それいけポンコツ指揮官とM1895おばあちゃん!! 作:鮪薙
ドサリとまた一人テロリストが倒れる、しかし彼女がそれに目をくべる事はなく次とばかりに駆け出し、また一人
「たった一人相手に何梃子摺ってんだ!」
「その一人が冗談染みてる強さだからこうなってんだろうが!」
「分断したってのに、囲め!数で押しつぶすしかねぇ!!」
と言葉にするのは非常に簡単である、だがアナもそれを理解している。故に安々とその展開に持っていかれないように動き回り、時に飛び、時には路地にわざと入り込んで追ってきた一人を気絶させない程度の威力で一撃、怯んだ隙きに振り向かせて、盾にするよう突撃を開始
「ちょちょちょっ!?止めろ撃つな!!??ゴハっ!?」
「さ、侍は正々堂々が決まりじゃねぇのか!?グハッ!」
戦いに正々堂々もへったくれもないでしょうにと思いながら間合いに入ったと同時に盾にしてたほうを蹴り飛ばして、更に陰から飛び出て数人の意識を一気に刈り取るが、息を付けることもなく即座に走り出せば、壁に銃弾が嵐のように打ち込まれる。
過去に一人で鉄血から逃げつつ戦っていた頃の経験がこんな形で活かされるとはと思いながら、二手に分かれたキャロルは大丈夫だろうかと少しばかり考え
(まぁ、彼女でしたら大丈夫ですか……それよりも自分の心配、ですね)
「お、お侍様の戦い方じゃない……」
いい加減、侍って誤解は解けないのだろうかとアナは思ってしまうが、まぁどうせ今だけの呼ばれ方だし別にいいかと目の前に集中、もはや何人の意識を刈り取ったかなんて数えてないので分からないがそれでも、それなりの人数は沈めたはず。
だと言うのに数は減るどころか、増えているのではすら思える組織力には素直に感心してしまう、まぁそれでも彼女には問題なく戦えてしまうのだが。
が、ふと彼女の耳が拾った音でアナの表情が少しばかり動いた。
(キャタピラ音……まさか)
音の出処は目の前、そこは広場のような場所であり、万が一出てしまっても即座に囲まれることはない程度の広さしか無かったはずと向かってみれば、居たのは
「これで終いだ!!」
(戦車、やっと引きずり出せましたか)
思わず笑みが浮かんでしまいそうになるのを堪えつつ、向こうが自信満々に出してきた戦車と対峙、背後からも足音はするので本来であれば立ち止まるのは自殺行為なのだが彼女はあえてそれを選んだ。
対して、テロリストは彼女の思惑なんて知る由もないし、そもそもにして戦車相手に重火器を所持していない個人では勝てるはずもないと言う常識があるがゆえに勝ちを確信した笑みを崩すこともなく
「ハハッ、ビビって動けねぇってか!だったらそのまま吹っ飛んじまいな、主砲、撃てぇ!!」
勝った、車長の男は確信しただろう、いや、その確信は車内の乗員ですら同じだ、だからこそ……
「っ!」
主砲を放った次の瞬間の光景に理解が追いつかなかった。砲弾は確かに炸裂した……アナの『後方二箇所』で。
何が起きた、と全員が思うがキューポラから身を出してその光景を見ている車長には分かっている、目の前の侍は何処からともなく別の刀を取り出して、戦車の砲弾を両断したのである。
「おいおいマジかよ……」
「さて、貴様らの戦車はあと、どのくらいある?」
下がれ、その指示すら出せずにまず砲身を斬られた、流れるように無限軌道を無力化された、トドメとばかりにエンジンを両断され、爆発こそしなかったが鉄の塊になったのは確かだろう。
そしてそれを行ったアナは残心とばかりに『幻影』を鞘に収めて虚空に消し、同時に空を見上げれば、一応パイロットは脱出したのだろうが戦闘ヘリが無情にも爆散する光景に、一段落だという感じに息を吐きだしてから
(指揮官も作戦を無事に進めているようですが、一度合流に動きますか)
無論、雑魚を蹴散らしながらですがとギロッと後方に目を向ければ戦車が一瞬で無力化されたことに怯むテロリスト達、彼らの悪夢はまだ終わらないらしい。
時は少しばかり戻り、アナが戦車を無力化するよりも前、キャロルはと言うとこちらもまたテロリスト側からすれば理不尽な強さで敵を蹂躙していた。
「なぁおい、銃が突然バラバラにされアバババババ!?」
「増援はまだか!このままじゃ、あのオレっ娘に全滅させられるぞ!」
(数だけは立派なものだが、それ以外は笑えるほどに弱いな……ともすれば近い内に兵器を動かしてくるだろう)
歩兵じゃ話にならないという展開に作り出す、そのために現状、アナとキャロルは分かれて行動しているのだが彼女としては自分で言いだしたとは言え、非殺傷という縛りは段々と面倒くさいなと思い始めてしまっている。
もし何でもありだというのならば、ここからでも見え始めている武装列車に向けて改良したダウルダヴラに搭載されたグラビティブラストをブチかまして、解決という力技も出来たのだがそれを行うと考えるまでもなく死者が出てしまう。
