それいけポンコツ指揮官とM1895おばあちゃん!!   作:鮪薙

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今回から『いろいろ』様の作品『喫茶鉄血』との大コラボ回!!

ちょっと平行世界のドタバタ解決してくる!


平行世界SOS! Session1

自分はいつの間にか寝ていたのだろうか、キャロルはそんな事を思いながら妙に重たい瞼を開いて、初めに抱いた感情は唯一つ

 

(どこだ、ここ)

 

「指揮官、良かった目が覚めたようですね」

 

「アナ?いや、それよりも此処は?」

 

「すみません、私にもそれは……ただ、幻影が光ったと思えば此処に居たとしか。一応、指揮官が起きる前に周辺を偵察したのですがゴーストタウンだという事以外は」

 

幻影が、その言葉でキャロルは此処で倒れるよりも前のことを少しずつ思い出す。自分は間違いなく基地に居た、外に出た記憶はないし最後の記憶は……

 

(そうだ、今日の書類はもう無いから一時間ほど休んできてもいいと57に言われて、シミュレーションルームに向かったんだよな)

 

向かえば、そこに居たのは丁度シミュレーションを終えて機械から体を起こしたアナ、彼女は一日に最低でも一回はレイラとの戦闘を利用した鍛錬を行っており、だが毎度の如く結果は

 

「惨敗、とはこの事か」

 

「はは、分かってはいますけどね。それはそれとして、やはり悔しいですよ……」

 

正味な話、彼女一人で勝とうというのは難しいという次元ではない、だが彼女はそれでもと挑み、本当に少しずつではあるが立ち会える時間が増えてきてはいるらしい、もっともこれが再現されたデータだからという言葉が付いてはしまうが。

 

それからアナは若干沈んだ気持ちを整えるために装備のメンテナンスを行うというのは暇を持て余していたキャロルも付いて行き、彼女のそれを眺めることに。

 

何とも無い会話をしながら整備は滞りなく進み、最後にと取り出したのは幻影、元々は魔力で構成されていたものなのだがトリガーを引いた時から魔剣に変化、結果として実体を持つことになったそれはキチンと手入れを行わなければならない刀となっている。

 

「何時見ても思うが、気持ち悪いほどに綺麗な刀身だな」

 

「き、気持ち悪い、ですか?私はそうは思わないのですが……これで、よしっとっ!?」

 

そうだ、と彼女はようやく全てを思い出す。アナが幻影の手入れを終えて鞘に納めると同時にそれが光り出し、飲まれてと思うことも出来ずに意識を失ったのだと。

 

とりあえず、ここが何処なのかを知らなくてはとダウルダヴラを起動し周辺地理を読み込もうとする、が出てきたのは

 

「現在地、不明だと?」

 

「はい、更に言えばナデシコとも、P基地とも通信が繋がりません」

 

「どういう事だ……何か情報が分かるものはって、ん?」

 

現在地は変わらず不明を表しているヘッドギアの情報欄に一つだけ反応を拾っているものがあった。それは『ノアの携帯端末』、何故あいつの端末が?とキャロルは疑問に思ってから、とりあえず繋げてみるかとダメ元でコールをしてみれば

 

《え、えっと、もしもし?》

 

「……少し待て」

 

《あ、え、はい》

 

まさか繋がるとは思ってもなかったし、その声が代理人に聞こえたというのもあるし、更に言えば声のトーンが彼女よりもかなり明るい感じだったしと混乱がキャロルの頭の中を支配する。

 

が、いつまでも待てせるわけにも行かないと咳払いで落ち着かせてから、アナにアイコンタクトで通信を共有、それから

 

「突然済まない、貴様は誰だ」

 

《へ?『喫茶鉄血』のDと言います、それでその、貴方はこの端末を置いていったノアさん……じゃないんですか?》

 

今の言葉で二人の疑問が全て晴れた、あぁ、此処って例の平行世界だったのかと。とりあえず、通信先で困惑している『D』と名乗る代理人からの質問に答えるかと息を一つ吐いてから

 

「俺はキャロル、ノアとユノのまぁ『姉』だ」

 

《お、お姉さん!?ああっと失礼しました。あれ、でもどうして急に繋がったんだろ、もしかして》

 

「そのもしかしてだ、どういう訳だか俺達は今この世界に飛んできてしまった、しかも話とは違うゴーストタウンにな」

 

