それいけポンコツ指揮官とM1895おばあちゃん!!   作:焔薙

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ハイハイが出来るようになりました


わんぱくベビーズ

P基地、レクリエーションルームもとい託児所、基本的に誰かが駐在しているという部屋ではないが主にユノが教師になるための座学の時などに連絡をして主にクフェアがクリスを連れてルキアの事を見ていることが多い部屋、内部には彼女たちが安心安全に遊べる知育玩具や過去にアーキテクトが制作したダイナゲート『おゆうぎしますちゃん』やJrAR小隊が彼女たちの相手のために集まったりしていることが多い。

 

そんな部屋に今日もルキアを抱えたユノが来た。目的は勿論ながら娘である彼女を此処に自分が教師となるための授業を受ける間だけ預かってもらうためである、のだが

 

「う~」

 

「うん、言いたいことは何となく分かるけどね、ごめん、お母さんはこれから先生になるための勉強をしに行かなくちゃいけないんだよ」

 

「ぶぅ!」

 

一緒に行きたいと言う意思表示だろう、両手をユノに向けるのだが彼女も流石に連れて行くことは出来ないと両手を合わせてルキアに謝ってから

 

「んじゃ、今日もルキアをよろしくね、クフェアちゃん」

 

「はい、勉強頑張ってきてください、お義姉さん」

 

行ってきますとユノが出て扉が締まるがルキアはその扉を凝視している、もしかしたらまた開くかもしれない、そんな感じの期待を幼いながらもしているのかもとクフェアが思っていると彼女の側で大人しくしていたクリスがハイハイでルキアの側まで向かい。

 

「あう」

 

「うう?」

 

因みにだがルキアもクリスもハイハイが出来るようになっているので行動範囲が大幅に広がっている、とまぁこれは今は置いておこう。ともかくクリスが近づき何やら声をかけるとルキアは彼女を見るなり笑顔で応えるように声を上げ、それから二人の赤子による会話?のようなものが展開される。

 

恐らくは毎日のように待っていれば帰ってくるから遊ぼう、みたいなニュアンスだとクフェアは思いながら二人のやり取りを眺めているとコンコンと扉がノックされ、クフェアが答えれば

 

「ルキア、クリス!お姉ちゃんたちが遊びに来たわ!」

 

「本当はルピナスが遊びたかっただけ」

 

「でもステアーお姉ちゃんも此処に向かうって聞いたら嬉しそうだったよ?」

 

入ってきたのはルピナス、ステアー、シャフトのヴァルター家三姉妹、どうやらアニス四姉妹は今日はまだ寝ているらしい。それにしても彼女たちは今日の業務は大丈夫なのだろうかとクフェアが思い、既にクリスとルキアの二人の相手を始めている三人に聞いてみれば、返ってきたのは目の前の彼女たちからではなく

 

「問題ないのじゃ、ユノから来る時にルキアが不満げだったから相手をしてあげて欲しいと言われてな、いわばこれが今の業務内容じゃ」

 

「ヒャ!?あ、な、ナガンさん来てたのですか」

 

「驚かすつもりは無かったのじゃがな、すまぬ。まぁそういうことじゃから、しばし相手は任せておけ、お主も少しでも羽根を伸ばせる時は伸ばしておくべくじゃぞ?」

 

いくら人形といえど、無茶が過ぎれば倒れるからなとクフェアの隣に座りながらナガンが告げるのだが彼女としては別に無理はしているつもりはない、無いが自分が気付かない所でそういう部分が見られているのかもしれないと考えてから

 

「ありがとうございます、でも言うほど疲れたとかは無いですけどね」

 

「そう言って、過去に過労で倒れた孫が居ってじゃなぁ」

 

「はは、気を付けておきます」

 

ならばよいがの、と笑いながらルキアとクリスの相手を笑いながら行う三人を眺める姿を見てクフェアは思えばこの人は何かと自分やユノを気にかけてくれるなと、確かに子育てというのは何かと体力や気力、神経だって使うことはあるし無理が祟って倒れてしまったなんて話も聞かないわけではない。

 

しかし、それを加味しても自分たちに気をかけ過ぎではないかと。無論、ルキアとクリスのことも気にかけてくれているし、彼女たちの相手をしてくれているので別段気にするようなことではないとは思うのだがと考えつつも

 

