それいけポンコツ指揮官とM1895おばあちゃん!!   作:焔薙

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長く苦しい戦いだった……


大乱闘ドールズフロントライン! Session13

万能者がこの状況を打破出来る攻撃を行うから耐えてくれから始まった、魔の10分と呼ばれる攻防、勿論ながらランページゴースト、オートスコアラー、ラーニョチームも味方と連携を取りながら耐え、そして4つの太陽が打ち上がり……

 

効果は絶大だった、あれほど居たフードマント集団はほぼ全てが大破、あれを生き延びることが出来た幸運な個体もリーダーユニットが撃破されたとは思えない統率力で撤退を開始、それはつまり

 

「……終わった?」

 

「少なくとも、見える範囲では敵は居ないかと」

 

【レ・ザネ・フォル】を構えながら周囲を見渡していたダラーヒムが呟けば、同じく【レイテルパラッシュ】を構え警戒しているスユーフが答える。

 

「寧ろこれで終わらなかったら吠えてやるわよ……って、あ~あ、流石に限界が来たみたいね」

 

「もうバッテリー無いからボルテッカー撃てないぞ!」

 

B基地のガンスミスの手によってライトセ○バーに改造された己の両腕のレーザーブレードを構えていたトゥーマーンだったが、腕のレーザーブレードを強化していた改造バッテリーから音と同時に煙が上がり光の刃が引っ込んでいく光景を見つつボヤく隣で両腕を上げてそんな事を笑顔で言うジャウカーン、だが彼女も爪の耐久の問題から戦闘限界が近づいていたので結構ギリギリだったりする。

 

さて、どうなっているとオートスコアラー、だがその警戒は

 

《こちらナデシコ、こちらから見える範囲だが敵性勢力全ての撤退を確認した、現在は支配者(ルーラー)の支援はAK-12一人分で発動しつつ、警戒態勢に移行している》

 

「マスター!?ってことは、マジでやっと終わったってことですか」

 

《あぁ、詳しい報告は帰投後に聞く、P基地所属の全部隊は他の者達の撤収支援を行ってから帰投、今作戦はそれをもって終了とする……さてワイズマン指揮官に礼と話をしなければな》

 

誰よりも信頼できる自分たちの主の言葉に息を吐き出すオートスコアラーの面々、戦闘を主に作られた彼女たちだが今回ばかりは本気で骨が折れたというもの、だが仕事はまだ残っている、スユーフがそう告げれば軽く一休みを行ってから彼女たちは撤収支援などの手伝いへと駆り出されるのであった。

 

所変わりランページゴースト、先程のキャロルからの通信に同じく息を吐き出し、ノアはその場で座り込んでしまい、RFBはマキシマムスーツから降りて同じく座り込む、アナはと言うと彼女は座り込みはしなかったがアメノハバキリを杖代わりのようにして肩で息をしていた。

 

「あ~、流石にしんどかった」

 

「と言うか、フェアリーリリース作戦の時とは別ベクトルで過酷だったね」

 

「私なんて一度は死にましたからね……思ったのですが、私どういう原理であの姿になったのでしょうか」

 

彼女の何気ない一言にえ?となるノア、その反応にそう言えばあの時は空に居たから知らなくて当然かとRFBが事情説明、アナは自身の体を見渡してからイグナイトモジュールに異変がないかセルフチェックを行う、結果は

 

「あ、あれ?え、タイムリミットが999秒に伸びてる?」

 

「……わぁい、原作再現だ~。じゃないよ!?え、何で!?」

 

「こりゃ、おめぇは帰ったらフルメンテだな」

 

因みにDMCのの面々も居るので彼らとも話をした結果、後日、S10前線基地にアナが出向き診てもらう流れとなる、これにはキャロルもその日の内に了承、科学の観点からでは分からないからなとの事。

 

だがしかし、彼女たちもまた仕事が終わったわけではないのでこの後も手伝いに駆り出される、残業代出るんかなこれとかノアは思ったとか

 

