それいけポンコツ指揮官とM1895おばあちゃん!! 作:鮪薙
オイまじかよクソがとオートスコアラーの一人であるトゥーマーンが本日何度目か分からない悪態をつきながら周囲を見渡す、見渡した上で状況は最悪だと理解してしまいこちらも何度目か分からない舌打ちをすることになるのだが
「動ける奴はどんどん下がって、私達が敵を抑えてるから!!!!」
「負傷者には手を貸してあげて下さい、戦闘は考えないで撤退だけを今は考えて!」
「こんにゃろ!!うわっとと、ワタシは味方だよ!!!」
事の始まりは最終防衛ラインを突破して重要拠点への攻撃を開始、それから数分としないうちに味方のあらゆるシステムがエラー及び不具合を発生、更には全域で通信も途絶、そのタイミングで地下から鉄血の増援が大量に出現、強化型であるそれはダミーリンクシステムや戦闘システムに不具合を引き起こしている味方に襲いかかり、要はざっくり書けば戦況は思いっきりひっくり返されてたのだ。
特に味方識別システムが不具合を起こしてるのが彼女たちにとっては頭が痛い話であり、見た目が見た目なのでよく誤射されそうになる、と言うよりもされる。マズイマズイぞとトゥーマーンは戦いながら思考を巡らす、正規軍の方はまだ戦えてる、がグリフィンの方が重症だ、一部例外は確かにいるのだが大半はダミーリンクシステムと戦闘システムの2つがやられると一気に戦闘力が落ち込む。
そしてそうなってしまえば、もはや数を集まりに集まって集団にならなければ戦闘にすらならなくなり、なのだが今は激戦区の最中に起きたものだから散り散りになってしまっている。
(しかもマスターとの通信も出来ないってことはナデシコとも無理だ、この状況を纏め上げる奴も、立て直すだけの時間も無い)
いや、纏め上げれそうな奴はいると思考を切り替える、人形だろうと正規軍の人間だろうと指揮さえ取れれば僅かながらでも状況は変えられる、ともすれば今必要なのは撤退を完遂するだけの時間、そこまで考え、もう一度舌打ちをしてから一番近くのAA-2改に向けて
「おいそこのデカブツのパイロット!」
「え、お、俺か!?」
「テメェ以外に誰が居るんだよ!今すぐ周辺の味方と一緒に撤退しやがれ、アタシらはこのまま殿を務めてやる!」
その言葉にオートスコアラーの三人がトゥーマーンを見て、それから彼女の真意を読み解いて戦いながら、振り向かずに
「行って下さい!流石に全てとは行きませんがこのまま敵を抑え続けていますので」
「適当は無し、本気で囮を努めようじゃないの!」
「ワタシも遊びは無し、本気モードでぶっ潰す!!!」
全員が全員、死ぬ気などさらさら無しの声で告げるのだがパイロットには彼女たちが死地に向かい、そのまま死ぬような強がりに見えたのか
「だ、だが!」
「だがもへったくれもねぇんだよ!この異変下で禄に戦えるのがアタシらとテメェら、だけどどういう訳かこっちはしつこく狙われてるから、そっちに撤退の援護を任せるって言ってんだよ!」
叫んでいる間にもオートスコアラーは敵を薙ぎ倒していく、が強化型であるが故に今までのようにとは行かず多少の手こずりが出てしまい、何体かは突破するがそれを今度はラーニョチームが撃破、それでも何人かは残るという話を出されるが
「いいから行けって言ってるのが聴こえねぇのか!!!!アタシらが何時まで保つか分かんねぇんだよ、人のこと心配するんだったらさっさと撤退して、こっちが逃げ出せるようにしろってんだ!!!」
「……すまない!」
漸く周りの味方に伝えながら撤退を開始した彼らに遅いんだよクソがと思いながら敵をレーザーブレードで貫いている側でスユーフが
「ラーニョチーム、貴方達も撤退の手伝いを、万が一があったら殿を勤めなさい」
【了解!行くぞ、みんなー!】
