それいけポンコツ指揮官とM1895おばあちゃん!!   作:焔薙

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急に、向こうから、謎のパワードスーツ特攻の武器が来たので


大乱闘ドールズフロントライン! Session8

いいか、本来だったら自分はこんな非常識な戦場にいるような人形じゃないんだよ!!、トゥーマーンの心境は今それしか無かった。だが今回ばかりはその非常識な存在の援護のお陰で何とか少しは退くことが出来ているのでとりあえずは叫ばず済んでいる。

 

だが、あの激戦区から退いた所で結局は戦闘区域から脱出できている訳ではないので自分たちの役割は殿から遊撃に変更された程度、負担はほんの少しだけ軽くなった、というくらいにしかなっていない。

 

「スユーフ、これからどうする!」

 

「とりあえず、ラーニョチームと合流を目指しましょう、彼らも弱い訳では有りませんが数に攻められば流石に持たないと思われますし」

 

「……合流できりゃあな」

 

「またアイツラ出てきた!!!」

 

遊び抜きになっているジャウカーンの報告にトゥーマーンは言葉にしなかったのになぁと気怠げにレーザーブレードを構え周囲を見渡す、確かにあの激戦区の包囲からは脱出できた、出来たのだがそれから少ししない内に例のパワードスーツ軍団【祈祷者の軍団】に見事に囲まれていた。

 

どうやら最初の邂逅で大暴れをし過ぎたらしく、オートスコアラーも危険部隊として認定されたらしい、そしてもう一つ気付いたことも在った。

 

「向こうの言葉から察するに、復活してきてるな」

 

「再生産ってこと?」

 

「いえ、そういう感じではないですね、そう考えるには復活も速すぎます」

 

「がるるるるる……!」

 

また非常識かよとトゥーマーンが思わず呟けば、スユーフもダラーヒムも流石にそう思い始めているのか苦笑だけが返ってくるし、ジャウカーンに至っては一度遊び尽くしたということもあれば、周りで味 方(トモダチ)が殺されている数が増えすぎていると直感で感じているのでいい加減終わらせなきゃというスイッチが入っている。

 

さて、どう包囲を突破するか。そんな事を考えていると凄まじい爆発音とジェットエンジンの音に上空を見れば、見たことのない大型航空兵器と決して少なくはない数の航空兵器がドッグファイトを繰り広げている光景、どうやら大型航空兵器の方はランページゴーストの隊長であるノアだというのは目視からのデータで分かった、つまりはもう一方の数が多い航空兵器は鉄血の増援であり……そこまで考えついてトゥーマーン、遂にキレた。

 

「後出しジャンケンも度が過ぎてんだろこの戦場!!!」

 

「トゥーマーン!?」

 

「こっちが有効を出せば直ぐに対抗手段、挙げ句的確にこっちを不利にしてくる手段をとってくる!というかそんな兵力あんだったら最初から出しやがれ!!!」

 

叫び、いや、もはや雄叫びに近い主張と共に彼女らしからぬ攻勢で祈祷者の軍団に切り込む、これには三人も想定外だったらしく驚くも直ぐに戦闘を開始、色々考えるのは後にして突破を優先、その背後、先程まで居た戦場で物凄く冷たい空気を感じたが振り向きはしない、と言うよりも振り向いて疲れたくないというのが半ば本音である。

 

だがその行動は功を奏する、オートスコアラーとしてはラーニョチームの騒ぎ声がする方角へと向かっていると、途中で何やら歓声が聞こえ見てみれば味方の集団が戦闘を行っている光景、全員に確認を取り合流してみれば

 

「リバイバー?この騒ぎは?」

 

「おぉ、丁度良かった、実は渡したい物があってな」

 

渡されたもの、それの特性の説明、使い方、それらを聞いてオートスコアラーは、と言うよりもトゥーマーンは重々しい息を吐きだして

 

「もう何でもありだなこの戦場は……」

 

だが装甲無視で倒せるというのは非常に助かるというのも確かであり、自身の武器を腰にマウントしてからそれ、【イガリマ】と言われた鎌を構える、重さはそこまででもなく扱いやすい、これは当時の状況だったからなのあらゆる武装を使えた方が良いのではないかという元のシステムも組まれているので鎌だろうと問題なく扱える、のだが

 

(鎌を想定される状況ってなんだ?)

 

(それは言わない約束ですよトゥーマーン)

 

「所でジャウカーンは良いの?」

 

「両手で直接の方が気持ちがいいです!」

 

思わぬ答えにダラーヒムがこれ以上は触れないほうが良いなと思い、まぁ良いんじゃないかなと笑顔を送り鎌を構え、オートスコアラーは彼らと別れて改めて戦場に躍り出てイガリマを使い祈祷者の軍団他鉄血を斬り伏せていく。

 

以前よりも楽に敵を処理しつつ、戦っているとふとジャウカーンがある方角を見つめ固まった、スユーフがどうしたのかと聞けばゆっくりとその方角を指差して

 

「なんか強そうなのが居る」

 

「あ?って、確かに何か武装が豪華だなあいつ」

 

「明らかに被害がヤバいでしょあれ」

 

「……つまりリーダーユニットなのでは?」

 

ふと呟いたスユーフの言葉に全員に閃きが走った、この復活する存在のリーダーユニットとなればあれを撃破することが出来れば少なくとも鉄血とは関係ないパワードスーツ軍団は勢いを削ぐことが出来るのではないのかと。