やれやれという感じの声で応えれば、向こうはちょっとタイミングが悪いかったかもしれませんと告げる、どうやら何か問題が起きているらしいということで話してくれと言ってみれば

 

《それがその、今……》

 

彼女が色々と知ってる範囲で詳しく話してくれたが要約すれば、正規軍の列車砲がテロリストに乗っ取られ喫茶店がある街も危険に晒されている、と言うこと。この話が出たと同時にキャロルはアナに再偵察を指示、それから

 

「なるほどな、分かった。俺らの方でも動くとしよう」

 

《え?》

 

「手助けに入ると言っているんだ、こっちの世界でだが今度の休日にユノ達が子供を連れてそちらに行くと言っているからな、何かあったのでは悲しむ、だから任せろ」

 

《あ、ありがとうございます!》

 

「ではこちらは行動を開始する。そうだ、マスターにはこう伝えておいてくれ、後でとびっきり甘いコーヒーを頼めるかと」

 

確かコーヒーが美味しいんだよなということを思い出して、最後に付け足すように言えば向こうも分かりましたと通信が途切れ、キャロルはこれで手を抜けなくなったなとダウルダヴラを全て展開、ついでにこの世界のグリフィンと正規軍の通信でも傍受出来ないかと試していると、再偵察に出ていたアナが戻ってきて、周辺の情報を話し始める。

 

「どうやら街には武装集団が大多数存在、この街の先の線路にはその強奪された列車砲と思わしき武装列車も確認できました」

 

「武装集団の内約は」

 

「確認できた範囲では戦車、ヘリ、それとレーザー砲のような火器も視認、また数は相当数居ると思われ、列車内も同じかと考えられます」

 

「対して俺たちは二人だけ、笑える戦力差だな」

 

もっとも、だからと言って大人しくするつもりはないのだがと作戦を考えていると、アナから実はもう一つと報告が上がる

 

「先程から幻影が喫茶店がある街の方に反応を示していて、『彼ら』も来ているかと」

 

「……ともすれば、俺たち以外もこの世界に来ている可能性があり、その全てがテロリストの対処に向かっている、と考えられるか」

 

「はい、ですがこの街の周りに居るかは不明です」

 

アナからの報告はそれで終わりのようで、キャロルはふむ、と思考を巡らす。現状では戦力は自分とアナ、対してテロリスト側は圧倒的多数、だが装備だけを見ればダウルダヴラを超えることは出来なさそうだし、ちょっと改造も施したのでそれを試したいなと言う科学者としての欲求も生まれ、ついでに言えばこの世界のグリフィンと正規軍も奪還に動き出しているらしい。

 

ということなので彼女はそこで作戦を考えるのを止めた、折角来た平行世界だ、少しばかり羽目を外しても問題ないだろうと

 

「アナ、貴様の装備はどうなっている」

 

「あの時、装備してたのは全てあります。ただ弾薬に関しては左腕以外は差してあるマガジンだけですね」

 

「ならば問題ない、どちらにせよこの世界では無闇に殺すのはマズイだろうからな、可能な限り非殺傷で行くぞ」

 

「了解、それでどのような作戦で?」

 

その言葉にキャロルはニヤリと笑みを浮かべ、ただ一言、物凄く短く作戦内容を告げる、否、それはもう作戦とは言わないだろう、だって

 

「正面切って暴れるぞ、出来る限り目立って俺たち自身を囮にし、この世界のグリフィンや正規軍、他の同じように世界を渡ってきて手助けに入っている奴らが動きやすいようにする」

 

「……ふふっ、承知しました」

 

意外にもこれを聞いた彼女は反対をしないどころか笑って『アメノハバキリ』を鞘から抜き出して峰の方が向くように構える。アナもこの状況で取れる手段なんてこれしか無いと分かっていたのだ、そうして二人の平行世界だからなのか若干テンションが高い二人、キャロルは上空から、アナは地上からテロリストが数を揃えて集まっている場所に向かい

 

《こちらシンデレラ、準備完了、いつでもどうぞ》

 

「分かった、いいか、殺しは可能な限り禁止だ。さて……」

 

上空から見える範囲でも圧倒的な数のテロリストを見下ろしながら彼女は不敵に笑い、ガントレットを地上に向ければバチバチと電気が集まりだす音が、そして

 