「ナガンさんは……うーん、その、母親になってからの私やお義姉さんの事を」

 

「必要以上に気にかけている、と聞きたいのかの?」

 

「あ、はい、いや、別に迷惑っていうことではなくて、えっと」

 

「分かっておるよ、ふむ、そうじゃな……親を失った子の悲しみを直で見てしまってるが故に、かの」

 

その言葉を聞いてあっとクフェアはなった。この人はその別れを見ている、聞いている、だからこそユノの祖母として、決して慣れているわけがないその役を担って彼女を育て導いてきていた。

 

だからこそ、今度はその悲劇を起こしてはならないと思ってしまっているから、最近の彼女の行動なのだろう、倒れ、二人の子供を悲しませたくないという感情が故の

 

「わしとて、そう簡単にお主らが倒れたりはしないとは理解はしておる、してはいるのじゃがどうしてもな」

 

「でも、助かってますよ。お義姉さんもきっとそう思ってます」

 

「じゃと嬉しいがな、行き過ぎた老婆心だと思われていないことを祈るばかりじゃよ……む?」

 

突如としてナガンが扉の方に視線を向けた、どうしたのだろうかと思っていると誰かがこちらに向かっている気配、それはシャフトも感じたようでルキアとクリスが扉に近づきすぎないようにと誘導している。

 

はて、ユノが授業を終えるにはまだ早い、もしかしてノアかクリミナが早めに帰ってきたのだろうかと考えている間にノックされて入室してきたのはダンボールを抱えたアーキテクト、彼女はそれを運んできたようでヨイショと箱を下ろせば、何だなんだと好奇心の塊であるルキアがハイハイで近寄ってきて、ペシッとダンボールを叩けば

 

「っ!?きゃ!きゃ!!」

 

「……何が入っておるのじゃそれ」

 

「リバイバーからなんだけど、私も知らないんだよね。ていうか、ルーちゃんは突然ダンボールがガタガタって動いても驚いて泣き出すんじゃなくて笑いながら更に叩くのか……」

 

ガタガタと動くのがそんなに楽しいのかルキアは何度もペシペシとダンボールを叩いてはその反応に声を上げる、一方クリスはというと彼女も別段驚いたりする様子はなく、ルキアの隣でただその様子を眺めているだけである。

 

やだ、肝が座りすぎてるこの赤ん坊とアーキテクトが思いながら、とりあえず中身を見ちゃおうかとダンボールを開けた瞬間、緑色の何かが彼女の額に向けて飛来、避けることも叶わずに直撃すれば

 

「いったーい!?な、何!?何が飛んできた!?」

 

「デレタ、デレタ」

 

「えっと、説明書によるとこの子達は『スフィア』っていう、ペットロボットですって」

 

ぺ、ペットロボット?と赤くなった額を擦りながらクフェアが渡してきた説明書と設計図を読み始めるアーキテクト、その間に黄色、青、赤、白、緑、ピンク、紫の七体のスフィアはルキアとクリスに挨拶をしてからその周囲をクルクルと転がっており、クリスは不思議そうに眺め、ルキアはそれを捕まえようと追いかけ始める。

 

ルピナスとステアー、シャフトは何だかラーニョみたいだねと思いながら一体と会話を始めたり、ナガンは

 

「これまた珍妙な物が送られてきたの、じゃがまぁ子供たちの相手と言うのならば確かにこういった物が丁度よいか」

 

「ふふっ、クリスも気に入ったみたいですからね、あ、手足あるんだ」

 

それからユノが帰ってくるまでの時間、スフィアやあとから来たJrAR小隊を交えて遊び、彼女が帰ってくる頃には

 

「ただいまって……ありゃ、寝てる」

 

「遊び疲れたのじゃろうな、お疲れ様」

 

「お疲れ様ですお義姉さん、どうしましょうか、皆が起きるまで待ちます?」

 

ルピナス達も含めて皆、可愛らしい寝息を立てて眠っていたとさ。




最後に登場した『スフィア』はNTK様の『人形達を守るモノ』からの贈り物です!え、もっと具体的にどんな物かって?あれですハ○です

次回予告

「聞いてくれ、ルキアちゃんからチョコを貰ったんだ!」

「お前ルキアちゃんと同じクラスになるのは初めてか?肩の力抜けよ、クラス全員にチョコは配られてるからな」

「……」

(未定です)

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