 

だが懸念もある、通常ユニットだって決して弱いというわけでもなかったというのにリーダーユニットとなれば恐らくは生半可な強さではないだろうということ、もしこの場で真っ向から挑めるとすれば

 

「ワタシです!」

 

「でもジャウカーンちゃんで拮抗だった場合が最悪です」

 

「……あのさ、何も正面から倒さなきゃイケないって訳じゃないでしょうか」

 

「トゥーマーンが悪い顔してるな~」

 

ニヤリと笑みを浮かべながら鎌を肩に置いて彼女は作戦を口にする、それは祈祷者の軍団と最初に接敵して奴らが自分を見抜けなかったからこそ思い付いた事、そして何よりリバイバーと接触した際に向こうの電子攻撃のデータを受け取ったということ、最後に……

 

このトゥーマーンという人形が撹乱潜入という謀略という部分を何よりも強化され、即時様々な組み換えが可能なオートスコアラーの例に漏れずに、そして後出しジャンケン云々はお前も人のこと言えないだろうと言う人形だったということを。

 

作戦を全員に伝えてからオートスコアラーはあのリーダーユニットへと向けて突撃を開始、ビームランチャーからの砲撃により撤退中の味方に被害がシャレにならないほど出ているのはラーニョチームの騒がしい声で何となく分かっているので時間がないと速度を早めつつ向かえば、勿論ながら向こうとて彼女たちに気付き、攻撃及び祈祷者の軍団を仕向けてくる。

 

「ダラーヒム、兎に角ジャウカーンの時間を稼ぎますよ!」

 

「分かってる!というか、マスターはあの娘に甘すぎるでしょ、モンスター騒ぎの倒した奴の特性全部乗っけてあげるとか駄目でしょ!」

 

「そこは帰ったらマスターとよく話し合うことにしましょう」

 

などと言い合ってる間も鎌で装甲なんてものを無視して切り伏せる、どうやらこのイガリマに関しては向こうも知っているようで明らかに動揺しており、数に対しては思ったよりも苦戦はせずに戦えているが

 

「やばっ!スユーフ、ビームランチャーが来る!」

 

「ッ!!!」

 

光と同時に着弾、回避こそ出来たスユーフだが爆発で思わず身体のバランスが崩れそうになるのをダラーヒムがカバー、そのタイミングで合図とばかりにジャウカーンの大声大砲が上空に向けて放たれたのを確認。

 

二人は急いで左右に力一杯に飛び退く、この行動に祈祷者の軍団は疑問に……思うよりも前に

 

「ひっさぁぁぁぁぁぁつ……ボォォォォォルテッカァァァァァァァァァ!!!!!」

 

ジャウカーンの雄叫びとほぼ同時に地上に稲妻が走った、それは直線上、祈祷者の軍団のリーダーユニット【祈祷者の軍団を統べる者(プレイヤーズ・レギメント・ハヴァック)】に向け一直線に飛んでいき、そして

 

「ぐぅぅぅぅ!!??」

 

「アハハ、止めるなんて凄いね、でも遊んでいられないからさっさと消えろ!!!」

 

奇襲にプラスしてそのまま力一杯の連撃を浴びせるがその装甲は祈祷者の軍団よりも数倍堅いのかジャウカーンの爪を受けてなおも健在であり、逆に反撃とばかりに無理やり距離を離して武装全てを解放、これに電磁シールド全開で防ごうとするも

 

「うわっとととと!!???」

 

これは無理だと判断したジャウカーンは電磁シールドを展開している両手を無理やり動かして弾くように攻撃をいなしたがその好きに祈祷者の軍団を統べる者が急接近、重量の乗った蹴りをモロに喰らい吹き飛ばされる。

 

「ぐっ!!??」

 

「これで終わりだ」

 

その言葉にジャウカーンが急ぎ起き上がろうとするがそれよりも早く両手のライフルから射撃が撃たれ……ることはなかった。

 

いや、祈祷者の軍団を統べる者も撃った筈だと自身の腕を見れば、何故か視界が縦にズレている、そして認識したというタイミングで

 

「バァカ、誰がお行儀よく戦うってんだよ」

 

崩れ落ちる祈祷者の軍団を統べる者の背後から現れたのは鎌を振り下ろした格好のトゥーマーン、つまり今までのは全て囮、自身のステルス機能を全開に使い、更には他の面々に暴れに暴れてもらっている隙きに接近、そして今に至るこの姿は正に【死神】、いや

 

「汚いなさすが忍者きたない」

 

「ハッ、汚いは褒め言葉よ」

 

所でリーダーユニットっぽいの倒したけど、どうなるのこれ?トゥーマーンの疑問に特に誰かが答えることはなかった。




……多分これ後で物凄く怒られて修正することになると思うんですよ(名推理)

でもほら、いい加減放っておくにはちょっと無理があるし、イガリマっていう特攻武器来たし、どうせこの後にもっと面倒なことになるだろうし、すみませんでしたぁぁぁぁ!!!(土下座

ジャウカーン必殺技講座
【ボルテッカー】
モンスター騒ぎの際に狩ったジンオウガの素材を組み込んで使用できるようになった技、大気中の電気や周りの残骸からの残留電池など諸々をチャージして突撃をする、味方に当たるとそれはもう目も当てられない被害になる。

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