続いて、オートスコアラーと合流しようと思ったけどリバイバーの支援要請に僕たち近いから行こー!とノリと勢いだけで向こうと合流、大乱闘を繰り広げたラーニョチームはと言うと

 

【これから僕たちは撤収支援の手伝いを行うよー!】

 

【つまり残業だー!】

 

【残業じゃなくない?そもそも定時って何時だよー!】

 

【あ、弾薬無いんだけど、補給したほうが良いかなー!】

 

【装甲も割と凹んでるー!】

 

わいのわいのと騒がしい彼らにリバイバーも元気な奴らだなぁとか思ってたとか、因みにだが彼と合流した際のファーストコンタクトの際の状況は、突撃ー!と叫びながら颯爽と現れて

 

【やぁ、僕たちはラーニョ、君がえっと……主任の妹さんの彼氏さんだよね、援護しに来たよー!】

 

何だその呼び方は、そうツッコまれたのは言うまでもないだろう、なお彼らはリバイバーの事は割と気に入っている、と言うよりも基本的に人懐っこいので誰にでも懐くのではあるが。主任の妹さんの彼氏という言葉を理解しているからなのかつまりは身内だな!という判定をしているようで、更に懐き度合いが大きいとか何とか

 

一方、ヒポグリフパイロットである81式はというと、彼女は既に愛機を駆り撤収支援の手伝いを行っていた、やることは色々ある、だがそれも遠くから来る輸送ヘリの群れが来るまでの間だろう、だがだからと言って手を休めるつもりはない、まだまだ空を飛べる時間があるというのならば飛ぼう、それが自分の存在意義なのだからと

 

(それに、飛んでないと難しいことを考えてしまいそうですしね)

 

そういうのは基地に居る指揮官達の仕事、故に彼女はそれ以上は考えずに、ふと目に見えた救助を意味するスモークを確認してからヒポグリフを運ばせる、まだまだ仕事は山積み、それは現場だけではない、ナデシコ内部だって同じことである

 

「あぁ、それと今回、そちらに貸し出した機材2つだがそのまま持って帰ってもらっても構わない、こちらで量産は出来るからな……む?あぁ、別になにか考えがあるわけではない、ただ指揮を任せてしまった報酬の一つだと思ってくれ」

 

そんな感じにワイズマン指揮官と通信を行ってから、ふぅと息を吐き出す、何の負担もなく行っているように見えた権能解放ではあるが実際はかなりのものらしく、既にログアウトしているユノも珍しくヘトヘトですと口にするほどだった。

 

なのでキャロル自身も、そしてAK-12も消耗はしてしまっている、が彼女たちもまた悠長に休んでいる暇はない

 

「さて、後処理が山積みだな……」

 

「それもだけど、今回で結構派手に色々と引っ張り出したからね、いよいよこの基地も過剰火力だ何だって言われそうだよね~」

 

「……ふふっ」

 

オモイカネの言葉に反応したのはAK-12、これには笑われた彼女も何いきなり笑ったのとAK-12を見つめる、確かに今回の戦場で見せた数々は間違いなくグリフィンという枠で言えば過剰なものだらけだ、なんだったら余裕で違法だと言われてしまう物だらけ……【違法】であれば

 

「もしそうだとすれば、この基地はもっと、いや、遥か昔に国家保安局から強制調査されているだろうな」

 

だがそんな話は全く出ていない、向こうが動いていたという記録もない、だがオモイカネがよくよく思い出してみれば、今回のことがなくてもこの基地は違法性の塊であり、それがこうして野放しにされて、更に言えば

 

「私をこの基地に配属したのはその国家保安局、変だと思わなかった?」

 

「え、あれってアンジェリカがって……あっ」

 

「そうだ、いくらアンジェリカとは言え量産型ルーラーであるこいつを独断ではこの基地に送れない、ともすれば間違いなく組織としての決定があったということになる」

 

