それいけポンコツ指揮官とM1895おばあちゃん!!   作:鮪薙

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ネット回線が復旧できたので初投稿です


☆ 青春しろよ少年少女(M16並感)

恋というのはどういう物なのだろうか、ううん、私にはこれまでも、これからも縁がない物、でも今私は幸せだから別に必要もないものだとも考えているから

 

それに私は未だに男の人が怖い。傷は確かに癒え始めている、だからこそ今はこうして孤児院で働けているし、少しは男の人が前でも対応だけならば出来る……会話は、出来ないけど

 

だから、初めは何でかは分からなかった。単純にお仕事で来ている人だから、M16さんの紹介だから、色んな理由で彼を怖いと思わなかったのだろうと考えていた。

 

これは……私が、『恋』を知るお話、そのスタートラインのお話。

 

___________________________________________

 

シャフト・ヴァルター。ヴァルター家の三女にして娘たちの中では一番大人びている少女であり、過去の影響で男性恐怖症が未だに言えていない気弱で人見知りな少女である。

 

13年経った今ではレイディアントガーデンにてお手伝いさんとして働いており、そこの子供たちはお姉ちゃんと懐かれており、職員やロペラとフトゥーロからも働き者で助かっていると評価を貰っているほどではある

 

もっとも客人との対応は未だに得意とは言えないのでそこは他の誰かに担当してもらっていることが殆どである、とは言っても人形といえど得手不得手というものは存在するというのは分かっている人たちなのでそこも問題ない。

 

「え、今日は何時ものお爺ちゃんじゃないんですか?」

 

何時ものお爺ちゃんとはレイディアントガーデンの家電設備を定期的にメンテナンスしてくれる職人のことなのだが院長のロペラが言うには来れなくなったとのこと、その理由を聞いてみれば

 

「腰をやっちゃったみたいでね、あの人も結構な年だからね、それで今回からお爺ちゃんのお弟子さんが此処を担当することになったみたいなんだけど、ほら、ってその時は居なかったか、お爺さんの付添で来たこともあるあの男の子なんだけど」

 

そこまで言われてロペラが伝えんとしていることがシャフトにも理解できた。そして彼女自身もウッと成る、確かに13年という月日とこの孤児院や街の人達、そしてヴァルター一家のお陰で男性恐怖症は以前よりも段違いに改善はされている。

 

これがもし今回だけ、というのならばロペラもそこまで問題視はしなかっただろう、だが歳ということもあり後進に道を譲るという意味でも今後もその弟子が此処に来て、割と大きい敷地内の設備を整備するために動き回り、もしかしたら彼は近くの誰かに何かを聞くために声を掛けるかもしれない、つまりはシャフトへのストレスが多大に掛かってしまうのではないかという危惧をしているのだ。

 

シャフトもそれを聞いて少し身構えてしまったのは事実であるが昔を、そして自分のこの恐怖症を盾にいつまでも燻りたくはない、そんな感情が働いたのだろう、彼女は確かにロペラの顔を見て

 

「あの、私はその、大丈夫ですから……」

 

「そう?でも、無理だけはしないでね?」

 

「はい、ありがとうございます」

 

ペコリと頭を下げてから、シャフトは次にまだ残っている孤児院の作業に向かっていく、その背中をロペラは眺めながら此処で働き始めた頃の彼女を思い出す。

 

今のように誰かの顔を見て何かを言うことも難しく、子供たち相手でもどちらかと言えば振り回され、大丈夫なのかなと考えてしまうくらいには男性という存在に露骨ではないが恐怖を感じていた彼女

 

だけど今しがたの彼女は身構えた素振りを見せはしたが大丈夫だと自分の顔を、目を見て伝えてきた。もしユノやクリミナに話せば確かな成長だと喜ぶこと間違いなしだろう、だが万が一はある、なのでと彼女は電話機を取り出して……

 

「なるほどね~、オーケーオーケー、任せておきな、少年には伝えておいてやるさ」

 

《ありがとうございますM16さん》

 

ロペラが繋いだのはM16、というのもその弟子は彼女が昔にスリからその手先に器用さに感動して職人のところに投げ込んだ少年だからだ、そして今でも交流はあり、休暇でP基地に帰ってきた時は決まってガーデンの彼が働いている工房に顔を出すほどである。

 

と言うよりも工房に居なくても適当に見つけ出してはちょっかいを出している、少年、今では青年であり名は『ジェイク』はそんな彼女を自分を救ってくれた恩人で、頼り甲斐がありながらも絡み方があまりにオヤジ染みているのでそこは改善して欲しいと考えている彼は今、M16に連れられカフェに居た。

 

「で、いきなりなんだよ姐さん」

 

「いやいや、日頃から頑張っている少年に奢ってやろうという年上からの気遣いさ」

 

「少年って……これでももう二十歳超えてるんだが」

 

「ハッハッハ、私から見ればいつまでも少年だ、っとそうじゃねぇ、少し話があるってのも確かだ」

 

話?突如として少し真剣な声に変わったM16にジェイクは怪訝な表情を少ししつつも姿勢を正す、その行動に根はやっぱり真面目な奴だよなぁと感心しつつ彼女は彼が今度行く孤児院の話を始める。

 

だが彼からすれば師匠である『シド』からも聞いている場所であり、実を言うと二度ほど付添で向かったこともある、なので今更説明されてもと思っていると

 

「んでだ、その孤児院で働いている一人、男性恐怖症の奴が居てな、見たことあるかは分からないがメガネを掛けてちょっと気弱そうな娘なんだが」

 

言われ思い出すために思考の海に潜る、なんてこともする必要がない位にあっさりと思い当たった。確かに居た、その時は孤児院の子供たちの相手をしていたそんな風な少女を、どこか儚げで、でも何故だろうか気弱と言われたがジェイクには彼女は確かな芯の強さというものを感じた少女を。

 

「まぁ、心当たりはある、要は怖がられても気にするなってことだろ?」

 

「ついでに言えば私の元上司の娘……「娘!?人形だろアイツ?」いやぁ新鮮な反応ありがとう、まぁちょいと複雑な事情ってやつだよ、てかお前も知ってるだろヴェルター家って、あそこの娘だぞ?」

 

ヴァルター家、と言われれば勿論知ってると彼は頷く、悔しいが自分よりも腕が上であるステアーと名乗っている少女が、と言われた所で自分の驚きがなんとも今更だということを理解してコーヒーを一口

 

「ヴァルター家ね、確かチッコイのがリディアンで教師してる所だろ?」

 

「チッコイのが私の元上司で、シャフトの母親だって言ったら信じるか?」

 

「……まぁ、不可思議は昔のほうが多かったし?驚かねぇよ、うん、驚かねぇ」

 

十二分に驚いている、彼女の口ぶりから13年前から対して姿が変わっていないとうことも勘のいい彼は気付いており、世界の闇かと心の中で呟くのであった。

 

その時はジェイクはまぁ気を付けておけばいいか、その程度に考えていた、だが知らなかった、この出会いが彼の、いや、シャフトと二人の少し甘酸っぱい、そんなお話の始まりだということを……




因みに時系列はバレンタイン前くらいだと思う(無計画)そしてこの話の引き方で分かるように続きます、暫くの☆話はこの二人の青春ラブコメにしたい(未定)

活動報告で暫くとか言いながら今週分普通に掛けたので要らぬ心配をかけて申し訳ないでござる……
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