それいけポンコツ指揮官とM1895おばあちゃん!!   作:鮪薙

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あれ思ったよりも積極的だぞ(M16並感


☆ 青春ランチ

M16主催で始まった、三人の昼食会は彼女の予想よりも、いや、はっきりと言うのならば

 

(会話が起こるもんだなぁ)

 

「そう、なんだ。じゃあ、家具とかも、直せる?」

 

「あんま難しいものじゃなければな」

 

このようにジェイクとシャフトがM16が合いの手などの介入をせずとも二人だけで会話が成り立っており、これはM16としても想定外と言わざるを得ない光景である。

 

確かにジェイクとシャフトはある程度相性的なものが良いだろうなとは考えていたのだが、それでも数週間近くは掛かるだろうと思っていた、それがまさかたった一度の、しかもさして時間が経っていないのにこの展開、もしかしたら無理に話しているのではとシャフトの表情を見てみるのだが

 

(変に緊張してるとかじゃないな、リラックスと言うわけでもないが……)

 

「それにしても、結構食うんだな」

 

「へ?あ、えと、お母さんの方が、沢山食べます」

 

「……え、これ以上?」

 

思わず視線がM16に向けられ、それに気付いた彼女が一旦思考を中断してからそれはいい笑顔で彼の疑問に一つ頷いて答えてから

 

「何だったら、ちょっと大きめの電子ジャーを渡しても空になって返ってくるぜ?」

 

「食費を考えただけで頭痛がしそうだなそれは……」

 

予想を超えた答えにジェイクは思わず苦笑しつつアップルパイを一口齧る、時間が少々経っているというのに生地は未だサクサクで口の中に広がる酸味と甘さで困惑してた頭が落ち着けていると今度はシャフトの方から

 

「あの、M16さんとは、何時知り合ったの、ですか?」

 

「13年くらい前か、姐さんの財布をスッたんだよ」

 

「え!?」

 

「お~、懐かしいな。私にその場で気づかせなかったんだから今思っても凄い腕だったなぁ」

 

沁沁とその時のことを思い出してか笑いながら、シャフトのその時のことを説明していく、とは言っても彼女が関わったのは彼をシド工房に放り込んだまでなので、その後のことは実は知らない。

 

なので実際どうだったんだよと聞いてみれば

 

「どうもなにも、とりあえず色々聞かれて、で、まぁ、本気でやってくかどうかって言われたから頷いた」

 

ただその時はその道を目指すということではなく、衣食住が手に入るチャンスを投げたくはなかったというのもあったという、だけど

 

「そりゃまぁ、あの爺さんは滅茶苦茶厳しいけどさ、上手く言ったことには褒めてくれたり、俺が直した物を客が喜んでくれたりするのが……嬉しかった。生きるためにしか使ってなかった手先の器用さが誰かのためになってるって言うのがさ」

 

「なるほどな、それでこの街一番の整備士になるって宣言してきたってことか」

 

「うぐっ、また懐かしいことを……いや、まだそれは目指してる、目指してるんだが」

 

「どう、したの?」

 

何やら言い淀み始めるジェイクにシャフトがそう問い掛ける、と書けば何とも普通な会話の光景なのだがM16は実は言うと先程から驚きっぱなしである。

 

シャフトという少女は何度も書いたが重度な男性恐怖症の持ち主であり、いくら自分がここに居るからと言ってもここまで会話ができるような少女ではない、しかし予想と反し彼と会話し、更には今のように彼女から声を掛けるということすら出来ている。

 

(こりゃ、思い切っても良いかもしれねぇな)

 

「この街で一番ってのはなかなか難しいなって話だよ、人形人間問わず腕の良いのが多すぎる」

 

言葉にはしてないのでシャフトには分からなかったが、この街で一番の技術屋はと言われ出てくるのは彼の師匠であるシド、そしてヴァルター家の気まぐれ次女ことステアーである。

 

特にステアーの方はジェイクがまだ手こずるタイプの機械や車両であろうと手早く終わらせるほどの腕前、ただ彼女からは

 

『私は人形、それにジェイクだって知識を吸収してからの応用は早いから負けてないと思うけど』

 

と励ました、で終われば良かったのだがそこは負けず嫌いな彼女はボソッと『だとしても一番を譲るつもりはないけど』と呟いているのをジェイクは聞いてしまったのを思い出して苦笑を浮かべそうになった所でふと気付いた。

 

そういえば、彼女は『ステアー・ヴェルター』と名乗っていたなと、ともすれば

 

「なぁ、ステアー・ヴァルターってもしかして」

 

「お姉ちゃん、です」

 