「新生ダウルダヴラのお披露目だ、行くぞ」

 

刹那、ガントレットから稲妻が打ち出され、テロリストの一人に直撃し気絶、更にそこからクモの巣状に広がり近くに居た多数を巻き添えで感電させ続々と気絶させていく、何が起きたとなる前に彼らを次に襲ったのは

 

「疾っ!」

 

「グハッ!?」

 

「な、なんだこいつ!?」

 

テロリストから見れば上空から稲妻が落ちてきたと思えば、間髪入れずに刀を持った女が突如として襲いかかってきたという事態に混乱の渦が巻き起こる。

 

その隙きを見逃すわけもなく、キャロルは更に稲妻を放ちながら地上に降下し、両手のガントレットから非殺傷レベルにまで落とした雷撃でテロリストを強襲、だが数は向こうのほうが圧倒的であり、彼女の背後からレーザー砲と銃火器の一斉射撃が襲うが

 

「ば、バリアだと!?」

 

「正確にはディストーションフィールドだ、がまぁ貴様らにはどうでもいいことか」

 

「ひ、怯むな、撃、アバババババババ!!??」

 

一方、アナの方も数は圧倒的有利で向こうは刀という近接武器だと言うのにこちらも蹂躙されていた、何が彼らからすると恐ろしいかと言うと、彼女はなんと

 

「銃弾を切り払うとか何だこの女!?」

 

「知らんのか、あれはサムライだ、極東の地に居る幻の剣士だ!」

 

(侍では無いのですが……)

 

「なんだって!?まさか実在するとは聞いていたがこんなに化け物みたいな存在なのかよ!?」

 

なにか物凄い誤解をされているのではと思いながらも敵と会話をするわけにも行かないので峰打ちで殴り倒していく、そんな二人が大立ち回りをすれば嫌でも注目され始め、遂には

 

「クソッ!誰でもいい、リーダーに『ロリ魔法少女』と『女侍』に攻められていると伝えてこい!」

 

「……ロリ魔法少女って誰のことだ、俺のことか?」

 

「訂正、『オレっ娘ロリ魔法少女』だ!属性過多も良いところだな!」

 

早くこの事件は終わらせないとマズイ気がする、アナの直感がすでに手遅れだったと気付くまでそう時間は掛からないし、そもそもキャロルが気にしてないのでどうしようも無いことである。

 

ゴーストタウンからは怒号と銃撃と、そしてダウルダヴラからの雷撃音が鳴り響くのであった。




『オレっ娘ロリ魔法少女』と『女侍』一体誰のことなんだ(迫真)まぁ最悪、繋がりのある誰かに聞かれてもキャロルとアナのことだなんて気づかへんやろ!

という事でこちらは二人しか居ないので大暴れして囮になることにしました、あとは周りの流れを見て高度の柔軟性を維持しつつ、臨機応変に対処することになろうかと思います

因みにキャロルが言った新生ダウルダヴラは、今までの機能の能力向上に加えて今回のように威力を自在に制御できる雷撃と、各種防御フィールドの展開を可能にした物ですね。

それと今回の大コラボの戦力はこちらなのですが

いろいろ様(主催):『喫茶 鉄血』:代理人、ゲッコー、マヌスクリプト

一升生水様:『本日も良き鉄血日和』:04

白黒モンブラン様:『Devils front line』:ギルヴァ、ネロ

無名の狩人様:『サイボーグ傭兵の人形戦線渡り』:エミーリア、エージェント(+実働部隊)

oldsnake様:『破壊の嵐を巻き起こせ!』:バルカン、マーダー

ガイア・ティアマート様:『閃空の戦天使と鉄血の闊歩者と三位一体の守護者』:シゴ、フィアーチェ、ナイン

NTK様:『人形達を守るモノ』:バレット、スミス、レスト、ウェイター

村雨 晶様:『鉄血の潜伏者』:潜伏者
     :『鉄血工造はイレギュラーなハイエンドモデルのせいで暴走を免れたようです。』:救護者

通りすがる傭兵:『ドールズフロントラジオ』:後輩ちゃん、元指揮官、フロストノヴァ、ガンスミス、ナガン

試作強化型アサルト:『危険指定存在徘徊中』:万能者

こんなのテロリストで相手できるわけ無いだろいい加減にしろ!というオーバーキルっぷりになってるらしいっすよ

……書き忘れないよね?
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