それいけポンコツ指揮官とM1895おばあちゃん!! 作:鮪薙
「正直、エゴールさんが居てくれて俺助かってます」
唐突にジェイクが呟くがエゴールもその理由は理解しているので、短く返事を返す。
この女性だらけの空間に放り込まれたと言っても過言ではない男二人組、正直な話で言えば居づらかったりする。
「いやまぁ、誘われたのは嬉しいんですけどね……」
「私くらいならまだしも、君くらいの青年がこのような空間にと言うのは緊張するだろうな、それと無理に敬語じゃなくても構わない」
「あ、んじゃお言葉に甘えて、と言うか姐さんも何を思って俺を巻き込んだんだか……」
切り替えが随分と早いなとエゴールは思いながらも彼のことは実を言うとM16経由で聞いているので過去にどのような暮らしもしていたことも知っている、そのことから切替の速さは底から来てるのだろうと判断してそれ以上の考えは一旦置いておくことに。
それからジェイクの疑問はご尤もだとも考える、自分はキャロルからランページゴーストの稼働率がP基地でも問題になりつつあるから一旦羽休めをしろという話でここに居るから良い、しかし確かにジェイクも聞けば連日休みなく働いていたらしいのではあるが、態々巻き込む必要があったのかと思わざるを得ない。
一応、物凄く良い方向へと彼女の行動を解釈するのならば
「都会から離れ、自然を見ることで知らずにためていたストレスを発散……いや、無いな」
「すげーな、姐さんの行動にそんな考えが一瞬でも浮かばない辺りが」
事実、彼女の中にそんな考えは勿論ながら無いのである、そしてそれに分かっているからこそジェイクは軽くため息を吐き出してから楽しげな声が聞こえる方を見ては
「一応、男が居るってことは理解してんのかね」
「理解していても彼女たちは変わらないさ、誰が前でも信頼できる相手の前ならば飾らない者たちだからな」
「聞こえは良いけど、無防備がすぎるっていうことじゃねぇか……」
一応言うが、彼だって男であり青年という一番多感な歳、そんな彼が世間一般的に言わされば美人美少女の、しかも水着姿ではしゃいでる姿というのは色々と耐えるのが大変なのである。
無論、彼にそのつもりは一切無かろうと本能というべきか、生理現象はしょうが無いのである、そう考えればジェイクとしては
「エゴールさんは、慣れてんだな」
「流石に10年以上そのような職場で働いていれば自然とな、それに私からすれば基地の者たちは年が離れすぎているしな」
「あぁ、なるほどね」
それに付け加えれば、男がエゴール一人しか居ないP基地ではあるがそこまでの窮屈は感じないらしい、一応キャロルも男性が彼だけではということで増やすべきだろうかと検討はしているらしいのだが中々に難しい問題だとか。
と男二人が語り合っている所に、その件の指揮官であるキャロルと副官であるFive-sevenが現れ
「羽根は休めているか、『父上』」
「あぁ、休めているよ。ってどうしたジェイク?」
「言っておくけど、割と普通の反応だからね?」
彼女が有名基地であるP基地の指揮官だということは知ってはいたジェイクではあるが、その指揮官がエゴールに向け父上と発言したことに衝撃が隠せないという表情を晒す、それを何処か抜けているエゴールとキャロルは不思議そうに見るがFive-sevenの言葉が全てである。
そんな感じの視線を受けたジェイクは我に即座に返ってから、そもそもにしてシャフトの家族も似たようなものじゃないかとなってから
「あ~、そういやシャフト周りの相関図は凄いことになってるんだったな」
「それに比べれば俺と父上の関係性はまだ分かりやすいものだろう、それにしてもすまないな、M16が巻き込んだと聞いているが」
「私からも謝るわね、もう幾らシャフトちゃんとの仲を進展させたいからって強引がすぎるのよ」
今の言葉にジェイクが即座に待ったをかけれたのは奇跡だろう、この眼の前の副官は何やらものすごい勘違いをしていると、そもそもにして自分とシャフトとは間違ってもそんな仲とか言う話はないということを伝えれば、何故か驚いた顔をされ
「あら、そうだったの?てっきりそうなのかと思ってたわ」
「いやいやいや、何をどうすればそんな勘違いするんだよ」
「ふふ、冗談よ。でもエゴールを除けば、年が近い貴方にシャフトちゃんが心を開いてるのは嬉しいことだし、良ければとも思ってるのよ?」
良ければってあんたが勧めることなのかとジェイクが呆れ気味に言葉にすれば、その反応がなんとも初々しく見えたのかFive-sevenが楽しげに笑う、のを見ていたキャロルだったが
「さっきから何の話をしているんだ……」
「そこまで気にしなくても構わん、副官もあまり彼をからかってやるな」
「ちょっとちょっと、お姉さんを差し置いて何面白い会話してるのよ」
あ、これ間違いなく面倒な絡まれ方するな。ついさっきまではペルシカとカリーナの所に居たはずのアンジェリカがフラッと現れ、ジェイクはそんなことを確信してしまった、そして実際にその通りになるのだが割愛しておこう。
「ねぇ、アンジェリカが彼に絡みに行ったんだけど止めなくてよかったのかい?」
「まぁ一日しか無い休日らしいですし、好きにさせたほうが幸せだと思いますし良いんじゃないんですかね、飲み物どうぞ」
あぁ、彼女今日の休みですら無理に作ったってさっき言ったもんねと言うことを思い出してジュースを飲みつつ、なんとも面倒臭い絡み方をジェイクにしているアンジェリカに若干温かい視線を送ってしまう。
因みに彼女自身は三泊四日どころか、一週間ほどの夏休みを得ている大勝利者である。と各々が海で楽しんでいるが時間が過ぎるのは早いというものであり、だがそれは決して楽しみが終わるということではなく
「あんた達!!昼食の用意ができたから海の家に集まりなさい!!!」
「ネゲブ!!??き、来てたんだ……てっきり88式が作ってるんだと思ってたんだけど」
「なんか暇してたみたいで、アタシが声をかけたらだったら料理は任せろって、だから終わりまでの三色全部作るんだってさ、それよりもだ」
「お昼だ!!!」
だがそれよりも前に一旦シャワーを浴びて着替えてこいとネゲブの言葉、それが終えれば(主にルキアが)待ちに待って海の家での昼食、用意されたのはスリーピースが送ってきた海産物やゲーガーの牧場で用意したお肉や野菜、とどのつまりはバーベキューである、あるのだが一般人代表ジェイクが
「これ、明日以降の分もあるのか?」
「面白い冗談ね、一食で消えるわ」
「最高の冗談だと思いたかった」
「ね、ネゲブさん、早く手伝ってください!!!」
88式の悲鳴に近い応援要請にネゲブはジェイクに軽く苦笑を返してから手伝いに入り、ジェイクはとりあえず食べるかとシャフト達のもとに行くのだが
「……なんかもう、驚かなくなってる自分が居るな」
彼のこの呟きに一人頷くエゴール、彼もまた初めの頃は驚きっぱなしだった人物の一人なのである。
冷静に考えてみれば青年が放り込まれる空間じゃねぇよこれ、色々と抑えるのが大変だよこれ
次回はちょいと書き方を変えて行こうかなって