それいけポンコツ指揮官とM1895おばあちゃん!!   作:鮪薙

716 / 794
言うて半分も無いけどなその描写!!


今日も元気に犯罪組織撲滅

キャロルが指揮官になってから何度目かになるが相変わらずな周りの反応に彼女はため息を吐き出す。

 

ここはグリフィン本社、ヘリアンへの提出する報告書などの書類を持ってきたのだが毎度のことながら彼女がここに来てヘリアンの執務室へと向かい廊下になると職員や他の基地の指揮官たちが彼女を見るやそそくさと道を譲るのである。

 

(まるでモーゼだな、まぁもっともポジティブな感情からの行動ではないのは確かだろうがな)

 

気を張る必要すらないレベルに向けられている視線の殆どには忌避に近いそれが籠められているのがよく分かる、それと同時に彼女の基地の存在のお陰で救われている部分もあるが故に下手に手を出せない、つまりは

 

「触らぬ神に祟り無しみたいな扱いですね、ムカつく」

 

「声がデカイ、チッそもそも何で付いてきてるのよアンタは」

 

「警護は多すぎても駄目ですけど少な過ぎも問題ですよね?それに指揮官からも了承されてますし」

 

隙きあらば口喧嘩に発展しそうになる二人をキャロルは視線で黙らせてからまた一つ溜息をついた所でふと何かを感じて歩が止まる。

 

勿論ながら後ろを歩いていた二人も止まり、どうしたのかと疑問を投げ掛けるよりも前にまず初めにFive-sevenが気付き、ほぼ同時にサイガも勘付いてから3人が声で合わせることもなく歩き出しながら出来る限り小さな声で

 

「……今の、どう思う」

 

「ロリコンでしょ、殺す」

 

「泳がせておけ、今の行動で俺たちが勘付いたことに気付いかない辺りズブだろうしな」

 

それからは特に何もなく執務室に到着、キャロルはサイガを扉前に待機させ(物凄く恨めしい顔でFive-sevenを睨みつけてた)Five-sevenにインターホンを鳴らして貰ってから所属と名を名乗れば入ってくれと返事が来るので入室すれば

 

「毎回、わざわざ済まない」

 

「そう思ってるのならば通信報告だけでいいようにしてもらいたいものだな」

 

「出来たら苦労はしないさ」

 

違いないと苦笑気味に答えてからFive-sevenが持っていた書類を彼女へ手渡しすれば、向こうも軽く流し読みをして、パット見の問題がないと判断すれば

 

「確かに受け取った……所で、少し時間はあるか?」

 

「その切り出し方だと無いと答えても話が続きそうだな、構わん、どうせナデシコはAK-12に任せている」

 

「それにしても珍しいわね、ヘリアンがそんな顔するなんて」

 

適当な椅子に座ってから二人がそう告げれば、ヘリアンは助かると答えてからコーヒーを一口飲んでから、実はなと話を始め、数分後、今の話をざっくりというのならば

 

「幼児を狙った誘拐事件の多発、タイミングが判断に困るわねこれ」

 

「あぁ、DG小隊の子供の件もあり、それに関連して事情を知るグリフィンの職員が行方不明になる事件も起きている、正直、無視はできない案件だ」

 

「ついでに言えば、民間学校の事業の計画もあるからな、尚のこと無視なんてものは出来ないだろうな……だが恐らくはDG小隊の件とは別だろう」

 

キャロルの言葉にどういうことだとヘリアンが続きを促す、が当の彼女はその前に喉を潤したいとFive-sevenにコーヒーを要求、彼女も彼女でヘリアンに許可を貰ってからコーヒーを淹れ、いつものように砂糖とミルクを足してから渡せば、礼を伝えてから一口

 

「それで、別件とはどういうことだ?」

 

「今回の誘拐事件の真の目的は俺だろうな、幼児に狙いを絞ってるのはまぁ適当な情報しか貰ってないのだろうと言うのと被害が出れば動くだろうという願望だろうな」

 

「雑ねぇ、って情報しか貰ってない、それって」

 

「何者かが裏で糸を引いている、と言うことか。有り得ない話ではないか、唯でさえ貴官が指揮官になってから少しの間は本社に来る指揮官とも悶着があったらしいからな」

 

悶着、とはヘリアンは言っているがキャロルからすれば心からどうでもいい嫉妬などからの言い掛かりに対してストレートに事実を相手に告げただけ、それが問題なのだがと彼女は疲れたように伝えるが

 

「知るか、ともかく向こうが雑ならばやりようは幾らでもある、今日中に片付けよう。では失礼する、行くぞ57」

 

「ちょ、ちょっと待て、何をやるつもりだ!?」

 

「簡単なことだ、要は……」

 

彼女の口から出された計画とも言えない案にヘリアンが絶句をし、Five-sevenは苦笑をし、偶々扉の近くだったが故に聞こえてしまったサイガは絶対ダメですそんな事!!と叫び、だが結局は指揮官特権と確実に潰せるという自信たっぷりの言葉で通されることになり、同日、キャロルとFive-sevenの二人は街を散策し……数十分後、彼女は見事に誘拐されていた。

 

(こうも上手く事が進むと笑いたくなるものだな)

 

「お嬢様に触れないでもらえるかしら!?」

 

「へへ、怒んなよ、いい女が台無しだぜ?」

 

が当のキャロルは物凄く冷静であり、身なりは付添の侍女に変装こそしているFive-sevenも怒ってはいるが実のところ楽しんでいるだけである、これが彼女が立てた物凄く安直な計画、自分を餌にして犯罪組織を生け捕りにしてしまおうである。