それを見送ってから一度全員が集まる、そして未だ数が衰えないその様子に乾いた笑いをトゥーマーンがして、ジャウカーンは正反対のキラキラした笑みを、ダラーヒムは自身の武器を構えながら攻撃的な笑みを、そしてスユーフは覚悟を決めたという笑みを浮かべてから
「さて、行きますよ!」
彼女たちの、味方を生かすべく戦いが幕を開けた、そして時同じくしてランページゴーストはというと……
これで何十体目の敵を倒したか、そんな数えてもいないことを思いながら一歩下がり後ろを見れば同じく敵を見据えながらアメノハバキリを構えるアナとパワードスーツの拳を構えながら同じように敵を見ているRFB、そしてノアもシュトイヤークリンゲを構えながら前を向けば、見えるのは敵、敵、敵、と自分たちが倒してきたその残骸、つまりは囲まれており三人は背中合わせの状態にいる。
「シンデレラ、どうだ?」
「全くです、ナデシコとの通信は繋がりません」
「それよりもこの子たちどうやって逃がすのさ!」
チラッとRFBが自身の背後を見ればそこには負傷及び孤立した戦術人形たち、異変が起きたと同時にランページゴーストは自分たちは通信以外の不調が起きていないことを利用して即座に味方の支援に向かい彼女たちを庇うように戦っているのだが、結果として自分たちの得意な戦術が取れずにジリ貧になりつつあった。
「つってもこのまま正規軍の方へと撤退しろったって、途中で襲われたら自衛も怪しいぞ」
「そもそも囲まれてそれどころじゃないのが本音ですからね」
先程、正規軍から大陸横断鉄道列車まで撤退を開始するというのは聞こえたのだがその方向は既に敵が存在し、今の彼女たちに自分達だけで迎えというのは余りに酷な状態、しかもランページゴーストは重点的に狙われているのか、囲まれているというこの状況では無理な話。
どうする、思考が焦り始めたその時、撤退を開始した方角の敵が突如として吹き飛び、そこから現れたのは正規軍の自立兵器及び戦術人形、そして何人かの軍人、彼らはランページゴーストを見つけると敵を牽制しながら近寄り
「ランページゴーストか?」
「あ、あぁ、テメェらは」
とノアが聞けば、どうやらエゴールが万が一の保険にと配備してあった彼の部下らしく、この状況に陥ったと同時に行動を開始、今接触してきたらしい。彼の部下というだけあって、戦闘力は確かであり、ならばと
「事情はわかった、だけど一つ頼みがある」
「頼み?」
「後ろにいるコイツラの撤退の護衛を頼みたい、お前らも聞いただろ、大陸横断鉄道列車まで撤退するって、それに合流してくれりゃいい」
ならそっちはと一人が聞く、そもそもにして彼らはランページゴーストの支援できたというのにそれを離れろというのだから、そのような頼みは聴けないと言う言葉すら出てきそうな空気に
「アタシらは囮になる!敵はこっちを潰したいのか異様に狙ってくるからな、それを逆に利用してやる」
「現状では戦術人形は集まらなければ、いえ、集まっても戦闘は難しい状況です、ならば戦える我々が戦い、注意を出来る限り引きつけるのが今取れる手段かと」
「それにまだ孤立してる味方だって居る、私達はそれを助けないといけないからね!」
だから早く行け!それだけを告げるとランページゴーストは一気に散開、彼らが撤退しやすいように道を切り開いていく、一方エゴールの部下達は数瞬迷うが
「武運を!全員、彼女たちを連れ撤退するぞ!」
撤退行動を開始、それからランページゴーストも奇しくもオートスコアラーと同じように一度集まり、それから
「さて、大仕事だな、行けるなシンデレラ、マキシマム」
「無論。それよりも隊長こそ気をつけて下さいよ、何かあったら私達が怒られるのですから」
「へへ、不思議と怖くない、大丈夫、行けるよ隊長、副隊長!」