「そうか……はい?」

 

「お、なんだ知らなかったのか。ステアーは次女、んで警備隊に居るルピナスってのが居るだろ、彼女が長女だぞ」

 

掘り返せば掘り返すほど複雑怪奇な相関図を描いてないかこの一家とジェイク、しかしてそこは今日まで生きている彼はまぁそういう関係もあるのかと納得してからふと時間を見れば

 

「やっべ、もう休憩終わらせねぇと」

 

「ん?あ、もうそんなに時間経ってたのか」

 

M16も釣られて時計を見れば確かにそろそろ業務に戻らないと時間を針は指しており、これにはシャフトも自分が気付けばよかったという感情に囚われたのか

 

「あ、ご、ごめんなさい、わわ、私が気付けば……」

 

「いや、シャフトが謝る必要はないっての、それに、会話を楽しんでたのは俺だから」

 

「そうそう、っとそうだ少年、今後も定期的に此処に来るんだろ?」

 

唐突になんだと思いながら彼が頷いたのを確認してから、M16は本来であればもう少し段階を踏んでから出そうとしていた話を切り出してみる。

 

今日のことで彼女は分かった。シャフトは自分を変えようと、一つの壁を越えようとしていることを、なので

 

「そん時、今回みたいにシャフトと昼食を取るとかしてくれねぇか?勿論、いきなり二人っきりとか難しいことは言わねぇからさ」

 

「……まぁ、俺は別にいいけど、そっちは大丈夫なのかよ」

 

「……」

 

話を振られたシャフトだが答えが返って来ない、迷っているようにも感じるその表情にM16は流石に行き過ぎたかと不安になるが少ししてから

 

「あの、わ、私も大丈夫、です」

 

声が震えている、それはジェイクにも直ぐに分かりだからこそ無理はと言いかけた所で彼女の目を見て言葉が止まった。確かな意志みたいなものが見えた、シャフトは間違いなく自分を変えたいのだと言葉にしなくても分かるほどのそれが見えた。

 

「分かった、大した事は出来ないと思うけどそれでも良いなら相手になる」

 

その答えに満足気に頷くM16、しかしこれでは彼がただ作業が増えてしまうなと気付いた彼女はポンッとシャフトの肩を叩き

 

「ひゃい!?え、あ、なんですかM16さん?」

 

「アップルパイ作ってやれ、少年が付き合ってくれるってんならそれくらいのお礼は必要だろうしな」

 

「あ?いや別に無くてもいいんだが」

 

「つ、作ります、リンゴの、お菓子、沢山」

 

もしかして誰かに作るのが好きなのかもしれないという感じにフンスフンスと言う表情でそう答えたシャフトにジェイクは無下にも出来ず、あのアップルパイが美味しかったのもまた事実であり、じゃあ頼むと言うことになる。

 

それから、週に一度、定期整備などで来るときにはシャフトの男性恐怖症を治すための昼食会が開かれることになった。勿論、初めの頃は二人と+M16やフトゥーロやロペラが付き添っていたのだが気付けばそれがなくとも

 

「お、なんか見たことないのがあるな」

 

「う、うん、今日は新しいリンゴのお菓子作ってみた」

 

「……こりゃ驚いたにゃ、シャフトがああも変わるとは想定外にゃ」

 

「だろぉ?まぁジェイク以外の男性にはまだあそこまでとは行かないらしいが、それでも十分な前進さ、ユノとクリミナも驚いてたぜ」

 

更に付け足すとすればユノとクリミナは最近の彼女がなんだか彼と合うのが楽しみにしている感じがあるとも気付いていた。朝食や夕食の時、彼女が休みの時の団欒でもよくジェイクの話題が出て来ることが多いのも夫婦が気付く理由だろう。

 

そんな二人の昼食会、かれこれ数度目の時にそれは起きた。いつものように定期整備で訪れ業務を行い時間になったのでといつもの場所へ向かえばそこに居たのはシャフト……だけではなく

 

「ほぉん、アンタがウチの妹を誑かしてる男ね!」

 

「……は?」

 

「いや多分違うと思うけど」

 

「あの、今日は、その、お姉ちゃんが一緒にって」

 

腕を組み何故か睨みつけてくるP7、もとい『ルピナス』とそんな姉に呆れる『ステアー』そしてどうして怒ってるのか分からずオドオドするシャフト。彼は悟った、これは今日の昼食は何時もと違うし騒がしくなるなと




このラブコメがどのくらい続くのかこれもう分かんねぇな?まぁ暫くお付き合いください、はい。

来週は久しぶりにバトル描写とか書きてぇなぁ
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