キャロル自身も指揮官になってから国家保安局という組織を1から勉強して疑問に思ったことだった、何故この基地は調査の一つもされないどころか、フェアリーリリース作戦の時には手を貸し、その前には量産型ルーラーであるAK-12を自分たちではなくこの基地に送ったのかと。

 

疑問を覚え、考え、調査して、彼女は余りにことの単純さに笑ってしまった。何てことはない、誰しもがこの基地はグリフィンの管轄だと当然ながら思っていた、しかし蓋を開けてみれば

 

「このP基地、もっと前は【プリズン基地】だったっけ?まぁ、ともかく此処は、3つの組織が共同で管理している基地なんだよ」

 

「……はい?え、3つって、その、もしかしなくても」

 

「3でグリフィン、これの代表は勿論【クルーガー社長】、3で正規軍でこれは当初は【ヨゼフ・アルブレヒト】だったが今は【カーター将軍】らしいな、そして残りの4の割合で国家保安局、プリズンという名付けも向こうからの提案、だったよな?」

 

キャロルがナデシコメインモニターに視線を向けると同時に国家保安局の局長の名前が表示と通信が繋がり、キャロルと彼との会話を聞いてオモイカネはとんでもないことを知ってしまったぞと恐怖し

 

「え、これ、万が一、誰かに喋ったらあたい消される?」

 

彼女の質問にAK-12がイエスともノーとも答えない笑みを浮かべれば、子鹿のように震えることしか出来ないオモイカネであった。ともかく、こうして大規模作戦は幕を……閉じたいのだが最後にもう一つの場面だけ書いておこう、そう、超常現象という形で援護に入った彼女である。

 

M82A1は全てが終わったその場所にまだ留まっていた、殆どの魂は未練を残さずに、そして『蒼』のあの行動で天へと召された、しかしてそれでも怨嗟が濃い存在は未だ残るというもの、そう、今彼女の目の前に巨大な怨嗟として存在している者もそうである。

 

まだだ、まだ足りない

 

「えぇ、そうでしょう……この地に固まっている怨嗟、何よりあの者たちが今まで殺してきた者たちの恨み、それらが簡単に晴れるものではないでしょう……故に、貴方達に役割を与えましょう」

 

仇なしてきたあの者たちにさらなる復讐、感情も知らないあの者たちに、恐怖をという感情だけをねじ込みなさい……永劫と消えない恐怖を、汝らの怨嗟をもって、かの者(ユノ)に仇なす者たちに終わらぬ呪いを……

 

感情が籠もった声でM82A1が告げれば、目の前の怨嗟は役割を得て、喜びに打ち震えるように行動を起こす、その日、撤退し今回の戦いの膨大なデータを送信したはずのあの集団は怪異に見舞われる。

 

データノハソンヲカクニンシマシタ

 

データノショウキョヲカクニンシマシタ

 

データノ データノ データノデータノデータノデータノ

 

数少ない生き残りの一部が発狂を起こした、記憶したはずのメモリーが消えた、大元へと送ったデータにすら破損が現れ、結果として7割強の記録が消えることとなる、特に今回の怨嗟が引き起こした事例は念入りに……

 

そして同時期、この戦場の裏で暗躍していた者たちもまた怪異に見舞われ、その日から終わることのない恐怖に、安息が訪れることは無くなった……だがそれを知るのは

 

「怪異を狩る者、どうか今回は見逃して下さい、唯の善意ですので」

 

見えているのか、はたまた気配を察してか、斧に手を掛けている一人の傭兵に言葉を掛けてからふっと消えたM82A1しか居ないのである。




後半にバカみたいに色々盛り合わせしたけど、この基地が今の今まで外部から何もされなかったのはこれが良いかなぁと言う話

え、M82A1さん?そりゃお前、怪異は恐怖されてナンボだからな、簡単に情報を全部持ってかれる訳には行かないよなぁ?

という訳でSessionが着くのは此処までか或いは次回までかは不透明ですが大規模コラボお疲れさまでした!!

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