それいけポンコツ指揮官とM1895おばあちゃん!! 作:鮪薙
お忘れかもしれないがアンジェリカとキャロルと副官であるFive-sevenの三人は日帰り組である。
ということは帰る時間というものがやってきてしまうものであるのだが、その際の一幕を書いておこう。
時間にして夕方よりも前、ネゲブ達が今度は夕食の準備に取り掛かって、他の面々は島に作られていたコテージ(と言うなの旅館もどき)にて、のんびりと過ごしているときの事、唐突にキャロルの通信端末が着信を知らせ出てみれば
「そうか、分かった準備をしておく、あぁ……」
「誰から?」
「81式からだ、そろそろ着くから帰り支度を済ませておいてくれとな」
見れば時計は確かに帰りの時間に迫っており、ユノ達ももうこんな時間だったんだと声を上げる。
だが同時に思うのは彼女の立場的には確かにあまり基地を空けるのはよろしくないのは理解しているのだが、何も日帰りじゃなくても良いのではという感情であり、ユノも
「一日くらいなら平気だと思うけどなぁ」
「かもしれんが、念の為と言うやつだ、最近は災害救助にもナデシコが利用されるからな、それにこの場にオモイカネが居る以上、AK-12だけでは少々心許ない」
更に言えば、副官もこの場に居るので現在は指揮官代理のジェリコが基地に居るだけ、なので最高責任者たる彼女が戻らなければ何か有事があった際には上手く事が対処できないかもしれないという懸念があるので一泊というのは難しいと伝えれば
「そっか、まぁそれもそうか」
「本音を言えば最後まで付き合いたかったがな、ということだアンジェリカ、貴様も準備をしておけよ」
「……」
そう言いながら彼女の方に向けば既に缶ビールを開けた姿で固まっているアンジェリカの姿、もう呑んでるのか貴様はと言いかけた口を無理やり閉じて、改めて迎えのヘリがもう来るから準備を済ませてヘリポートまで行くぞと通達、しかし返ってきた答えは
「思ったのよ、明日の朝には帰れば良いんじゃないかなって」
「寝言は寝てから言え、そもそも明日の帰りのヘリを誰が用意すると言うんだ……」
「嫌だっておかしいでしょ、私は一日で向こうの科学者は一週間の休みよ?不公平じゃない?」
「残念、私は今日までに一週間分の仕事を潰してきたのでこれは正当な休みさ」
向こうでルキア達に夏休みの宿題である数学などを教えていたペルシカがハッハッハと言う感じの笑い声が聞こえそうな声で答える、これはカリーナからも確認が取れているので嘘ではない。なのでアンジェリカはぐぬぬと言いながら缶ビールを煽り呑んでため息を吐き出してから帰り支度を始めるのであった。
ということでヘリポート、見送りも兼ねてほぼ全員が向かった頃には既に到着しており、81式が
「お待ちしておりました」
「態々すまないな、さて俺たちは帰るがルキア、クリス、無論お前たち全員もだが怪我のないようにな」
「うん、キャロルおばちゃんも57さんも今日はありがとう!」
「楽しい思い出作りながら自由研究、頑張ってね」
子供たちと一通り挨拶してからキャロルはエゴールの方に向かいそれから
「父上も、しっかりと休んでくれ、戻ってからは恐らくは今まで通りだと思われるからな」
「あぁ、だがキャロルもあまり肩に力を入れすぎるなよ」
心からの気遣いの言葉にキャロルは嬉しそうに笑ってから頷く、次にユノ達の所へ向かえば、Five-sevenも居て何故か呆れた表情をしていた、いや、彼女だけではない、あのユノですら苦笑を浮かべているではないか、どうしたのかと聞けば
「私はやっぱり今日は泊まるわ、えぇ、大丈夫、明日の朝一に反逆小隊の誰かにヘリを飛ばさせればいいのよ」
「オメェなぁ……」
「まだ言ってるのか貴様は」
だがアンジェリカの抵抗は虚しくも無駄になるだろう、その理由は至ってシンプル、迎えのヘリの扉が開き降りてきた彼女たち、そう『反逆小隊』の面々である、これにはアンジェリカは驚愕を隠せなかったようで
「な、なんでここに!?」
「キャロル特務指揮官より、駄々こねているから回収を頼むという通信を受理しまして」
代表してAN-94が答える、が途中でアナの存在に気付けばほんの少しだけ表情を固くし、それから即座に戻す。
尚、アンジェリカはその言葉にキャロル!?と驚くが件の彼女はその視線になにか反応するわけでもなく、寧ろ
「事実だろ、さて帰るぞ」
「はいはい行きますよ~」
RPK-16の一言でAK-15が無言のままアンジェリカを引き摺りヘリへと向かい、それを全員が見送るのだが途中で分かった分かったからと声がし
「まぁ一日でも良い気分転換にはなったわ、じゃあお邪魔したわね」
「また仕事が一段落したら家に来てください、歓迎しますから」
「あら、じゃあそれを楽しみに頑張ってくるわ」
とは答えたものの、やはり未だ過酷な仕事ということもあり戻りたくないなぁとボヤくアンジェリカにユノはアハハハと苦笑を漏らす、だが彼女のことなのでヘリが飛び立てば直ぐにでも仕事モードに切り替えて反逆小隊か、はたまた局長であるゼリンスキーから次の仕事の話を聞いて行動を起こすだろう。
こうして彼女たちは帰ったのだが、実を言うとこのタイミングで入れ替わりできていた存在が居た、その一人はなんかやっぱり大物多すぎねぇかこの空間と一人思っていたジェイクの背後に影が現れ
「よぉ、少年」
「ね、姐さん!?」
振り向けばそこに居たのは確かにM16A1、だが彼女だけではない、どうやら別のところから島に来ていたようでコテージに荷物を置いてきたのだろうM4、AR15、SOP、RO635もぞろぞろと現れてから来た経緯と挨拶を、因みに理由は
「単純に仕事を片付けたからってだけなんだがな、それと少年の様子を見に来たってのもある」
「絶対に後半が主な理由じゃねぇか……」
「じゃあ、帰りまで一緒なんだね」
「はい、AR小隊での仕事は暫くは無いとのことなので休暇を貰ってきましたから、私達も少しばかり羽根を伸ばそうと思いまして」
平和になろうともAR小隊は中々に激務をこなしている、なので今回みたいな長期の休みは久しぶりだというのもあってバカンスに遅れる形で来たらしい。
「思いっ切り楽しもう!」
「SOPちゃん、明日は山に虫取りに行くんだよ!」
「おおお!!カブトムシとか獲ろう!!!」
虫取り、この言葉に思わずSOPを除いたM4達が一人の人物を見てしまう、昔から変わらずある程度は改善されたといえど未だに虫はだめだと公言している彼女を……
その人物は勿論ながらもっと前からルキアから明日はねと言う話の流れで聞いてはいたが、なので
「か、カッコいいのが、見つかると良いね」
ユノ・ヴァルター、明日はきっと大変な日々になるぞと確信するのであった。
本当だったら三人の帰宅は短くして、クリス視点と言うかチャット風な視点の話を書こうとしたのですが入りませんでした!!
ということで来週はそんな感じのお話で進めたいと思います、はい