それいけポンコツ指揮官とM1895おばあちゃん!!   作:鮪薙

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初々しく話すがいいのさ


☆ 料理は会話を咲かせやすい

「さぁさぁ、気楽に雑談でもしながらお昼としようじゃないか」

 

などというM16のお気楽な声が場を支配するがジェイクとしてみては対面の少女が落ち着いて食べれないだろこれという感情しか無い。

 

パッと見ただけでも分かるほどに緊張してしまっている彼女にジェイクは頭を書きながら出来る限り怖がらせないような感じの声を意識しつつ

 

「あ~、と、姐さんに巻き込まれたんだろ?無理しなくてもいいぜ」

 

「い、いえ、大丈夫……です」

 

「ってことだ、というか私が事前に確認しないと思ってるのか少年よ」

 

それよりもほら座れ座れとシャフトの対面の席を叩き促せば、ジェイクは再度頭をポリポリ掻き一つだけ溜息を吐いてから、失礼しますと一言入れて着席。

 

M16はその様子を満足気に頷いてからポンッと手を一つ叩く、となれば二人の視線はM16に向けられば

 

「食事の前に自己紹介しとかねぇか?二人はまだ名乗ってすらいないんだろ?」

 

「え、いや、まぁそうだけど」

 

チラッとシャフトの方を見る、確かに玄関口で会った時には互いに名乗ってはおらず、軽い挨拶だけで終わってしまってはいる。

 

一応ジェイクの方はM16から来ていたということもあり彼女の名前は知ってはいるのだが向こうはそんな事知らないだろうし、男性恐怖症のことは聞いているので声を掛けるのも悪いだろうと昼前の仕事の時は出来る限りロペラやフトゥーロに色々と聞いていた。

 

しかし、こうして対面でというだけでも緊張している彼女に自己紹介というのは何を考えてるんだ姐さんはと疑問を込めた視線を向ければ

 

「ん、どうして急にって顔してんな?なぁにこれから少年は定期的に此処に来る、だからまぁこうした場を設けて慣れてもらおうって魂胆だよ」

 

「なるほどな、確かにまぁ、分かんなくもねぇけど……あぁ、分かった。んじゃお言葉に甘えて失礼するぞ?」

 

「は、はい!」

 

緊張してるなぁとジェイクが思いながらシャフトに視線を向ける、勿論ながら相手が怯えないようには最善の注意を払っている。

 

M16から彼女のことは聞いており、自分の目でもパッと見ただけで人形だと分かる彼女、『AS Val』タイプだと知識から分かるが一般的な彼女たちとは明らかに違う雰囲気などを感じながら

 

「とりあえず名乗っておくか。ジェイクだ、見ての通り整備士として働いてる」

 

「あ、え、えっと、しゃしゃ、シャフト・ヴァルター、です」

 

ふむ、思ったよりもしっかりと見てくるなというのがジェイクの抱いた感想だった。異性とこうして会話をするというのも慣れていないと言うと男性恐怖症が手伝いかなり言葉には詰まってはいるがそれでも名を名乗り、ジェイクをキョドってはいるが視界に入れている、その事に話よりも男性恐怖症は薄いのではと彼が思うくらいだ。

 

対してシャフトも驚いていた。というのも彼女が思うよりも言葉がすんなりと出てきたからだ、確かに男性はまだ怖いし、普通だったらこうして対面に座られようものならM16のサポートでもなければ自己紹介も出来ないと思っていたからだ。

 

だけど出来た、しかも視界に入れた状態でだ、どうしてだろうと考えそうになるがその前にM16から

 

「さて、名前は名乗れたことだし、とりあえずメシ食おう、腹が減ってはなんとやらってやつだ」

 

「あ、そ、そうですね」

 

「にしても量凄いな……」

 

この数分後、この量の半分以上が目の前の少女の胃に収まることを彼はまだ知らない……緊張してるのに食べる量は減らんのねとM16が言ってしまうのも無理はないだろう。

 

と少し先の未来の話は置いておき、三人はテーブルに並べられた料理を食べていく、どれも味は確かで美味しいものであり、その中でもジェイクが好んで手を伸ばすものにシャフトが思わず

 

「あの、アップルパイ、好きなのですか?」

 

「へ?アップルパイと言うか、りんごが好きだな」

 

「そういや、私がカフェとかに連れてってもアップルティーとかよく飲んでたな、そういうことだったのか」

 

M16の言葉に頷きながらアップルパイを一口、サクッとしたパイ生地を齧れば中のリンゴを砂糖で煮詰めたプリザーブ状の具が口の中で程よい酸味と飴味が広がる。

 

街の店などで彼もアップルパイはよく食べるがそれと比べても

 

「美味しいな、いや、本当に」

 

「お、良かったなシャフト、少年からお褒めの言葉が貰えたぜ」

 

「え、これ作ったのおま……コホン、シャフトなのか?」

 

「はい、お菓子はお母さんに教わってるので」

 

エヘヘと言う感じにシャフトは笑みを零す、これに驚いたのはM16、確かに自分がこの場に居て、ジェイクならばそこまで怖がらないだろうとは考えていたがよもや彼の前で笑みを零すまでにすぐになるとは考えてなかった。

 

これは嬉しい誤算だなと思うが、もしかしたら彼女は褒められると直ぐに笑みを零す少女なのでそれかもしれないと考えつつ

 

「しかしまぁ、少年がリンゴが好きだってのは初めて聞いたな、いつ好きになったんだ?」

 

「まだ姐さんに捕まるよりも全然前、飢え死にしかけてた時にな。なんか知らねぇけど身なりの良いおっさんがリンゴを3つ分けてきたんだよ」

 

話によると、ジェイクは勿論何のつもりだと反発、対してその男性は特に何も考えてないと答えてから

 

「『俺も昔はホームレスで死にかけてた時にこうして助けてもらった、だから今度は俺がそうする番になっただけ』って、まぁ腹減ってたのは確かだからそのりんごを食べたんだけどさ。めちゃくちゃ美味かった、なんかもうどんなご馳走よりも美味いんじゃないかってくらいに」

 

故に彼はリンゴが好きらしい、味がというもも勿論だがこれが命を繋いでくれたというのが大きいだろう、しかしその男性は何者だったのか、ジェイクいわく

 

「金貸しだって言ってたな、この街でなのかは知らないし、そもそも十数年も前だから、今もやってるかどうか……」

 

「でも良い人、ですね」

 

「元ホームレスで金貸しの男性ねぇ……」

 

シャフトは良かったという感じの声だったがM16は何かが引っ掛かるのか難しい顔をする、ジェイクを救ったことに関してだけ見れば悪い人物ではないのだろう、しかし本当にそれだけなのか。

 

いや、今此処で考えても仕方がないと考えはそこで打ち切るのだが、後にこの疑問はあっさりと解かれることになるがそれはまた未来のお話

 

「にしても、シャフトって結構喋るんだな」

 

「へ、あ、そ、その、ごめんなさい……」

 

「いや、謝んなくてもいいんだが」

 

とりあえずこの二人のやり取りをもう少し見てるか、M16は思考をそっちに向け初初しい二人を眺めながらサンドイッチを食べるのであった。




ラブコメって、難しいねんなって……

因みに元ホームレスで金貸しの男性のCVはきっと山寺。
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