それいけポンコツ指揮官とM1895おばあちゃん!! 作:焔薙
「へ?」
指揮官の素っ頓狂な声が不思議とBAR全域に響いた、何事かと振り向く全員の視線がF45と指揮官に向けられる
先程の食堂での会話を思い出しそう言えばお酒に弱いって言ってたよねと心配になりF45の顔を見れば顔を赤くして素人目から見ても酔っていると分かる
「……これって私のせいだよね?」
「まぁ、そうなるのう。なぜ呑ませた」
「いや、オレンジジュースだと思って」
ソフトドリンクが瓶で出てくるわけなかろうてと呆れた声を聞き流しつつ、動きを見せないF45に声を掛けてみる
「大丈夫F45?ごめんね、お酒だって気付かなくって……」
「……(ボー)」
が返事が返ってこない、赤い顔をして覗き込む指揮官の顔をじっと見つめている、どうしたのかと思ったその時、徐にパーカーに手を掛けて……
そこからの指揮官の行動は早かった、流石に何をしようとしてるかはすぐに理解できた彼女は即座にF45の両手を掴んで動きを止める、止められたF45は明らかに不満ですという顔で指揮官を見る
「いやいやいや、幾ら同性しか居ないからって脱いじゃ駄目でしょ!?」
「いやだ、あついからぬぐのー!!」
「うわちょっ、力すご!?駄目だって、ああ分かった!パーカーまで!!パーカーまでなら許すから!!」
「うぅ~、シャツもー!」
酔いで幼児退行してるF45はパーカーだけという指揮官の言葉にまだ暑いからシャツも脱ぎたいと駄々をこねるがそれを何とか宥めつつ、これ以上脱がないように誘導する指揮官
その様子を眺めるBARの面々、一切手伝いに入らない辺りこれを楽しんでいる節もある、と言うより
「おぉ~、手慣れてんなぁ指揮官」
「なんじゃ、もうちょっと慌てふためく所が見れると思ったのにのう」
「From now on F45 will begin to attack, so it's better to see it」
思いっきり酒の肴にして楽しんでいた、その間にもF45と指揮官の攻防戦は続き数分後、漸く大人しくなったF45に残りのF小隊が驚きの声を上げる、基本的にああなった彼女は酔いが完全に回り寝落ちするまではあんな調子なのが基本であり大人しくなったのは今回が初めてなのだ
「むぅ……」
「ふぅ、やっと落ち着いてくれた、良いF45?暑いからって脱ぎたくなるのは分かるけどだからってこういった場所で脱ぐのは良くないよ?」
「……」
「F45?」
大人しくなった、それはあくまで第三者から見ての感想であり、そして指揮官もそう思っていた。が何かがおかしいと彼女は同時に予感する、そもそもあそこまで酔ってた者がそう簡単に大人しくなるのかと
だが先に異変に、と言うよりF45の次の行動に気づいたのはF9だった
「指揮官、45姉から少し距離取ったほうが良いかも」
「え、あ、うん?」
割りと焦燥感のある声でそう言われれば距離を取るために動こうとした時、グンッと服の裾を握られ動きを阻害される
おろ?とそっちを見れば何故か潤んだ目のF45の姿、どうしたものかと指揮官
「離れるなってことかな?」
「……うん」
「そっかそっか、おいで」
「えへへ」
そんな目でそんな事言われれば距離を取れなくなるのが人間の情というもので両手を広げ呼べば素直に来るF45、このまま眠ってくれるかなぁと思ってた矢先
「指揮官さん……わたし、みんなのことすき、指揮官さんはすき?」
「え、えぇっと、皆好きだよ?」
「へ!?」
「ちょっとPPK黙ってるにゃ」
F45からの問に戸惑いながらもそう答えれば彼女はまたえへへ~と嬉しそうな顔で笑い、そして突如、腕の力を強めたと思えば
指揮官の唇とF45の唇が重なった、しかもバードではなく明らかにディープである
「!!!!!!???????」
「なっ!?え!?あっ、えぇぇぇぇええええ!!?」
状況がうまく飲み込まず何をされているか分からず目を白黒させキスを受け入れる指揮官とその光景を目の当たりをし誰も見たこと無いような顔で叫ぶPPK
数秒後、離れれば透明の糸が引き無邪気な笑顔のF45と未だ目を白黒させている指揮官、だがそれも長くは続かず
「……キュ~」
「おっと、刺激が強すぎたかね、指揮官そこら辺の知識なさそうだもんなぁ」
「I listen but this is the first time for a commander like this?」
「無いだろ、聞いたこともないしさっきの反応見るに初めてだろうな」
目を回してぶっ倒れる指揮官を直ぐ側に来ていたM16が支えF416の質問に苦笑しつつそう返す
一方F45は倒れてしまった指揮官をそのままにフラフラと行動を開始、その視線の先には
「待て、なぜわしの所に向かってくる!?」
「頑張って副官、私達にはもう止められないから」
「え、えっと、ごめんね副官さん」
「おい待て、ええい離せ!F45聴こえてるなら止まるのじゃ!!」
M1895が次の標的は自分だと気付き逃げようとした時には両サイドをガッチリとF11とF9が押さえられ失敗に終わる
ならばと未だ迫ってくるF45に叫ぶが嬉しそうな顔のまま止まる気配はない、そして遂に
「おばあ~ちゃん」
「ま、待つのじゃ、別にそう呼ぶのは構わない、構わないが、待て!?待てと言って……」
「だいすきっ!」
本日二人目の犠牲者、M1895。流石に初めてでは無かったがそれでも中々に刺激が強く彼女が離れてからも少々放心していた
「えへへ~……すぅ」
「あらら、45姉、寝ちゃった」
「部屋に運んであげよ、あ、歓迎会、楽しかったです」
「Though it is a short period, thank you once again.」
そしてそこで眠りに落ちたF45、F小隊も彼女を部屋に運び今日はそのまま床に就くらしくこの小さな歓迎会はこうして幕を閉じたのであった
「……な、中々凄かったのじゃ」
「比較できるほど経験が?」
「黙っとれ」
尚、指揮官はM16が運び、PPKはあれはファーストとカウントするのか否かでIDWを困らすのであった
この酔っぱらい幼児退行F45だぁぁぁぁぁぁ!!!!(ズキューーーン!!
割りと好き勝手に酔っぱらいモードF45書きましたごめんなさい(先行謝罪)
多分、次回でF小隊章は一旦終了かなって。そろそろハロウィンだしね!