それいけポンコツ指揮官とM1895おばあちゃん!!   作:鮪薙

704 / 794
うわでた


大乱闘ドールズフロントライン! Session12

P基地、教会。未だ大規模作戦の最中ではあるがそこでは一人の人形が変わらず何時ものように祈りを捧げていた、本来ならば他にも二人ほど居るのだが今は作戦開始と同時に活発に動き出した鉄血への攻撃のために出撃してしまったのでここには居ない。

 

「……」

 

祈りを捧げているのは【M82A1】、だが姿こそ他の基地にも配属されている彼女と変わらないのだが、その中身と言うべきか、正体というべきかが色々違う人形、この特異点の集まりとも言えるP基地においても更に異彩を放っている彼女は作戦が始まり、局面が最終に近づいた所で突如として祈りを捧げ始めたのだ。

 

もし、この場にG3が居たら異変に気付いたかもしれない、今こうして祈りを捧げている彼女だがそのボディは空になっていることを、勿論ながら普通であれば異常なことではあるのだがこと彼女に置いては異常ではない、どういうことか?そして彼女の意識はどこにあるのかとなるだろう、その答えは戦場にある

 

「あぁ、やはりと言うべきでしょうか、逝けぬ魂がこれほど……」

 

M82A1が凄惨極まる戦場を見渡しながら呟く、だがその姿は教会で祈っているときの姿ではなく、G3達があの教会で出会ったときと同じ長い丈の真っ白いローブに身を包んだ姿であり、こんな格好で居れば間違いなくフードマント集団に攻撃されるはず……

 

だが全く相手にされていない、いや、それどころか周りの味方からも認識されていない、もっと言えば戦場であるので当然ながら銃弾が飛び交うものであり、その一発が彼女の身体に飛んでいき、当たること無く貫通、向かい側のフードマントの一体を貫いた。

 

驚くべきことだろう、彼女は今この場には人形でありながら精神体に近い状態で存在している、勿論ながら周りからは認識されるはずもなく、M82A1がそれを気にすることもなく、その場でしゃがみ込み、側に居た遺体の一つをゆっくりと撫でてから

 

「えぇ、あの敵への憎悪はあるでしょう、己の行いへの後悔もあるでしょう、友が生きているかという心残りもあるでしょう……ですがそれを抱えたままでは昇れません、故にこの場にてそれらを敵に向けましょう、晴らしましょう、さぁ私の声を聴いて下さい」

 

貴方達全ての負の感情、今この戦場で晴らし尽くしましょう。そう告げ、彼女は咏い出す、だがその言葉はもはや人という枠を超えた言葉、人という、否、生物という括りでは理解も言語化もできない声、それを優しい声で咏いながら戦場をゆっくりと歩を進めていけば光の何かが辺りから浮かび始め形取り、動き出す、全ては己を殺した者たちへ、今なお戦い続ける友を救わんと……

 

「……?」

 

異変に初めに気づいたのはノアだった、あれから万能者の援軍のお陰でRFBのマキシマムスーツも修復されて行動を再開、今はラーニョチームやオートスコアラー達が合流している混成部隊との合流を目指しながら敵と戦っていたのだが、突如として敵の動きがおかしくなった事に気づいた。

 

急に目に見える範囲の敵の動きが悪くなった、だがそれはシステムの不具合とかのものではなく、物理的に動きを阻害されているかのような感じで、それと同時にあらぬ方向への攻撃も始まり、そうすれば流石に周りも異変に気づく

 

「これは……?」

 

「なんだなんだ?バグったのか?」

 

「そんな感じじゃない、もしかして何か手が加わった?あ、まさか!」

 

共に行動をしているDMCの面々の一人であるブレイクの言葉にRFBが答えてから、はっと閃いたと声を上げればノアもそれに思い至りすぐに通信を彼女たちに繋ぐ

 

「こちらイチイバル、ナデシコ、そっちから何かしたか!?」

 

考えられるとすれば、支配者(ルーラー)による介入、物理的に動きが阻害されているの原理は分からないがあり得るとすれば彼女たちの行動だろうと思った彼女たちだが返ってきたのは

 