 

そして見事それが嵌った、どうやら日常的に子供を誘拐しては売り捌いているらしく、今回もキャロルがP基地の指揮官だと気付かれなければいい値段で売られるらしい。因みにキャロルの相手は適当な情報しか貰ってないは少々違ったらしく、向こうは写真を片手に

 

「で、身なりとかは似てるがコイツも違うのか?」

 

「いや、微妙なところだな……おい、テメェ名前は」

 

さてどうするか、と思考を巡らそうとしたがFive-sevenからアイコンタクトが飛んでくる、どうやらサイガが我慢の限界であり、ついでに呼んできた助っ人も到着寸前とのこと。

 

予定よりも馬鹿みたいに早いのだがとキャロルは優秀すぎる彼女に呆れながら、『拘束されていた』両手を動かして調子を見ながら

 

「キャロル・エストレーヤ。喜べ、貴様らが依頼されていた目的の人物だぞ」

 

「おい、拘束具はどうした!!」

 

無意味な質問をするなよと行った感じに気怠そうな視線を飛ばせば、それが挑発と捉えたのか男がキャロルに手を出そうと動き出したと同時に彼の後方から射撃音と真横を掠める弾丸、しかし後ろにいるのは武器もなにもない筈のコイツの侍女のはずだと、振り向けばその彼女、Five-sevenが椅子に座った体制のまま足を上げハイヒールだった靴を大型なデリンジャーのようなそれに変形させた物の銃口を向け

 

Don't touch me?(お触りは厳禁よ?)

 

「そういう事だ、観念してもらおう」

 

告げながらキャロルが軽く集中すれば胸元が光ると同時にダウルダヴラが展開、その時になった漸く男は理解した。自分たちは化け物の巣を突いてしまったのだと……刹那、男の意識が刈り取られた、そのことを二人が気に留めるわけもなく、サイガとの合流の為に走り出す。

 

そのサイガはと言うと、彼女は執務室での1件の後、キャロルから頼まれP基地に連絡、助っ人を呼んでいた。その助っ人とは

 

「天が呼ぶ、地が呼ぶ、人が呼ぶ!悪を倒せと私を呼ぶ!!聞きなさい、悪党ども!!!私は正義の味方!キャリコだ!!!!」

 

「テメェら、誰の許しで指揮官を汚い手で触ったんだよ!!!なぁ、おい聞いてんのか!!!」

 

「……あの、殺さないでくださいね?」

 

どこかで聞いたこと有るような名乗り口上をするキャリコと普段の口調はどこに行ったという口調で殴り散らしていくサイガ、そしてその光景にどう声を掛けて良いのか分からないからとりあえず注意喚起をしつつ、他にも囚われていた子供たちを開放に回るコンテンダー。

 

このまま行けばあっさり終わるだろうなと思っているとコンテンダーの頭上の窓ガラスが割れ、そこから飛び出してきたのはキャロルを抱えたFive-sevenが着地と同時に彼女を降ろして

 

「Let's dance, boys!!」

 

両手に愛銃を構えつつ、集団に突っ込み両手の愛銃と両足に装備した新装備『プロト・バタフライ』による銃撃、打撃で、支柱を使えばポールダンスの用に踊りながら無力化していく、その様子をキャロルは見ていると

 

「指揮官!あぁ、こんなに汚れて、すぐに拭きますね、アイツラこんな汚い手で、くそ、落ちろ、落ちろ」

 

(潔癖症、それもかなり根が深いタイプ。彼女の過去に何が?)

 

「……サイガ」

 

誰が見ても彼女が異常だと分かる、どこから取り出したのかウエットティッシュでキャロルの頬を、首を、肌が見える所を執拗に拭く姿にキャロルは何も感情を見せずに彼女の名を呼べば

 

「っ!?あ、ご、ごめんなさい……」

 

「構わん、全員そのまま制圧に入れ、ダウルダヴラよりオートスコアラー、逃げようとしてる奴らは居ないな?」

 

《こちらスユーフ、『大穴』を捕獲、どうやらマスターと対面したかった様子》

 

「ふん、脅しでもしようという魂胆だったのだろうな」

 

その後の流れは書くまでもないだろう、ここまでのメンバーが揃っているのならば苦戦する要素もなく犯罪組織は無事全員が捕縛され、グリフィンの指揮官の枠が一つ空いただけ、キャロルから言わせれば

 

「疲れただけだったな」

 

「でもまぁプロト・バタフライの試運転には丁度良かったわね」

 

「ちょっと、それ私のも下さいよ、副官だけとかズルくないですか?」

 

「ハハッ、アンタなんかにこれが扱えるわけ無いでしょうに」

 

また始まりそうな言い争いにキャロルは深くため息を付きながら三人は基地へ帰るのであった。




正直、57さんの試作武器を書きたかっただけである。

次回は分からん、キャロルたちのドタバタになるか、はたまた別か……

『プロト・バタフライ』
アーキテクトがまたゲームから発想を得て再現した試作品、普段は57が好んで履いているハイヒールなのだが彼女の意思一つで踵部分を主軸にデリンジャーに近いものが生成されそこから射撃が可能になる。

コーラップス技術が使われており、弾数は20発打ち切りか意識すれば1秒ほどのリロードタイムが発生、威力はグリズリーに近く、そのため射撃の反動も大きいはずで足で扱うのは難しいとされるのだが57はこれを難なく操り、現状では彼女専用装備となっている

因みに分かると思われるが元ネタはベヨネッタの『スカボロウ フェア』の両足しかないバージョン
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。