故に、ちまちまと、だが大胆に暴れるという今回の策を取っているとも言える。
(だが、それはそれとして面倒だな……)
「駄目だ、どれだけ銃弾とレーザーを叩き込んでもバリアが一向に壊れねぇ!」
「チートや!チーターやこんなん!!」
「たかがこの程度の弾幕に晒された程度で破れるような物を作るわけ無いだろうが」
お返しだとばかりに雷撃で反撃しようとした時、ダウルダヴラに反応、続けてキャロルの耳にもヘリのプロペラ音を聞き取れて空を見上げれば
「だったらこれでどうだ!!」
どうやら子供相手でも容赦は無くなったらしいという気迫すら思わせる声で戦闘ヘリから機関砲の弾幕が撃ち出されるが、それら全てをディストーションフィールドと電磁シールドで防いで見せれば、戦闘ヘリのパイロットはコックピットからその光景を見て驚愕の表情を浮かべ
「嘘だろ、チッ、なら!」
「(ミサイルか、どうやら本気らしいが……)あくびが出るな」
対戦車ミサイル、もはや個人に向けて撃つようなものではないそれに対してキャロルはただ一言、そう告げてから右腕を下から上にスッと動かす。
何かを出したというわけではない、周りから見ればただ虚空に向けて、虫を払うような仕草をしただけの行動、だが結果はすぐに出た。
戦闘ヘリから射出されたミサイルはほんの少し進んでところで突如細かく輪切りになり爆散、しかも一つだけではなく撃ち出した全てが同時に、だが地上の歩兵たちは今の光景に見に覚えがありすぎた。
「な、なぁおい、今のって」
「あぁ、間違いねぇ。さっきから不自然に銃がバラされる現象と同じだ」
「おいじゃあ何だ、目の前のガキは、マジで魔法使いってのかよ」
因みにだが、実際はダウルダヴラによる空間転移からの鉄線攻撃で両断されただけなのだが、以前よりも精度が上がり必要以上に空間に波紋を広げることがなくなったので周りからはキャロルが腕を振るっただけで物体が切り刻まれたように見えるという話である。
対して、パイロットも同じように驚愕していた、だからこそ爆煙から現れたキャロルに気付くのが遅れ接敵を許し、ガントレットを向けられ
「降りろ、貴様とてヘリと共に命を散らしたいわけではないだろう?」
「ヒッ!?」
彼にはもはや人として自分を見ていない冷ややかな瞳のキャロルが恐怖の対象にしか見えず、逃げるようにヘリから飛び降りてしまう、幸いにも近くに比較的、高い建物の屋上があったので怪我をした様子はないが、だからといって逃がすわけもなく降りたのを確認してから雷撃で気絶させ、それからヘリから離れて、両手を振るえば幾重にも切り刻まれ爆散。
その爆煙を背景に空中に漂ったまま振り向き、地上のテロリスト、そして増援できたヘリを視界に入れてから攻撃的な笑みを浮かべたのだが、その姿は後にテロリストはこう語る。
「魔法少女とか可愛いもんじゃねぇよ、あれは魔王だ、とびっきりの魔王だ」
などと語られる未来を彼女が知るわけもないので置いておき、こうして空に上がった彼女が見たのは奥の武装列車がミサイルを放っている光景、始めの自分達へかと思ったがそうではなく、その方向は街の方角であり、そこで彼女は苦虫を噛み潰したような表情を晒す。
彼女はこう考えた、ここから街に攻撃できるのかと、だからこそ即座にダウルダヴラの機能を全開にして、超高速演算で距離などを算出し、背面ユニットを展開、チャージを開始、そして
「悪いが、俺の視界が射程距離だ」
無数のミサイル軍の真横と真上に座標を指定しそこから重力波の暴力『グラビティブラスト』を放ち、ミサイルをほぼ爆散させ、そこで気付いた。
ダウルダヴラがまた別の反応を拾っており、どうやら今のミサイルはそれの迎撃だったということを、彼女はフムと考えてから
「……まぁ、無駄にはならんだろう、驚かしはしたかもしれんが。さて、味方が来たのならばもう少し暴れるとするか」
《こちらシンデレラ、これより合流します》
「あぁ、どうやら味方も来始めているようだ、合流しつつ進行を始めるとしよう」
さぁ、もう少しは楽しませてくれよ?キャロルが呟いたその言葉は、テロリストには十分すぎるほどに恐怖を与えるのであった。
これもうどっちが悪役か分かんねえな?(キャロルのセリフ)あ、割と好き勝手暴れてます、多分ヘリとか戦車とか、こっちに来てるからそれなりに数減らしにはなってるんじゃないんですかね?(適当
因みにミサイルの迎撃云々は『ガイア・ティアマート』様の作品『閃空の戦天使と鉄血の闊歩者と三位一体の守護者』から拾いました!た、多分大丈夫なはず、うん
駄目でしたらメッセください、明日の私が頑張って修正します、はい(土下座