《え?ちょ、チョット待ってて……いや、指揮官達も三人がかりでその第三勢力のシステムに介入しようとはしてるけど、まだ出来てないみたい!》

 

「おい、じゃあ、これは何が起きてんだよ」

 

まさかの答えに改めて戦場を見渡す、気付けばその異変は今この場に居る全ての第三勢力に及んでいるのか辺りで明らかに動きが悪くなり、今までは蹂躙されるだけだった味方が反撃に転じていたり、自分たち以外の敵と戦っているような、だが何も居ない箇所へ攻撃している個体や、中には誤射のような形でフードの敵同士が撃ち合っている光景にギルヴァが

 

「また新手か?」

 

「だったらアタシらも異常が出るはずだ、でも今の所、この場の全員にそれは起きてない」

 

「隊長、ならば今の内に味方を援護しながら本隊との合流を目指した方がよろしいのでは」

 

「……よし、正直に言えば気味が悪いが今の状況を利用しない手はねぇ、一気に行くぞ!」

 

この時、彼女たちはこの場だけの現象だと思いながら進軍を再開した、だが実際はこの不可思議な現象は他でも、いや、この戦場全域で

 

ある地点では敵の連携が急に狂い出したと思えば、まるで互いに連絡ができなくなったとばかりに個々で攻撃を始めたという報告が

 

またある地点では、自分たちを攻撃していた集団が見えないナニカに襲われたとばかりに虚空へと攻撃を始め最終的には同士討ちすら行い始めたと。

 

またとある負傷し孤立してしまった正規軍の兵士や、人形が、死んだはずの戦友や友の声に導かれ進めば友軍が居て助かった、もしくは友軍に救出されたと。

 

x3smi38jy 0;kb5ssmi

 

そんな事が起きているのを知らないのか、将又起こると知っているから行ったのか、M82A1は戦場で言葉にならない言葉の詩を咏い続ける、そして咏えば咏うほどに彼女の目にしか映らない光が数を増し、フードマント集団へと張り付くように動き出す。

 

張り付けばその個体は動きが悪くなる、勿論ハックなどを疑い即座にセルフチェックを行うが出てくるのは

 

【システムオールグリーン、問題は発見されず】

 

のメッセージ、そしてチェックが終わると同時に今度は何も居ないはずの空間に敵の反応が現れ、その個体の視界では既に包囲されているように表示される。何が起きている、そう考えるよりも前に視界に人形が飛び込み、反撃を行うがまるで煙のようにふっと消えたと思えば身体がまた重くなり、見れば憎悪の感情を剥き出しに自身にしがみつく人形、否……

 

人形だけではない、人間も居る、気付けば足元には身体には空には、人形が人間がニンギョウがニンゲンがニンギョウガニンゲンガ、その全てが己を憎悪の表情で睨みつけしがみついている光景

 

「!!!!????」

 

通信で味方にと救援をと辺りを攻撃しながら個体が行うが返ってくるのは

 

ユルサナイ

 

ニガサナイ

 

ゼッタイニ

 

コロシテヤル

 

憎悪に駆られた声だけ、一つとして味方のものが流れず、だが近場にいる味方にならばと動き出そうとした時、その味方が居るはずの方向から撃たれ、何がと見てみれば、自分と同じようになっている味方の姿。

 

今戦場は、今までと逆の光景が広がっていた……




Q 何が起きてるの?

A あの元教祖が善意100%で動いてるだけだよ、でも相変わらずよく分かんない理論で霊体として存在してるから今回は皆から見えないだけだよ

【機械仕掛けの信仰されし名も無き女神】
P基地のM82A1の詩()で起こされた者たちがただ憎悪や未練などを晴らすために動き出している現象

今起きてる現象全てはシステム的不具合は一切ない。通信妨害も、認識阻害も、制御プログラムも全てが正常である。

その全ては物理的に引き起こされているだけに過ぎない。動きは張り付かれているから、虚空や味方から出ている敵の反応は自身の存在が表に出すぎているから、通信の声はただ呟いているだけ。

全ては憎悪を晴らすために、生き残っている戦友や味方を助けるために、そうすれば自分たちは安らかに眠れるのだから……

分かりやすく言うなら零シリーズの悪霊みたいな感じ、あのゲーム怖いよね。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。