それいけポンコツ指揮官とM1895おばあちゃん!!   作:鮪薙

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この作品だと滅茶苦茶に久しぶりの登場である


☆ 一人暮らしにさせると駄目な司書さん

毎日のように太陽が照りつけ、何もしていなくても汗が流れるような暑かった夏、だが気付けば肌寒いかなと感じるほどの北風が吹き始め、また新たな季節が顔を出し始めた……そう、秋である。

 

秋と言えば様々な冠言葉が付くことがある、運動の秋、食欲の秋、などと言った風に、とは言ってもその2つに関しては秋というものは関係なしな部分が強いので割愛しておこう、恐らくは秋の味覚などはスリーピースや13年という月日で復興した日本で働いている一〇〇式達から送られてきたのを楽しんでいるだろうし、運動は言うまでもないだろう。

 

とすれば残るは芸術と読書となるのだが、この2つはノアとクフェアの娘であるクリス・エストレーヤのイメージが強いだろう、だが実を言うとルキアもまたこの2つは嫌いではなく寧ろ好きな少女である。大きな理由があるというわけではない、元々彼女たちが過ごしていたのはP基地、そしてあそこには多種多様な趣味を持った人形の集まりであると書けば、まぁ何となくだが分かるだろう、早い話がその彼女たちが二人が物心付く頃から何かと見せていたり読み聞かせをしていたと言うだけの話である。

 

まぁ、長々と前置きはここまでにしておき、早速その一つである読書の秋に関連して、基地から街に飛び出して本屋を営むことにしたとある人形について語るとしよう。

 

「……」

 

ここはガーデンにある少し大きめの本屋のカウンターで安楽椅子に座りながら本を読んでいる一人の女性、ゆったりとした体型を隠すような服装、腰までかかる長髪でありながら纏めていない所為で前髪が目元まで来ているが本人は気にしていない様子で読書を進めているのはP基地からここにやってきたG36Cである。

 

何がどういう経緯でと言うんは長くなるので割愛するが、本人からの希望であり、現在は『ミラ』と名乗り人間社会に紛れて生活している。そして伊達や酔狂で希望してわけでもなく、初めは小さな本屋だったここは気付けばそこそこ大きめになり、今では自身のダミーと数人の従業員を雇いながら、販売、貸し出し、店長である彼女本人による読み聞かせなどを行っている。

 

……とここまで書いていると何も問題なく経営が成り立ち、読書の秋ということで更に利用者が増えて順風満帆と言えるのだが問題はある、とは言っても店にではない、では何に、それは彼女本人である。

 

恐らくは忘れられているだろうがこの基地のG36Cは三度の飯より本が好きという存在であり、物凄く過去にユノに自分は包丁を握ったことすら無いと言っていたがあれから今日までついぞ握ることはなかった、更に言えば彼女の家事能力は知識にはあるが経験値にはないというのが実態、ともすれば彼女はどうやってガーデンで暮らしているのかとなるが、その答えは先程も書いた、この店の従業員である

 

「読み耽るのは良いですけど仕事はして下さいよ?」

 

「失礼な、きちんと終わらせてます」

 

「ダミーがでしょそれ……」

 

読みながらもエヘンという効果音が聞こえそうな声のG36Cに男性『ロラン』が返すも彼女はダミーでも自分ですからと答えるだけで、それよりもと業務のことやら唯の雑談やらを始める二人に従業員である二人の少女は

 

「店長って、仕事は本当に優秀ですよね」

 

「そうだね、読み聞かせは店長じゃないとここは務まらないし、この店の本の在庫や貸出中の本だったりを全部覚えてるからね」

 

少なくとも、彼女が居なければもっと苦労しそうな業務の数々をほぼ一人とダミーによって補っているという部分ではその存在は大きい、のだが仕事面が完璧な代償なのだろうか、彼女の私生活は死にに死んでいる。

 

端的に言えば現在G36Cは一人暮らしではなく、ここの二階にある居住スペースで従業員である副店長初めとした数人と共同生活を行っている、というくらいには彼女を一人にするのは駄目なレベルに能力がないのだ。

 

具体的に言うと、ガーデンに来た当初は近場のアパートで一人暮らしを行っていたのだが、その生活っぷりに本当に大丈夫なのだろうかと見に来た姉であるG36によって説教をされてから

 

「店長に私生活に必要な能力を教え込んでくれってG36さんに言われたときは驚いたよね」

 

