジャウカーンです」

 

《そっちの指揮官から話は聞いておる、お主らもこっちに来たのか》

 

「それがマスターからの指示ですから、何か有りましたら我々が支援等に回れますので何時でも声を掛けて下さい、では失礼致します」

 

相変わらず通信先だろうと会話の終わりにはお辞儀をするよなぁと思いながらトゥーマーンはこれから始まるまた大きな攻防戦を想像して重々しい息を吐き出すのであった。

 

とりあえずジャウカーンとあのAA-2改を主軸に置こう、少なくともランページゴースト達のような火力は無い、だからこそ面倒で悲惨で、そして

 

(どいつもこいつも狂っちまったほうが楽しい戦いになるでしょうね~)

 

トゥーマーンの口元が三日月のように弧を描いた、なお開戦と同時にジャウカーンの大声大砲を側で聞いてしまい暫く悶絶してる彼女が居たとか居ないとか。




という事でアリババとメジェドによるネクロノミコン解放です、これ話に出したのどのくらい振りだろうね……と言うか割りと好き勝手書いちゃったけど大丈夫なのかねこれ(不安)

ネクロノミコンについては多分、どんなのか忘れられてるような気がしますので詳細は300話あたりのサブタイトル【諸刃の剣な奥の手】に書いてありますのでそちらをご確認下さい。

ていうかランページゴーストよりもオートスコアラーの方が動き多いっすね……

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