二人の答えに笑みを浮かべ、シュトイヤークリンゲのグリップを捻ってエンジン音を響かせ、それが合図とばかりにランページゴーストが動き出す、敵は大群、こちらは三人、しかして彼女たちの脳裏には敗北はなく、あるのは生きて帰るという決意である。
そして戦場がこうならば突如として通信が途絶えたナデシコ内部はもっと大騒ぎになっていた
「クソっ!どこも通信が繋がらない!」
「辛うじて上空からだけならば敵の反応は見えるが、伝える手段が無い……ヒポグリフは!」
「最後の通信だと補給に戻るって話だから、あった、前線基地で待機中だ」
それは良かったと息を吐き出すがこのままでは宜しくない、勿論ながらこの状況を回復させようとキャロルも手段を講じ、更には自身のルーラーとしての権能を全て解放したのだが結果は
「まさか、ルーラーを使ってもどうにもならんとは、チッ、どうする」
「じゃあ三人同時でならどうかな」
ユノの声がナデシコに響き二人が振り向けば、AK-12と共に彼女が現れる、どうやら一度離脱してからまた特殊戦術室に入ってきてこの状況に居ても立っても居られなくなったらしい。
だがそれよりもとキャロルは先程のユノの言葉をもう一度聞いてみれば、なるほどと納得する。要はこの場にいるユノとキャロル、そして量産型とは言えルーラーであるAK-12で
「……それで行こう、オモイカネ、俺はこっちに付きっきりになる、介入後の戦場の情報支援はお前に任せるぞ」
「了解、気を付けてね」
「うん、よし、AK-12も良いね」
「勿論、二人の足を引っ張らないように頑張るよ」
それから三人が背中合わせの状態になり、特に声も合わせずに同時に権能を解放、三人の周囲に幾つもの、そして様々なモニターや円形のキーボードのようなものが表示されて彼女たちはそれを凄まじい速度で操作していく
「領域指定よし、支配権の獲得開始……」
「もう少し、もう少し……来た!」
「支配権の獲得完了、システム介入開始、このま、キャッ!?」
システム復旧を、ユノがそれを操作しようとした刹那、彼女たちの周りのそれからスパークが走り小さな爆発を引き起こす、それはキャロルとAK-12も同じだったようで気付けば先程までの表示されていたのは全て消え去り、それはつまり
「三人掛かりで、駄目だった?」
「ありえない、理論だけで言えば三人ならもう鉄血いや、世界のあらゆる自立兵器は支配下に置ける物だよ」
「……となると今展開されてるのはそれ以上、それこそ埒外の物と言えるな」
冷静な声でキャロルが告げる、これはもう鉄血云々のレベルではないと、それと同時にこちらからはもうどうすることも出来ないということも判明してしまった。出来るとすれば、この数分後にペルシカからの通信で告げられた【万能者】が出撃したという情報を元に、間に合ってくれと祈る……だけな訳がない
「つまりだ、万能者がそれをどうこうできたと同時にもう一度三人同時に今のやったらどうなるんだ?」
「確実に勝てるようにはなるね」
「二人共、少しはノアちゃん達の心配してあげようよ」
「と言うか消えたはずのアンノウン軍団の反応が再出現してるんだけど!!!???」
しかし別にこのまま眺めているだけで終わらないとキャロル達はあらゆる手段を講じるのであった。
という事でオートスコアラー及びランページゴーストは囮と殿としてこの戦場で暴れてます、自由に使ってね!
まぁ、この話書いてる最中にアブノーマリティが再出現したけどラーニョチーム以外動かせなくなったね!ハッハッハッハッ(乾いた笑い
因みにルーラー三人による権能を完全解放の能力のイメージとしてはプリ○ネのネネカさんのUBを発動した状態でラビリスタのUB状態のスキル1と2を間髪入れずに延々と繰り広げるような感じです、本来なら問答無用で勝利宣言できるんですけどね、相手が悪かった