「でもまぁ、話を聞いたら納得だけどさ……流石に洗濯や掃除はサポートロボ任せ、朝は菓子パン、お昼は近所のお弁当屋、夜はカップラーメンで済ませて後はひたすら読書って、店長らしいと言えばらしいけど」

 

女性としてはどうなのさそれ、赤のショートカットの少女『サリー』の言葉にせずとも考えがわかるその言葉に、茶髪のロングの少女『ユン』が頷く。

 

この二人の言葉通り、生活の大半を読書で埋め尽くし、それ以外にあるのは入浴と睡眠と短時間の食事、これには流石のG36も激怒、対して彼女の言い分は

 

『ま、待ってください姉さん、ほら、部屋はキレイですし、迷惑かけてませんし、読書を取る時間を一人暮らしで作るとなるとこれが最高効率なんです!』

 

何故、この反論でどうにかなると思ったのだろうか、当時を思い出しても理解できないと今でもG36が語るというのは余談なのでおいておき、これが通る訳もなくこのままでは唯でさえ駄目な大人と言われる部類な生活が更に悪化してしまうと懸念した彼女によって当時から住み込みで働いていた彼らのもとに放り込まれ

 

『申し訳無いですが、妹に生活の基礎を教えてもらえないでしょうか』

 

『まるで何もできないみたいな言い方ですけど、知識はありますからね!?』

 

『経験値がないのが問題だと言ってるのです、それと知識があるのならば何故行わないのですか』

 

『ど、読書の時間が……それにアーキテクトさんのロボたちがやってくれますし……』

 

あぁ、便利グッズとかロボを渡しちゃいけなかったタイプの人なんだなと心が一つになった瞬間だった。それに彼女には自分たちが職探しで困ってる時に良くしてもらったという恩義もあるのでと二つ返事で全員が了承し彼女との共同生活が始まった。

 

のだが、彼女はなんというか一人暮らしをさせると楽になろうとすると言うだけで共同生活となると何かやらないといけないとなるのか動くのだが

 

『ひゃああああ!!??』

 

『店長!?』

 

『ぶわって、お湯がブワって!??』

 

『それ唯の吹きこぼれです』

 

パスタくらいなら簡単ですと昼食に作り始めたのだが吹きこぼれの事は知識にはあったが想定以上の現象にパニックになりサリーにフォローされ、掃除をしてみれば何時までも自室から出てこないなとロランが覗いてみれば

 

『あっ』

 

『……いやまぁ、予想はある意味してましたよ、うん』

 

全く進んでいないどころか、寧ろ本のタワーで悪化させる。以前ならばそれでもサポートロボが綺麗にしてたので問題なかったのだが居ないのでそうはならずにその後、数時間掛けて掃除したり、と他にもあるがまぁ知識があるが経験値がないのが致命的だというG36の言葉を理解したG36Cは

 

(このままでは他の子達から駄目な大人と言われてしまいそうです、頑張らないと)

 

というすでに手遅れなことを決意しロラン達の助けを借りながら会得しようとした結果、今ではそれなりにこなせるようになりG36もこれならば問題ないと共同生活からまたアパートを借りての生活に戻したのだが、一月後、彼女はまた戻されてきた。

 

『すみません、どうやらこの子、一人にしたら駄目なタイプみたいだったです』

 

『身も蓋もない言い方はどうかと思いますよ姉さん!』

 

どうやら会得したからと言ってそれらを活用するかは別問題だったらしく、過去の生活に戻ってしまったようで今も共同生活が続いている、というよりもこのままずっとそうなのだろう、しかし不思議と

 

「まぁでも、店長と暮らしてても嫌とは思わないよね、なんでだろ」

 

「うーん、世話を焼きたくなる大人って感じがするからかな」

 

「言われてますよ店長、いや、まだボカして言われてるから良いのか、ほら、はっきり言うと干物女だから見てて飽きないんですよ」

 

「酷い!!??」

 

G36Cの叫びの笑いが溢れる店内、黙々と仕事をこなすダミー達、読書の秋とは言ってもこの店はいつもと変わらず時間になれば集まってくる子どもたちに本の素晴らしさを教えつつ読み聞かせをしていき一日が流れていく、本日もまた『ケニントスクヴェレ』は賑やかに、人々に本を提供していくのであった。




因みにこの街での彼女の服装はアイマスの鷺沢文香の私服をイメージしてます、彼女かわいいよね。

あと従業員はLibrary Of Ruinaの各階層の司書を元に考えてたり、まぁイメージだから性格とか全然違うけどな!
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